サンバは軽快なリズムと情熱的なダンスで世界中を魅了する、ブラジルを象徴する音楽文化です。その誕生の背景から楽器、名曲、カーニバルとの深いつながりまで、知っているつもりでも意外と知らない奥深い世界が広がっています。全10問のクイズに挑戦しながら、サンバの魅力をあらためて発見してみましょう。
Q1 : カーニバルでサンバスクールがその年のテーマに沿って発表する、物語性のあるサンバの楽曲形式は何と呼ばれるか? パゴーヂ サンバ・エンレード サンバ・カンサォン ショーロ
サンバ・エンレードは、カーニバルのパレードにおいて各サンバスクールがその年に選んだテーマや物語を表現するために制作する専用のサンバである。歌詞は学校が掲げるテーマの歴史的背景や物語性を描き出し、パレード全体の演出や巨大な山車、大勢のダンサーの動きと一体となって審査の対象にもなる。そのため、サンバ・エンレードはカーニバルの核となる楽曲形式として位置づけられている。
Q2 : サンバの演奏で使われる打楽器のうち、革を擦って「ニャー」という独特な摩擦音を出す楽器は何か? クイーカ パンデイロ スルド タンボリン
クイーカは、片面に張られた皮の内側に取り付けた竹の棒を湿らせた布でこすることによって、「ニャー」というような独特な摩擦音を出すブラジルの打楽器である。サンバのパレードや演奏の中で、他の打楽器とは異なる個性的な音色を加える役割を担っており、動物の鳴き声を思わせるユーモラスな音がサンバの楽曲に遊び心のあるアクセントを与えている。そのため観客の耳を引く印象的な楽器としても知られている。
Q3 : サンバのリズムとジャズの和声を融合させ、1950年代末にブラジルで生まれた音楽ジャンルは何か? フォホー アシェー ボサノヴァ マラカトゥ
ボサノヴァは、サンバの軽やかなリズムにジャズの洗練された和声やアレンジを組み合わせることで、1950年代末のリオデジャネイロで生まれた音楽ジャンルである。作曲家アントニオ・カルロス・ジョビンや歌手ジョアン・ジルベルトらによって確立され、「イパネマの娘」などの楽曲を通じて世界的に広まった。その洗練された音楽性は国際的な評価を集め、ブラジル音楽の地位を大きく高めることにつながった。
Q4 : ブラジルで「全国サンバの日」とされている日付はいつか? 2月の第一土曜日 12月2日 1月1日 6月24日
ブラジルでは12月2日が「全国サンバの日(Dia Nacional do Samba)」と定められている。この日付は1978年にバイーア州サルバドールの条例によって最初に制定されたもので、その後ブラジル全土でも記念日として広く認識されるようになった。毎年この日には各地でサンバを祝うライブやイベントが開催され、サンバという音楽文化の価値を改めて見直す機会となっている。
Q5 : サンバが特に深く結びついている、ブラジルの代表的な祭りは何か? ジューン・フェスティバル 聖体祭 死者の日 カーニバル
サンバは、ブラジル各地で例年2月から3月頃に開催されるカーニバルと特に深く結びついた音楽・ダンスである。中でもリオデジャネイロのカーニバルでは、各地域のサンバスクールが一年をかけて準備してきた楽曲と演出でパレードを競い合い、サンバの演奏と踊りが祭り全体の最大の見どころとなっている。こうした結びつきから、サンバはブラジルの祝祭文化そのものを象徴する存在となっている。
Q6 : 作曲家アリー・バローゾが1939年に作った、日本で「ブラジルの水彩画」の邦題でも知られる有名なサンバ曲は何か? アクアレラ・ド・ブラジル ガロータ・デ・イパネマ マスカラーダ トリステーザ
「アクアレラ・ド・ブラジル(Aquarela do Brasil)」は、作曲家アリー・バローゾによって1939年に作られたサンバの名曲で、日本では「ブラジルの水彩画」という邦題でも知られている。ブラジルの風土や魅力を情感豊かに描いた歌詞が特徴で、国内外の数多くの歌手や楽団によって幅広くカバーされ続けてきた。こうした広がりから、サンバを代表する楽曲の一つとして高く評価されている。
Q7 : サンバという音楽・ダンスが生まれた国はどこか? アルゼンチン ブラジル キューバ ポルトガル
サンバはブラジルで生まれた音楽とダンスの一形式である。アフリカから連れてこられた人々が持ち込んだ音楽文化が、バイーア州などを経て20世紀初頭にリオデジャネイロの都市部の黒人コミュニティの中で独自の音楽として発展した。やがてカーニバルと強く結びつくことで国民的な音楽ジャンルへと成長し、現在ではブラジルを象徴する文化として世界中で親しまれている。
Q8 : サンバのルーツの一つとされる、アフリカの地域はどこか? アンゴラ・コンゴ地域 エジプト モロッコ 南アフリカ
サンバのリズムやダンスのルーツの一つは、大西洋をはさんだ奴隷貿易によってブラジルへ連れてこられた、アンゴラやコンゴなど中部アフリカ出身の人々が持ち込んだ音楽文化にあるとされている。これらの音楽的要素は、まずバイーア州などブラジル北東部で育まれ、その後リオデジャネイロに伝わって都市部の黒人コミュニティの中で発展した。こうした歴史的背景を経て、やがてブラジルを代表する音楽ジャンルであるサンバへと姿を変えていった。
Q9 : リオデジャネイロのカーニバルで、サンバスクールのパレードが行われる専用会場の名称は何か? コパカバーナ マラカナン サンボードロモ イビラプエラ
サンボードロモは、リオデジャネイロのカーニバルでサンバスクール同士が優劣を競うパレードを行うために建設された専用会場である。建築家オスカー・ニーマイヤーの設計によって1984年に完成し、両側に観客席が設けられた長い通りを各サンバスクールが音楽や踊り、巨大な山車とともに行進していく。現在ではカーニバルの中心的な舞台として知られ、毎年世界中から多くの観光客を集めている。
Q10 : 1917年に録音され、「最初のサンバ」として歴史的に知られる楽曲のタイトルは何か? アクアレラ・ド・ブラジル ガロータ・デ・イパネマ マシシェ ペロ・テレフォーネ
「ペロ・テレフォーネ(Pelo Telefone)」は、1917年に作曲家ドンガらの名義で録音・発売された楽曲で、レコードとして商業的に流通した最初のサンバとして歴史に名を残している。この録音をきっかけにサンバという名称と音楽形式が広く社会に認知されるようになり、都市部の音楽文化として定着していった。そのため今日でも、ブラジル音楽史における重要な出発点の一つとして位置づけられている。
Q11 : タンバリンに似た枠太鼓で、サンバやショーロに欠かせないブラジルの打楽器は? マラカス カスタネット トライアングル パンデイロ
パンデイロは、金属の小さなシンバルが付いた枠にヘッド(皮)を張ったブラジルの枠太鼓で、見た目はタンバリンに似ています。片手で持ち、指や手のひらで叩き分けることで、低音から高音まで多彩な音を一つの楽器で表現できるのが特徴です。サンバやショーロといったブラジル音楽に欠かせません。マラカスやカスタネット、トライアングルも打楽器ですが、ブラジルを代表するこの枠太鼓はパンデイロです。
Q12 : サンバから派生し、1950年代後半のブラジルで生まれた、より静かで洗練された音楽ジャンルは? タンゴ レゲエ ボサノヴァ フラメンコ
ボサノヴァは1950年代後半のリオデジャネイロで、サンバのリズムをより穏やかにし、ジャズの和声を取り入れて生まれた音楽ジャンルです。アントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルトらが確立し、「イパネマの娘」などの名曲で世界的に広まりました。力強く踊るサンバに対し、ボサノヴァはささやくように歌うのが特徴です。タンゴはアルゼンチン、レゲエはジャマイカ、フラメンコはスペインの音楽で、いずれもブラジル由来ではありません。
Q13 : サンバの演奏で土台となる、大きな低音の太鼓を何という? スルド コンガ ボンゴ ジャンベ
スルド(Surdo)はサンバに欠かせない大型の両面太鼓で、深い低音でリズムの土台と拍を刻む役割を担います。サンバ・スクールのパレードでは複数のスルドが重なり合い、心臓の鼓動のような重厚なビートを生み出します。コンガとボンゴはキューバなどのラテン音楽、ジャンベは西アフリカの太鼓で、それぞれ別の地域を代表する打楽器です。サンバの躍動感を根底で支えているのが、このスルドです。
Q14 : リオのカーニバルでサンバのパレードを行う団体を何という? サンバ・スクール(エスコーラ・ジ・サンバ) サンバ・クラブ サンバ・リーグ サンバ・ギルド
サンバ・スクール(ポルトガル語でエスコーラ・ジ・サンバ)は、リオのカーニバルでパレードを行う地域ごとの団体です。「スクール(学校)」という名前ですが教育機関ではなく、1年を通してテーマ曲や山車、衣装、振り付けを準備し、カーニバル本番で華やかさや完成度を競い合います。有名なスクールは数千人規模のメンバーを抱え、地域の誇りをかけて優勝を目指します。ブラジルのサンバ文化を支える重要な組織です。
Q15 : 「キュッキュッ」という鳴き声のような音を出す、サンバの摩擦太鼓は? アゴゴ クイーカ タンボリン パンデイロ
クイーカ(Cuíca)は胴の内側に棒が付いた摩擦太鼓で、湿らせた布で棒をこすることで「キュッキュッ」という動物の鳴き声のようなユニークな音を出します。サンバの陽気で遊び心のある雰囲気を演出する重要な楽器です。アゴゴは二連の金属ベル、タンボリンは小型の枠太鼓、パンデイロはタンバリンに似た枠太鼓で、いずれもサンバで使われますが、あの独特の鳴き声を出すのはクイーカだけです。
Q16 : リオデジャネイロのカーニバルは、主に何月ごろに開催される? 7月 10月 12月 2月ごろ
リオのカーニバルは、キリスト教の四旬節が始まる直前に行われる祭りで、多くの場合2月ごろ(年によっては3月初旬)に開催されます。四旬節の日付が年ごとに変わるため、カーニバルの時期も毎年少しずつ前後します。南半球のブラジルでは2月は夏の盛りで、暑い季節に派手な衣装でパレードが繰り広げられます。日本とは季節が逆になる点も、ブラジルらしい特徴の一つといえます。
Q17 : サンバで彩られる世界最大級のカーニバルが毎年開かれる、ブラジルの都市はどこ? サンパウロ リオデジャネイロ ブラジリア サルバドル
リオデジャネイロのカーニバルは世界最大級の祭りとして有名で、各サンバ・スクールが1年かけて準備した山車と踊りを、サンボードロモと呼ばれる専用会場でパレードします。派手な衣装、力強い打楽器、数千人規模のダンサーが競い合う光景は圧巻で、世界中から観光客が集まります。ブラジリアは首都、サンパウロは最大都市、サルバドルもカーニバルで有名ですが、サンバのカーニバルの象徴として最も知られるのはリオデジャネイロです。
Q18 : サンバの基本となるリズムの拍子はどれ? 3/4拍子 4/4拍子 2/4拍子 6/8拍子
サンバは一般的に2/4拍子を基本とし、1小節を2拍で数える軽快で前に進むようなリズムが特徴です。スルドなどの低音太鼓が拍の土台を作り、タンボリンやアゴゴなどの高音打楽器が細かいシンコペーション(拍のずれ)を刻むことで、独特の躍動感が生まれます。ワルツは3/4拍子、多くのポップスは4/4拍子ですが、サンバの弾むようなノリは、この2拍子のリズム構造から生まれています。
Q19 : サンバのルーツとして最も大きな影響を与えた文化はどれ? ヨーロッパの宮廷音楽 アフロ・ブラジル(アフリカ系)の文化 先住民インディオの儀式音楽 アジア移民の民謡
サンバは、奴隷貿易によってアフリカからブラジルへ連れてこられた人々とその子孫が育んだ、アフロ・ブラジル文化を最大の源流としています。アフリカに由来する打楽器のリズムや、円になって踊る様式が土台となり、そこにヨーロッパ由来のメロディーや楽器などが混ざり合って、19世紀後半から20世紀初頭にかけて現在のサンバへと発展しました。ブラジルの多様な文化が融合した象徴的な音楽といえます。
Q20 : サンバはどこの国で生まれた音楽・ダンスでしょう? ブラジル アルゼンチン キューバ メキシコ
サンバはブラジルを代表する音楽・ダンスで、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、アフリカから奴隷として連れてこられた人々の子孫であるアフロ・ブラジル人の文化を土台に生まれました。特にリオデジャネイロの下町のコミュニティで発展し、力強い打楽器のリズムと踊りが融合した独自のスタイルを確立しました。今日ではブラジルの国民的文化として世界中に知られ、リオのカーニバルを象徴する存在となっています。アルゼンチンのタンゴやキューバの音楽とは起源が異なります。