古今東西の舞台や映画で愛され続けてきた喜劇の世界。古代ギリシャの風刺劇から中世イタリアの仮面即興劇、シェイクスピアやモリエールの傑作、そして日本の狂言や落語、昭和の喜劇王たちまで、人々を笑わせてきた名作と名優たちの歴史を10問のクイズでたどる。あなたはどれだけ知っているだろうか。
Q1 : 映画『男はつらいよ』シリーズで主人公の車寅次郎(フーテンの寅)を演じ、国民的な人気を博した俳優は誰か。
渥美清は映画『男はつらいよ』シリーズで主人公・車寅次郎(フーテンの寅)を演じ、1969年の第1作から1995年の最終作まで48作にわたって続いた国民的な人気を誇る喜劇映画シリーズの顔となった。旅先での人情味あふれる騒動とマドンナとの恋愛模様を描く作風で、長年にわたり多くの観客に親しまれた。森繁久彌は『社長シリーズ』、植木等は『ニッポン無責任時代』などで知られる別の時代を代表する喜劇俳優であり、加藤茶はコント番組で活躍したコメディアンである。
Q2 : 古典的な喜劇(コメディ)の構成として広く知られる、典型的な結末の型はどれか。
古典的な喜劇は、悲劇とは対照的に、登場人物同士の誤解や取り違え、すれ違いなどの混乱を経たのち、最終的には結婚や和解といった幸福な結末(ハッピーエンド)を迎える構成が典型とされる。シェイクスピアの『夏の夜の夢』やモリエールの風刺喜劇をはじめ、多くの古典喜劇作品がこの型に従っている。これに対し、主人公の死や破滅によって幕を閉じる悲劇的な構成は、喜劇とは明確に区別される演劇の分類として古くから論じられてきた。
Q3 : 無声映画時代に「喜劇王」として知られ、「放浪紳士」のキャラクターで『モダン・タイムス』『黄金狂時代』などを手がけた俳優兼監督は誰か。
チャールズ・チャップリンは英国出身の俳優・映画監督で、山高帽とステッキ、ちょび髭を特徴とする「放浪紳士」のキャラクターを演じ、無声映画時代を代表する「喜劇王」と称された。『モダン・タイムス』『黄金狂時代』『街の灯』などの作品では、笑いの中に社会への風刺や人間への温かい視線を織り込み、喜劇映画に新たな芸術性をもたらした。バスター・キートンやハロルド・ロイドも同時代の人気喜劇俳優だが、「喜劇王」の異名は主にチャップリンに与えられてきた。
Q4 : 落語の演目のうち、登場人物の失敗や勘違いなどを題材にして笑いを誘う喜劇的な噴のことを何と呼ぶか。
落語の演目は大きく「滑稽噴」と「人情噴」に分けられ、滑稽噴は登場人物のうっかりした失敗や勘違い、間抜けなやり取りなどを題材にして笑いを誘う喜劇的な性格の強い噴を指す。『時そば』や『まんじゅう怖い』などが代表例として知られる。一方、人情噴は人の心情や親子・夫婦の情愛などを描いて涙を誘う展開を重視した噴であり、怪談噴は怪奇現象や幽霊などを題材にした噴で、いずれも滑稽噴とは異なる性格を持つ。
Q5 : 16世紀のイタリアで発展した、決まった人物像が台本を用いずに即興の台詞を交わす仮面喜劇の様式を何と呼ぶか。
コメディア・デラルテは16世紀のイタリアで発展した即興仮面喜劇で、アルレッキーノやパンタローネといった決まった類型的な人物像を、役者が仮面をつけて台本なしの即興の台詞で演じるのが特徴である。庶民の生活や恋愛の騒動を題材にした笑いを中心に構成され、後のヨーロッパ演劇やオペラ・ブッファ、さらにはサーカスのクラウン文化にも大きな影響を与えたとされている。旅回りの劇団によってヨーロッパ各地に広まった点でも知られる。
Q6 : 浅草の軽演劇出身で、昭和期の日本で「喜劇王」と称された喜劇俳優は誰か。
榎本健一(愛称エノケン)は浅草の軽演劇(カジノ・フォーリー)出身の喜劇俳優で、昭和初期から戦後にかけて舞台や映画で活躍し、「日本の喜劇王」と称された。歌とダンスを交えた軽快な演技で一時代を築き、戦後の日本喜劇界に大きな影響を与えた人物として知られる。森繁久彌は『社長シリーズ』、渥美清は『男はつらいよ』、植木等は『ニッポン無責任時代』などでそれぞれ名を馳せた喜劇俳優だが、「喜劇王」の異名は主に榎本健一に対して用いられてきた。
Q7 : 古代アテナイで活躍し、『女の平和』や『雲』などの作品で知られる、古代ギリシャ喜劇を代表する劇作家は誰か。
アリストファネスは古代アテナイで活躍した喜劇作家で、政治や社会を鋭く風刺する「古喜劇」の代表的存在として知られている。代表作に『女の平和(リューシストラテー)』『雲』『蛙』などがあり、滑稽な筋立てと卓抜な言葉遊びで当時の政治家や哲学者を笑いの対象にした。現存する古代ギリシャ喜劇作品の多くが彼の手によるもので、喜劇文学の原点として今日も高く評価されている。一方、ソポクレスやエウリピデス、アイスキュロスはいずれも同時代の悲劇作家であり、喜劇ではなく悲劇の分野で名を残した人物である。
Q8 : シェイクスピアの作品のうち、妖精の魔法による恋の混乱を経て結婚という幸福な結末を迎える、喜劇に分類される作品はどれか。
『夏の夜の夢』はウィリアム・シェイクスピアが著した代表的な喜劇作品で、森の中で妖精の魔法によって恋人たちの関係が入れ替わるなどの混乱が起こるものの、最終的には誤解が解けて複数の結婚という幸福な結末に至る構成を持つ。これに対し『ハムレット』『マクベス』『オセロー』はいずれも主人公が破滅や死を迎える悲劇に分類される作品であり、喜劇特有の大団円とは対照的な結末を描いている。シェイクスピアは喜劇と悲劇の両分野で傑作を残した劇作家として知られる。
Q9 : 17世紀フランスの劇作家で、『タルチュフ』や『人間嫌い』などの風刺喜劇を数多く手がけたのは誰か。
モリエール(本名ジャン=バティスト・ポクラン)は17世紀フランス古典演劇を代表する劇作家・俳優で、『タルチュフ』『人間嫌い』『町人貴族』など、人間の欺瞞や虚栄、偽善を鋭く風刺する喜劇作品を多数執筆した。これらの作品は当時の宮廷や聖職者社会を揶揄したため度々上演禁止の圧力を受けながらも、フランス喜劇の古典として現在も高く評価されている。ラシーヌとコルネイユは同時代の悲劇作家、ヴォルテールは18世紀の啓蒙思想家・作家として知られる。
Q10 : 能の演目の間に演じられ、日常の庶民や僧侶などを題材にした滑稽な台詞劇として知られる日本の伝統芸能は何か。
狂言は能と同じ舞台で演じられる滑稽な台詞劇で、日常の庶民や僧侶、動物などを題材にしたおかしみのある筋立てが特徴である。荘重で悲劇的な題材を扱うことの多い能の合間に演じられることで、観客に息抜きの笑いを提供する役割を担ってきた。歌舞伎は江戸時代に発展した舞踏劇、浄瑠璃と文楽は三味線音楽に合わせて人形を操る人形劇であり、いずれも狂言とは異なる系統の伝統芸能である。
まとめ
いかがでしたか? 今回は喜劇クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は喜劇クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。