手芸には数千年の歴史があり、編み物や刺繍、ビーズ、パッチワークなど、道具や技法もさまざまです。基本の記号や用語から地域に伝わる伝統技法まで、知っているようで意外と知らない豆知識が詰まっています。全10問のクイズで、あなたの手芸知識をチェックしてみましょう。
Q1 : フランス刺繍の技法「サテンステッチ」の特徴として正しいものはどれでしょう。
サテンステッチは、図案の輪郭の中を糸がすき間なく並ぶように平行に渡していく刺繍技法です。糸の向きをそろえてまっすぐ渡すことで、光沢のある繻子(サテン)織物のようになめらかで美しい面ができあがることから、この名前がついています。花びらや葉っぱなど、ある程度の面積を持つモチーフを塗りつぶすように仕上げたいときによく使われます。糸の張り具合が均一でないと表面がでこぼこして見えるため、糸を渡す方向や力加減をそろえることがきれいに仕上げるコツです。
Q2 : パッチワークで、型紙に沿って裁断した一枚一枚の布のことを何と呼ぶでしょう。
パッチワークでは、型紙に合わせて裁断した一枚一枚の小さな布のことを「ピース」と呼びます。複数のピースを縫い合わせて一つのまとまった模様にしたものは「ブロック」と呼ばれ、さらにブロックを並べてつなぐことで大きなキルト作品が完成します。なお、表布・キルト綿・裏布の3層を重ねて縫い合わせる工程は「キルティング」、布の上に別布を切り抜いて縫い付ける装飾技法は「アップリケ」と呼ばれ、それぞれパッチワークとは区別される用語です。
Q3 : かぎ針編みで基本的に使用する針の本数は何本でしょう。
かぎ針編みは、先端がかぎ状に曲がった1本の針だけを使って編み進める技法です。片手にかぎ針、もう片方の手で糸をくり出しながら、かぎ先に糸を引っかけて目を作っていきます。これに対して棒針編みは、両端がとがった棒状の針を2本(靴下など筒状のものを編む場合は4~5本)使い、両手で編み目を移し替えながら編んでいく技法で、道具の使い方が大きく異なります。同じ「編み物」でも使う道具と技法が違うため、仕上がりの風合いや向いている作品もそれぞれ異なります。
Q4 : ビーズ手芸でビーズを通す糸としてよく使われる「テグス」の特徴として正しいものはどれでしょう。
テグスはもともと釣り糸として使われてきたナイロンやフロロカーボン製の糸で、透明でコシ(ハリ)があるのが特徴です。この張りのおかげで糸端が針のようにまっすぐ扱いやすく、細かいビーズの穴にも通しやすいため、ビーズアクセサリー作りで広く使われています。綿や絹などの天然繊維の糸に比べて毛羽立ちにくく、水にも強いため型崩れしにくい点もメリットです。作品の用途に合わせて、伸縮性のあるゴム系のテグスや、より丈夫な太さのテグスを使い分けることもあります。
Q5 : 洋裁で、洋服を作るときに生地を裁断するための型紙のことを、カタカナで何と呼ぶでしょう。
洋裁で使う型紙は、英語の「pattern」に由来して「パターン」とも呼ばれます。既製の型紙を使って生地を裁断する際の設計図の役割を果たすもので、サイズや体型に合わせて線を引き直す作業は「パターンメーキング」や「パターン補正」と呼ばれています。市販の型紙にはワンピースやシャツなど作品ごとに実物大の線が印刷されており、それを生地の上に置いて写し取ってから裁断します。洋裁教室や専門学校でも「パターン」という言葉は型紙とほぼ同じ意味で日常的に使われています。
Q6 : 羊毛をフェルト状に絡めて成形する「ニードルフェルト」で使う専用の針の表面には、羊毛を絡めるための特殊な構造がついています。それは何と呼ばれるでしょう。
ニードルフェルトで使うフェルティングニードルの側面には、「かえし」と呼ばれる細かいとげ状の突起が並んでついています。この針で羊毛を繰り返し刺すことで、かえしが羊毛の繊維を引っかけて絡ませ、繊維同士を密着させてフェルト状に固めていきます。刺す回数や角度を変えることで、平面のブローチのような作品から、丸めて立体的な動物のマスコットまで自由に成形できるのが特徴です。針は細く折れやすいため、まっすぐ垂直に刺すことがきれいに仕上げるコツとされています。
Q7 : 刺繍をするときに布を張った状態で固定する「刺繍枠」を使う主な目的として、最も適切なものはどれでしょう。
刺繍枠は内枠と外枠の2つの輪をはめ合わせて布を挟み、ピンと張った状態を作る道具です。布にたるみやしわがあると針を刺すたびに布が動いてしまい、ステッチの大きさや向きがそろわず仕上がりが乱れやすくなります。枠で布をしっかり張ることで生地が安定し、均一な力加減で針を出し入れできるため、模様がゆがみにくく美しい刺繍に仕上がります。特に面を埋めるサテンステッチなど、糸の張り具合が仕上がりを左右する技法では特に重要な道具です。
Q8 : 棒針編みで、表編みだけを繰り返して編む技法「メリヤス編み」の別名として正しいものはどれでしょう。
メリヤス編みは表側の段はすべて表編み、裏側の段はすべて裏編みで編む技法で、別名「平編み」とも呼ばれます。表面がなめらかなV字模様になり、Tシャツやセーターの身頃などによく使われます。似た名前の技法に、表裏どちらの段も表編みで編み、うね状の凹凸ができる「ガーター編み」、糸を交差させて立体的な模様を作る「縄編み(ケーブル編み)」、目を掛け替えて穴模様を作る「透かし編み(レース編み)」があり、いずれもメリヤス編みとは異なる質感の仕上がりになります。
Q9 : 日本の伝統的な刺繍技法「刺し子」が特に盛んに発展し、こぎん刺しや菱刺しなどが伝わる地域はどこでしょう。
刺し子は布を補強したり保温性を高めたりする目的で古くから行われてきた日本の伝統的な刺繍技法で、特に東北地方で発展しました。青森県の「津軽こぎん刺し」、岩手県の「南部菱刺し」、山形県の「庄内刺し子」は東北三大刺し子と呼ばれ、いずれも幾何学模様を一定の針目で刺していく点が特徴です。もともとは寒冷な気候の中で衣類を丈夫にし暖かく保つための生活の知恵として広まりましたが、現在ではその美しい模様が手芸やインテリア雑貨のデザインとしても人気を集めています。
Q10 : かぎ針編みの編み図で、くさり編みを表す記号として正しいものはどれでしょう。
かぎ針編みの編み図では、くさり編みは中が空いた丸「○」で表されます。細編みは「×」、長編みは縦棒に斜めの線が入った記号、引き抜き編みは塗りつぶした丸「●」で表すのが一般的です。これらはJIS(日本工業規格)に準じた記号として広く使われており、文章の説明がなくても図だけで編み方が伝わるように作られています。初心者はまずこの4つの基本記号を覚えると、市販の編み図をスムーズに読めるようになり、作品づくりの幅が大きく広がります。
Q11 : フランス結び(フレンチノット)の作り方として正しいのはどれか?
フランス結び(フレンチノット)は小さな結び目状のアクセントを作る刺繍技法で、針を布の裏から表に出した後、針の周りに糸を数回(通常1〜3回)巻き付け、巻いた糸を押さえながら針を元の近くの位置に刺し戻して糸を引き出すことで結び目を作ります。巻き数や糸の太さで結び目の大きさが変わり、花の中心や点状の装飾に使われます。針をただ刺して抜くだけでは結び目にならず、必ず糸を巻き付ける手順が含まれます。
Q12 : ガーター編みとはどれか?
ガーター編みは、平編みで毎段を表編み(ニット)で編むことによって作られる編み地で、輪で編む場合は表編みと裏編みを交互に編むことで同じ効果が得られます。特徴は両面が同じ横畝(ボーダー状の凹凸)になる点で、伸縮性があり端の丸まりが少ないためマフラーや端の始末によく使われます。英語圏ではgarter stitch"と呼ばれ、単純ながら安定した生地が得られる基本の編み方の一つです。"
Q13 : ロックミシン(オーバーロックミシン)の主な機能はどれか?
ロックミシン(オーバーロックミシン、通称ロック)は、布の端をカットしながらルーパーと針を使って端をかがり、ほつれ止めと同時に縫い合わせを行うことができる専用機です。一般的な直線ミシンと比べて裁ち目の処理が早く、伸縮性のある糸使いや多本針による立体的なかがりが可能で、洋裁での縫い代始末やニットの縫製に重宝されます。刺繍やボタンホール作成は直線ミシンや専用機の役割であり、ロックは主に端処理と縫い合わせが目的です。
Q14 : まつり縫いの主な用途はどれか?
まつり縫いは目立たないように布を縫い合わせるための縫い方で、裾上げや裏地の取り付け、アップリケの縁処理などに使われます。針目が表からほとんど見えないように布の裏側で糸を渡す方法(隠し縫いやかくし縫いとも呼ばれる)で、仕上がりがきれいに見えることが重要です。濃色や薄色の生地に合わせて糸の色や針目の大きさを選び、手縫いの場合は細かく丁寧に行うと目立たず丈夫な縫い付けができます。
Q15 : タペストリーニードル(とじ針)とシャープ針の違いとして正しいのはどれか?
タペストリーニードル(とじ針、ダーニングニードルとも呼ばれる)は先が丸めで布や編み地を傷めずに糸を通せるように大きめのアイ(糸通し穴)を持っています。主に編み物の糸始末やはぎ合わせに使われ、毛糸を裂かずに目を通して整えるのに適しています。対してシャープ針は裁縫用の細く尖った針で布地を刺して縫うためのもので、先端が鋭く小さなアイを持つことが多く用途が異なります。
Q16 : 刺し子はどのような手芸か?
刺し子は布を補強し装飾するために施す伝統的な日本の手法で、基本的には短い運針(ランニングステッチ)を規則的に繰り返して幾何学模様を作るものです。主に藍染め布などに白い糸で格子や菱形などのパターンを刺して用いられ、元は衣類や布団等の補修や保温性の向上のために用いられていました。現代では補修だけでなく、刺し子布を用いた小物やインテリアとしての利用、デザイン性を重視した創作刺し子も盛んです。こぎん刺しとは別の地域発祥の手法で、刺繍全般やパッチワークとも異なる独自の文様と技法が特徴です。
Q17 : フェルト羊毛を専用の針で刺し固めて立体を作る技法はどれか?
ニードルフェルトは専用の返し付きのフェルティングニードルを使って羊毛(ロッドやバット状のフェルト用羊毛)を繰り返し刺し、繊維同士を絡ませて密にしながら形を作る技法です。ウェットフェルトは水と石鹸で摩擦と圧縮をかけて繊維を縮める方法で対照的です。ニードルフェルトは細かな造形が得意で人形や小物の立体作りに適し、針の種類や粗さを変えることで表面の仕上がりや細部の表現を調整できます。刺繍用の針やその他の名称とは用途と形状が異なるため、用語を混同しないことが重要です。
Q18 : USのsingle crochet"はUKの用語では何に相当するか?"
かぎ針編みにおけるUSとUKの用語は異なります。USでのsingle crochet"(略してsc)は、UKの用語では"double crochet"(dc)に相当します。逆にUSの"double crochet"はUKでは"treble crochet"に相当します。この違いはパターンを国際的に参照する際によく問題になるため、使用している用語体系(US表記かUK表記か)を確認してから編み図を読むことが重要です。混同を避けるため、パターンに単位表記(US/UK)が明記されているかチェックし、必要なら用語変換表を参照してください。"
Q19 : バイアステープの主な用途はどれか?
バイアステープは布地を斜め方向(バイアス)に裁ち取って作られる細長い布で、伸縮性と馴染みやすさがあるため、曲線や縁の始末に適しています。主な用途は布端の補強や縁取り、バイアステープを折り込んで縫い付けることで端を美しく仕上げるバイアスバインディングです。また、バイアステープはバイアスの特徴を生かして首周りや袖ぐりのバイアス処理、パイピングやバイアスで作るひもなどにも使われます。
Q20 : かぎ針の号数(例:6/0号)は何を示すか?
かぎ針の号数は基本的に針先の直径(つまり針の太さ)を表しており、号数が大きくなると直径が異なる場合があります。日本や欧米での表示には差があり、同じ号数表記でも国やメーカーによって若干の違いがあることがあるため、正確なミリメートル表示(mm)を併記しているか確認するのが確実です。針の直径は使用する糸の太さやパターンの指定ゲージに合わせて選ぶ重要な要素で、適切な号数を選ばないと目が詰まりすぎたり緩すぎたりして編み目の仕上がりや寸法に影響します。