日本各地に受け継がれてきた民謡には、土地の暮らしや働く人々の思いが込められている。漁の作業歌から祝いの席の歌、踊りと結びついた賑やかな調べまで、その背景にはさまざまな物語がある。今回はそんな民謡にまつわる雑学を集めたクイズを10問出題する。由来や伝承地、歌詞に込められた意味を手がかりに、日本の民謡の奥深い世界を楽しみながら知識を試してみよう。
Q1 : 福岡県の民謡「黒田節」の由来となっている逸話で、家臣が福島正則から譲り受けたとされる名槍の名前は何か。
黒田節は福岡県に伝わる民謡で、黒田藩の家臣・母里太兵衛にまつわる逸話が由来とされる。酒の席で福島正則から大杯の酒を勧められた太兵衛がこれを飲み切り、褒美として天下三名槍の一つに数えられる「日本号」を譲り受けたという豪快な逸話が歌の背景になっている。「酒は飲め飲め飲むならば」という歌詞で知られ、座敷歌として武士らしい勇壮な曲調が特徴である。御手杵や蜻蛉切、鬼斬安綱もそれぞれ有名な名槍だが、黒田節の逸話に登場するのは日本号である。
Q2 : 「五木の子守唄」が伝わる五木村はどの都道府県にあるか。
五木の子守唄は熊本県球磨郡五木村に伝わる民謡である。貧しい家の子どもが奉公先で自分の子ではない子を背負いながら、切ない心情を歌った子守唄として知られている。「おどま盆ぎり盆ぎり」で始まる歌詞が特に有名で、哀調を帯びた旋律が多くの人の心を打ち、日本三大子守唄の一つに数えられている。五木村は球磨川水系の山間部に位置し、現在もダム建設に伴う村の移転など複雑な歴史を抱える地域として知られる。宮崎県、大分県、鹿児島県はいずれも九州の近隣県だが、五木村があるのは熊本県である。
Q3 : 北海道の民謡「江差追分」の元になったとされる、信州の宿場町で生まれた馬子唄は何と呼ばれるか。
江差追分は北海道江差町に伝わる民謡で、日本三大民謡の一つとして名高い。信州の中山道・追分宿で生まれた馬子唄「追分節」が、北前船の船乗りや漁師たちを通じて北海道に伝えられ、ニシン漁で栄えた江差の地で独自の節回しに発展したものとされている。前奏に用いられる尺八の音と、伸びやかで技巧的な歌声が大きな特徴で、毎年行われる全国大会には多くの歌い手が参加する。木曽節、小諸馬子唄、安曇節はいずれも長野県に伝わる別の民謡である。
Q4 : 島根県の民謡「安来節」とともに演じられる、ユーモラスな踊りとして知られるものは何か。
安来節は島根県安来市に伝わる民謡で、ユーモラスな「どじょうすくい」の踊りとともに演じられることで広く知られている。笊とかごを手にした踊り手が、どじょうを捕る所作をこっけいに演じながら踊る様子は観客を笑わせる演目として定着しており、全国から踊り手が集う安来節全国大会も毎年開催されている。軽快な三味線の旋律に乗せた歌も特徴的である。獅子舞、花笠踊り、阿波踊りはいずれも他地域の有名な民俗芸能で、安来節とともに演じられるのはどじょうすくいである。
Q5 : 「こきりこ節」の伝承地として知られる富山県の地方はどこか。
こきりこ節は富山県南砺市の五箇山地方に伝わる民謡で、田楽の流れを受け継ぐ日本最古級の民謡の一つとされている。踊りでは「こきりこ」と呼ばれる二本の竹を打ち合わせて拍子を取り、「ささら」という細い木片を連ねた楽器も用いられ、独特の音色を生み出す。五箇山は合掌造り集落として世界遺産に登録されている山深い地域で、豪雪と閉ざされた地理条件のなかで独自の民俗芸能が今日まで大切に保存されてきた。白川郷や奈良井宿、大内宿はいずれも別地域の伝統的な町並みである。
Q6 : 山形県の民謡「花笠音頭」の踊りで手に持つ道具は何か。
花笠音頭は山形県の代表的な民謡で、紅花をあしらった花笠を手に持ちながら踊るのが大きな特徴である。「ヤッショ、マカショ」という軽快な掛け声に合わせて花笠を振り回す踊りは華やかで、見る者を楽しませる。毎年8月に山形市で開催される花笠まつりでは、大勢の踊り手が花笠を手に通りをパレードする光景が有名で、東北四大祭りの一つに数えられている。扇子や提灯、太鼓を主役にした踊りとは異なり、花笠そのものが演目の中心的な道具となっている点が特徴的である。
Q7 : 高知県の民謡「よさこい節」の歌詞に登場する、僧侶がかんざしを買ったとされる場所はどこか。
よさこい節は高知県の代表的な民謡で、「土佐の高知のはりまや橋で坊さんかんざし買うを見た」という歌詞が特に有名である。はりまや橋は高知市内に実在する橋で、この歌詞は僧侶と女性の恋物語を題材にしたと伝えられている。歌はもともと盆踊り歌として親しまれてきたが、現在は高知県で毎年開催される「よさこい祭り」の名称の由来にもなっており、高知を代表する文化のシンボルとして全国にその名を知られている。桂浜や四万十川、足摺岬は高知の有名な景勝地だが、この歌詞には登場しない。
Q8 : 「佐渡おけさ」が伝わる佐渡島はどの都道府県に属するか。
佐渡おけさは新潟県の佐渡島に伝わる代表的な民謡である。北前船の船乗りたちによって越後国から伝えられたとされる「おけさ節」が、佐渡の地で独自の旋律や踊りに発展したものとされている。盆踊りとして踊られることが多く、優雅で緩やかな手の動きが特徴的な振り付けとなっている。新潟県を代表する民謡として全国的にも広く知られ、観光イベントや民謡大会などでもしばしば披露される。石川県、島根県、長崎県にもそれぞれ独自の民謡が伝わるが、佐渡おけさとは異なる系統のものである。
Q9 : 福島県の民謡「会津磐梯山」の歌詞で「宝の山」と称されている山はどこか。
会津磐梯山は福島県会津地方の代表的な民謡で、「会津磐梯山は宝の山よ 笹に黄金がなーる花咲くよ」という歌詞で広く知られている。磐梯山は会津地方を象徴する山であり、その豊かな自然や周辺の資源を「宝の山」と讃えた内容になっているとされる。盆踊り歌として親しまれ、軽快なテンポと「エンヤー」という掛け声が曲全体を印象的なものにしている。安達太良山、吾妻山、飯豊山もいずれも福島県内の名山だが、この歌詞で宝の山と呼ばれているのは磐梯山である。
Q10 : ソーラン節は北海道の日本海沿岸で歌われていた民謡だが、もともとは何の作業の際に歌われた労働歌とされているか。
ソーラン節は北海道の日本海沿岸で盛んだったニシン漁の際、漁師たちが網を引き上げる作業のリズムを合わせるために歌われた労働歌、いわゆる沖揄い音頭が元になっているとされる。「ヤーレン ソーラン」という力強い掛け声が特徴で、重い網を引く動きと歌の抑揚が自然に結びついている。明治以降にニシン漁が衰退した後も民謡として歌い継がれ、現在はよさこいソーランなど踊りの演目としても全国的に広く知られているが、起源をたどれば厳しい漁の現場から生まれた実用的な作業歌である。
Q11 : 「阿波踊り」で有名な民謡の名称は?
「阿波踊り」では「よしこの」という民謡が歌われます。「踊る阿呆に見る阿呆」のフレーズが有名で、徳島県の夏の風物詩となっています。踊りとともに唄われるのが特徴です。
Q12 : 「佐渡おけさ」の“おけさ”とは元々何を意味する言葉?
おけさは元々踊りの名称で、船頭がおけさ節を歌いながら踊ったのが始まりとされます。佐渡おけさは新潟県佐渡島で伝承され、島の文化を象徴しています。
Q13 : 「江差追分」が生まれた都道府県は?
江差追分は北海道江差町が発祥で、北前船の船乗りたちの哀愁を歌っています。ゆったりとした節回しで、全国大会も行われるほど人気があります。
Q14 : 「安里屋ユンタ」はどこの地方の民謡?
安里屋ユンタは沖縄県八重山諸島(石垣島)の民謡です。農作業唄から発展し、「サーユイユイ」の掛け声が特徴的です。全国的にも人気を集めています。
Q15 : 盆踊りで定番の「八木節」はどの地域の民謡?
八木節は主に群馬県東部(桐生市、足利市など)を中心に伝わる民謡で、祭りや盆踊りに欠かせません。力強い歌い回しと軽快なリズムが特徴です。
Q16 : 「五木の子守唄」で有名な“五木”は現在どの都道府県にある?
五木の子守唄は熊本県球磨郡五木村が発祥です。山あいの村の厳しい生活と、子守の少女の哀愁を歌っています。日本各地で知られる優しい旋律が特徴です。
Q17 : 「会津磐梯山」に登場する“花”の一つは?
会津磐梯山は福島県の民謡で、歌詞の中に“アヤメの花”が登場し、会津地方の美しい自然と生活を表現しています。この歌は民謡大会や盆踊りでも人気です。
Q18 : 「花笠音頭」が有名な都道府県は?
花笠音頭は山形県の民謡で、花笠まつりの際に踊られることで特に有名です。「ヤッショ、マカショ」の掛け声が特徴で、花笠を持った華やかな踊りが印象的です。
Q19 : 「黒田節」に関連する都市はどこでしょう?
黒田節は福岡県の代表的な民謡で、福岡市の黒田藩に由来します。酒を豪快に飲み干すエピソードがよく知られています。九州地方を中心に広まり、力強い歌唱と勇壮なメロディが特徴です。
Q20 : 「ソーラン節」が生まれた都道府県はどこでしょう?
ソーラン節は、北海道民謡の代表的な楽曲です。オホーツク海沿岸のニシン漁の仕事唄として生まれ、歌詞に「ヤーレン ソーラン ソーラン」と出てくることから広まりました。北海道の開拓や漁業と密接につながっており、全国的にも有名な踊りになっています。