オペラや受難曲で物語を語り進める「レチタティーヴォ」。語源や伴奏様式、担った役割、そしてワーグナーが挑んだ革新まで、音楽史の中で変化を続けたこの様式について、どれだけ知っているでしょうか。10問のクイズで、その奥深さを確かめてみましょう。
Q1 : バッハの「マタイ受難曲」などにおいて、福音書記者がレチタティーヴォで担う役割は何でしょう?
バッハの受難曲(マタイ受難曲やヨハネ受難曲など)では、福音書記者(エヴァンゲリスト)と呼ばれるテノール歌手が、レチタティーヴォ・セッコの様式で聖書の物語を語り進めます。通奏低音のみの簡素な伴奏によって言葉を明瞭に伝えることができ、合唱やコラール、アリアが物語への感情的な反応や黙想を挿入するという構成になっており、物語と音楽的省察が交互に展開されます。
Q2 : 初期のオペラ作品において、言葉の抑揚を重視した「スティレ・レチタティーヴォ」の様式を用いたことで知られる作曲家は次のうち誰でしょう?
ヤコポ・ペーリは、現存する最古のオペラとされる「エウリディーチェ」などを作曲し、言葉の抑揚を重視した「スティレ・レチタティーヴォ(語るような様式)」を用いたことで知られています。彼はフィレンツェ・カメラータの一員として古代ギリシャ劇の再興を目指し、その成果が後のレチタティーヴォ様式やオペラそのものの発展に大きな影響を与えました。
Q3 : ヘンデルのオラトリオ「メサイア」などにおいて、レチタティーヴォが果たす主な役割は何でしょう?
ヘンデルのオラトリオ「メサイア」をはじめとする宗教的声楽作品では、レチタティーヴォは聖句の内容を簡潔に語り伝え、続く壮大な合唱や感情豊かなアリアへとつなぐ橋渡しの役割を果たします。通奏低音を中心とした簡素な伴奏により言葉の意味を明瞭に聴衆へ届けることができ、物語の展開をスムーズに進める重要な効果を持っています。
Q4 : モーツァルトのオペラにおいて、レチタティーヴォ・セッコの伴奏に一般的に用いられた鍵盤楽器はどれでしょう?
モーツァルトの「フィガロの結婚」や「ドン・ジョヴァンニ」などのオペラでは、レチタティーヴォ・セッコの伴奏に主にチェンバロ(またはフォルテピアノ)とチェロなどの通奏低音楽器が用いられました。簡素な和音と即興的な演奏によって台詞のようなやり取りを支え、劇の進行をテンポよく進める役割を担っていたことが、当時の演奏習慣からも分かっています。
Q5 : 後期ロマン派のワーグナーが、従来のレチタティーヴォとアリアの明確な区別をなくし、目指した作曲様式は何でしょう?
リヒャルト・ワーグナーは、従来のオペラで見られたレチタティーヴォとアリアの明確な切り替えを廃し、「無限旋律」と呼ばれる、途切れることなく連続する旋律による作曲様式を追求しました。これにより音楽と劇の進行が一体化し、場面ごとの区切りを感じさせない流れるようなドラマ表現が可能になり、この手法はその後の音楽劇の作曲に大きな影響を与えました。
Q6 : 通奏低音(チェンバロなど)のみで伴奏される、簡素な様式のレチタティーヴォを何と呼ぶでしょう?
「セッコ」はイタリア語で「乾いた」という意味で、チェンバロやオルガンなどの通奏低音楽器のみによる簡素な伴奏で歌われるレチタティーヴォを「レチタティーヴォ・セッコ」と呼びます。会話や物語の進行を効率よく伝える目的で用いられ、18世紀のオペラ・ブッファやモーツァルトのオペラなどで多く使われました。オーケストラが加わる華やかな形式とは対照的な、軽やかで簡素な様式として位置づけられています。
Q7 : オーケストラの伴奏を伴い、劇的な効果を高めるレチタティーヴォの様式を何と呼ぶでしょう?
オーケストラの伴奏を伴うレチタティーヴォは「レチタティーヴォ・アッコンパニャート」(ストロメンタートとも呼ばれる)と称され、通奏低音のみの簡素なセッコに比べて、より劇的で感情の高まりを表現する場面に用いられます。物語がクライマックスに向かう緊迫した場面や重要な心理描写が必要な箇所で用いられることが多く、アリアへの橋渡しの役割を果たすこともある、表現力豊かな様式です。
Q8 : オペラにおいてレチタティーヴォと対をなし、登場人物の感情や心情をじっくり歌い上げる楽曲形式は何でしょう?
レチタティーヴォが物語や会話の進行を担うのに対し、アリアは登場人物の感情や心情を音楽的に展開し、じっくりと歌い上げる役割を持ちます。バロックから古典派のオペラでは、レチタティーヴォで状況説明や対話を進め、その後にアリアで感情を表現するという構成が一般的でした。両者は補完関係にあり、物語性と音楽性のバランスを取るオペラの重要な仕組みとなっています。
Q9 : レチタティーヴォ(recitativo)の語源となったイタリア語の動詞はどれでしょう?
レチタティーヴォという言葉は、イタリア語で「語る・朗読する」を意味する動詞「recitare」に由来しています。これは歌というよりも台詞を語るような自由なリズムで歌われる様式であることを表しており、オペラやオラトリオの中で登場人物の会話や物語の進行を担う重要な部分として用いられてきました。感情表現を重視するアリアとは対照的に、言葉の抑揚やリズムを優先する点が大きな特徴であり、この語源はレチタティーヴォの本質的な性格をよく表しています。
Q10 : レチタティーヴォが生まれたとされる時代と地域として最も適切なのはどれでしょう?
レチタティーヴォは、16世紀末から17世紀初頭にかけてイタリアのフィレンツェを中心に活動した「フィレンツェ・カメラータ」と呼ばれる文化人・音楽家のグループの研究から生まれました。彼らは古代ギリシャ劇の再興を目指し、言葉を明瞭に伝えるための単旋律の歌唱様式(モノディ)を追求し、これがオペラの誕生とレチタティーヴォという様式の確立に直接つながっていきました。以後この様式はイタリアから各国へと広がっていきます。
Q11 : 問題文
回答の説明(200字以上)
まとめ
いかがでしたか? 今回はレチタティーヴォクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はレチタティーヴォクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。