ティンパニは、オーケストラの後ろで低く響き、曲の緊張感や迫力を支える存在です。実は音の高さを細かく調律して演奏する、奇妙で奥深い楽器でもあります。楽器の構造や仕組み、演奏のコツ、名曲での意外な活躍まで、知れば聴こえ方が変わる話題がそろっています。このクイズで、ティンパニの魅力を10問で確かめてみましょう。普段はクラシックをあまり聴かない方でも大丈夫です。挑戦して、次にオーケストラを聴くときの楽しみを増やしてください。
Q1 : ベルリオーズの幻想交響曲の第3楽章「野の風景」の終盤で、遠くの雷鳴を表現するために演奏するティンパニ奏者は何人でしょうか?
ベルリオーズの幻想交響曲(1830年)の第3楽章「野の風景」は、終盤で遠くの雷鳴を表現する場面があり、4人のティンパニ奏者が異なる音程で静かに演奏します。牧歌的な雰囲気の中で羊飼いの孤独や不安を描く効果を出すため、ティンパニ奏者を複数使うという当時としては大胆な発想が用いられました。ティンパニの音色を風景描写に生かした管弦楽法の先駆的な例として、しばしば取り上げられます。ロールが遠雷のように響く様子は聴きどころです。
Q2 : ティンパニで、音がよく響く基本的な打点はどこでしょうか?
ティンパニは、皮の中心ではなく、縁(リム)から少し内側に入った、縁寄りの位置を打つのが基本です。中心付近を打つと倍音が少なくなり、詰まったこもった音になりやすいのに対し、縁寄りを打つと皮がよく振動して、音程がはっきりした豊かな響きが得られます。また、バチ(マレット)は先端にフェルトなどが巻かれたもので、打った後はすぐに引き上げ、皮の振動を妨げないようにするのもコツです。
Q3 : ティンパニの英語での別名として知られているのはどれでしょうか?
ティンパニは英語で「ケトルドラム(kettle drum)」とも呼ばれます。ケトルとはやかんや鍋のことで、銅などでできた半球形の胴(釜)の形が鍋に似ていることに由来します。イタリア語のtimpano(複数形timpani)が語源のティンパニという名称は、日本のオーケストラで広く使われています。スネアドラムやバスドラム、コンガなどとは形や構造が異なり、胴が半球状で皮が1枚だけ張られている点が大きな特徴です。
Q4 : ティンパニで、打った後の余韻を手や指で皮に触れて止める奏法を何というでしょうか?
ティンパニでは、打った後の余韻を手や指で皮に触れて止める「ダンピング(ミュート)」という奏法が重要です。音を鳴らし続けると次の音や他の楽器と響きが濁ってしまうため、休符の位置で余韻をきれいに止めて音楽の輪郭を整えます。楽譜に指示がなくても、奏者が自主的に判断して行うことが多い技術です。ロールは連打で音を持続させる奏法、グリッサンドはペダルで音程を滑らかに変える奏法で、ダンピングとは別のものです。
Q5 : オーケストラで標準的に使われる4台セットのティンパニのうち、最も低い音域を受け持つ最大の口径はどれでしょうか?
ティンパニは口径が大きいほど低い音が出ます。オーケストラで標準的に使われる4台セットは、口径がおよそ32・29・26・23インチで、最も大きい32インチ(約81cm)が最も低い音域を受け持ちます。皮の面積が広いほど振動がゆっくりになり、音程が低くなるためです。なお、曲によって2台や3台、5台以上を使うこともあり、台数や大きさは作品の要求に合わせて選ばれます。また同じ台でも皮の張りを変えれば、その口径に応じた約5度の範囲で音程を変えられます。
Q6 : 現代のオーケストラで主流となっている、演奏中でも足で素早く音程を変えられるティンパニの種類はどれでしょうか?
現代のオーケストラで主流なのはペダル式ティンパニです。足元のペダルを踏み込んだり戻したりすることで、皮の張力を機械的に変え、演奏中でも素早く音程を変えられます。かつては皮の周囲にあるネジ(T字型のハンドル)を1本ずつ手で回して調律していたため、曲中の転調には時間がかかりました。ペダル式の登場によって、曲の途中で音を変えたり、音程を滑らせるグリッサンドを行ったりする表現も可能になりました。
Q7 : ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、独奏ヴァイオリンではなく、どの楽器が静かにレの音を刻む導入で始まるでしょうか?
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲ニ長調(作品61)は、独奏ヴァイオリンではなく、ティンパニが静かにレの音を刻む印象的な導入で始まります。協奏曲の冒頭をティンパニ独奏で始めるのは当時としてたいへん珍しく、この穏やかなリズムが、第1楽章全体を通じて重要な動機として繰り返されます。ティンパニがただ大音量を出す楽器ではなく、繊細な音色も持つことを示す有名な例です。オーケストラ曲を聴く際には、ぜひ冒頭のティンパニの響きに注目してみてください。
Q8 : ハイドンの交響曲第103番は、冒頭でティンパニが独奏でロール(連打)を鳴らすことから、どのような愛称で知られているでしょうか?
ハイドンの交響曲第103番変ホ長調は、冒頭でティンパニが独奏でロール(連打)を鳴らして始まることから「太鼓連打」の愛称で知られています。ハイドンが晩年にロンドンで演奏するために書いた12曲のロンドン交響曲(ザロモン・セット)の1曲です。なお「驚愕」は第94番、「時計」は第101番、「軍隊」は第100番の愛称で、いずれもハイドンの有名な交響曲ですが、この曲の特徴はティンパニの効果的な使い方にあります。
Q9 : 通常、ティンパニは主音と属音(4度または5度の関係)に調律されますが、ベートーヴェンが交響曲第9番の第2楽章で2台のティンパニに指定した異例の調律はどれでしょうか?
オーケストラでは通常、ティンパニを主音と属音(4度または5度の関係)に調律するのが基本です。しかしベートーヴェンは交響曲第9番の第2楽章(スケルツォ)で、2台のティンパニをオクターブ(ファの音)に調律させ、リズム動機を打ち鳴らす独創的な使い方をしました。この楽章の冒頭ではティンパニが旋律的な役割を担い、それまで伴奏や強調に使われることが多かった楽器の可能性を大きく広げた例として知られています。
Q10 : ティンパニは、どのような特徴を持つ打楽器でしょうか?
ティンパニは、ドラムやシンバルなど多くの打楽器と違い、はっきりした音の高さに調律して演奏できる定音打楽器(有音程打楽器)です。銅などでできた半球状の胴に皮(ヘッド)を張り、その張力を変えることで音程を決めます。オーケストラでは曲の調に合わせて主音や属音などに調律し、低音を支えたりクライマックスで迫力ある響きを加えたりします。そのため奏者は演奏中も自分の耳で音程を聴き分け、こまめに微調整を行っています。この点がティンパニの大きな特徴です。
まとめ
いかがでしたか? 今回はティンパニクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はティンパニクイズを出題しました。
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次回のクイズもお楽しみに。