毎日のように手に取る錠剤ですが、表面の溝の意味や、糖でコーティングされたもの、口の中で溶けるもの、噛んで飲むものなど、その種類や工夫には驚くほど多くの違いがあります。意外と知らない錠剤の世界を、全10問のクイズで楽しく学んでみませんか。あなたは何問正解できるでしょうか。
Q1 : 噛み砕いて服用するタイプの錠剤を何という?
チュアブル錠は噛み砕いて服用するタイプの錠剤で、英語のchewable(噛める)から名付けられました。水なしで服用でき、口の中で崩壊して吸収されるため、子ども向けのビタミン剤や胃酸を中和する制酸薬、噛むことで効果を発揮する一部の整腸剤などに用いられます。甘味料や香料が加えられて服用しやすく工夫されているものが多く、嚥下が苦手な人にも適しています。ただしすべての錠剤を噛んでよいわけではなく、徐放錠や腸溶錠を噛むと危険な場合があるので注意が必要です。
Q2 : 有効成分が長時間かけてゆっくり放出されるよう設計された錠剤を何という?
徐放錠(じょほうじょう)は、有効成分が長時間かけてゆっくり放出されるよう設計された錠剤で、英語ではsustained-releaseやcontrolled-releaseと呼ばれます。1日に何度も服用しなければならない薬を、1日1~2回の服用で済ませられる利点があり、血中濃度が安定することで副作用の軽減にもつながります。割ったり噛んだりすると一度に大量の薬剤が放出され、過量投与となって重大な副作用を招く危険があるため、必ずそのまま飲み込む必要があります。降圧薬や鎮痛薬などで広く採用されています。
Q3 : 錠剤の主成分以外で、形を整えるためなどに加えられる成分を総称して何という?
錠剤は主成分(主薬)だけでは形を保てず、均一に圧縮することも難しいため、さまざまな添加剤を加えて製造されています。添加剤には、形やかさを整える「賦形剤」(乳糖やデンプンなど)、粉末をくっつける「結合剤」、口に入ったときに崩れやすくする「崩壊剤」、製造時の流れを良くする「滑沢剤」などがあります。これらは医薬品添加物として安全性が確認されたものが使われ、有効成分の効果を安定して引き出すうえで欠かせない存在です。総称して添加剤や添加物と呼ばれます。
Q4 : トローチ剤の主な使用目的は?
トローチ剤は口の中でゆっくり溶かしながら服用する錠剤で、主に口腔内や咽頭(のど)の殺菌・消炎を目的とします。配合されている消毒成分や抗炎症成分が、唾液とともに口腔粘膜やのどに長時間とどまることで効果を発揮します。市販のものでは、のどの痛みやイガイガ感を和らげる目的のものが多く、医療用ではうがいの代替として術後感染予防に処方されることもあります。噛んだり飲み込んだりすると効果が十分に得られないので、ゆっくり舐めて溶かすのが正しい使い方です。
Q5 : 現在のような圧縮錠剤の製造特許を世界で初めて取得したのはどの国の人物?
現在のような圧縮錠剤の製造特許を世界で初めて取得したのは、イギリスの画家であり発明家のウィリアム・ブロックドン(William Brockedon)で、1843年のことでした。それまで薬は粉末や丸薬の形で服用されることが多かったのですが、彼が考案した手動式の打錠装置によって、均一で持ち運びしやすい錠剤を作れるようになりました。これが近代医薬品産業の発展の基礎となり、その後アメリカやドイツの製薬会社で打錠機が改良され、現在の医薬品の主要剤形へと成長していきました。
Q6 : 錠剤の素錠の表面を白糖などの糖類でコーティングした錠剤を何という?
糖衣錠(とういじょう)は、錠剤の素錠(中の核)の表面を白糖などの糖類でコーティングした錠剤です。コーティングにより薬の苦味や不快なにおいが隠され、飲みやすくなる利点があります。また、湿気や光から有効成分を守る役割もあります。製造工程では、回転釜の中で素錠に糖衣液を少量ずつかけ、乾燥させる作業を繰り返すため、層を厚く重ねていきます。古くから用いられてきた製剤技術で、現在ではより薄く均一なフィルムコーティング錠が主流になりつつあります。
Q7 : 胃液では溶けず、腸液で溶けるように設計された錠剤を何という?
腸溶錠(ちょうようじょう)は、胃液(酸性)では溶けず、腸液(弱アルカリ性)で溶けるよう設計された錠剤です。胃で分解されると効果がなくなる薬や、胃粘膜を刺激して胃障害を起こしやすい薬に用いられます。代表例として、アスピリン製剤やオメプラゾール、ビサコジル系の便秘薬などがあります。腸溶コーティングは噛み砕いたり割ったりすると失われ、本来の効果が得られないだけでなく副作用が出る恐れもあるため、必ずそのまま水で飲み込む必要があります。
Q8 : 「OD錠」のODは何の略?
OD錠の「OD」はOrally Disintegrating(口腔内崩壊)の略で、口の中で唾液によって素早く崩壊・溶解する錠剤を指します。日本語では「口腔内崩壊錠」と呼ばれます。水なしで服用できるため、嚥下機能が低下した高齢者や、外出先で水が用意できない場面でも飲みやすいという利点があります。製造には特殊な技術が必要で、口の中で速く崩れつつも、輸送中に壊れない強度を保つよう工夫されています。降圧薬や胃薬、抗アレルギー薬など多くの分野で採用が広がっています。
Q9 : 舌の下に入れて唾液で溶かし、口腔粘膜から吸収させる錠剤を何という?
舌下錠(ぜっかじょう)は、舌の下に入れて唾液で溶かし、口腔粘膜から有効成分を直接吸収させる錠剤です。消化管や肝臓を経由せずそのまま血流に入るため、効果の発現が非常に速いのが特徴です。代表例は狭心症発作時に使われるニトログリセリン舌下錠で、数分以内に効果が現れます。飲み込んでしまうと肝臓で代謝されて効果が大きく落ちるため、必ず舌の下で溶かす必要があります。似た製剤にバッカル錠がありますが、こちらは頬と歯茎の間に挟んで使う点が異なります。
Q10 : 錠剤の表面に刻まれている「割線」の主な目的は?
割線とは錠剤の表面に刻まれた溝のことで、主に錠剤を均等に分割しやすくするために設けられています。医師の処方によって半量を服用する必要がある場合などに、割線に沿って手で割ることで、ほぼ均等に分けることができます。ただし、すべての錠剤に割線があれば割ってよいわけではなく、徐放性の錠剤やフィルムコーティング錠など、割ると効果が変わったり苦味が出たりするものもあります。割線の有無と分割可否は別問題なので、迷ったら薬剤師に確認することが大切です。
まとめ
いかがでしたか? 今回は錠剤クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は錠剤クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。