不条理劇の概念である『不条理劇(Theatre of the Absurd)』という用語を最初に提唱し定着させた批評家は誰か。
マーティン・エスリンはハンガリー出身の批評家で、1961年に出版した著書『不条理の演劇』の中で、サミュエル・ベケットやウジェーヌ・イヨネスコ、ハロルド・ピンターらの作品群を指して「不条理劇」という用語を定義し、評論界に広く定着させた人物である。この用語はアルベール・カミュが論じた「不条理」という哲学的概念から着想を得ているが、カミュ自身が演劇の呼称としてこの言葉を提唱したわけではない。サルトルは実存主義の立場から演劇や文学を論じた思想家であり、デュレンマットはスイスの劇作家であって、いずれも不条理劇の名付け親ではない。