コンテンポラリーダンスと聞くと、なんだか難しそう——そう感じる人こそ挑戦してほしいクイズです。20世紀、それまでの型を打ち破り、自由な身体表現を追い求めた振付家や舞踊家たちがいました。ドイツ、アメリカ、フランス、そして日本。国境を越えて広がった革新の潮流には、驚くような発想やドラマが詰まっています。全10問、あなたはいくつ答えられるでしょうか。踊りの奥深い世界を、一緒にのぞいてみましょう。
Q1 : フランスで20世紀バレエ団を率い、ストラヴィンスキーの「春の祭典」やベートーヴェンの「第九交響曲」の演出でも知られる振付家は誰?
モーリス・ベジャール(1927~2007)はフランス出身(マルセイユ生まれ)の振付家で、1960年にブリュッセルで「20世紀バレエ団」を設立しました。男性群舞を大胆に用いた力強い演出で知られ、ストラヴィンスキーの『春の祭典』やベートーヴェンの『第九交響曲』、『ボレロ』などの大作を手がけました。クラシックバレエの枠を広げ、大衆的な人気と芸術性を両立させた点で20世紀舞踊の重要人物です。ノヴェールは18世紀の舞踊改革者で、時代がまったく異なります。
Q2 : 二人以上の踊り手が互いの体重や接触を支え合いながら即興的に踊る、1970年代にスティーヴ・パクストンが提唱した手法は何?
コンタクト・インプロヴィゼーションは、アメリカの舞踊家スティーヴ・パクストンが1972年頃に提唱した即興的なダンスの手法です。二人以上の踊り手が接触点を保ちながら、互いの体重・重力・運動量をやり取りして動きを生み出すのが特徴で、あらかじめ振付を固定せずその場の反応で踊りが展開します。特別な技術より身体の感覚と信頼が重視され、ポストモダンダンスやコンテンポラリーダンスの現場で広く実践されています。グラハム・テクニックは個人の身体訓練法で、成り立ちが異なります。
Q3 : 第二次世界大戦後の日本で、土方巽や大野一雄らによって創始された、白塗りなどで知られる前衛的な身体表現は何?
舞踏(ぶとう)は、1950~60年代の日本で土方巽と大野一雄を中心に生み出された前衛的な身体表現です。全身を白く塗り、極端に遅い動きやねじれ、内面の暗部やグロテスクさをもさらけ出す独自の美学を持ち、西洋のモダンダンスとは異なる方向を切り開きました。英語でも「Butoh」としてそのまま通用し、山海塾などのカンパニーを通じて世界中に影響を与えています。タンツテアターはドイツ、コンタクト・インプロヴィゼーションはアメリカ発祥の別の潮流です。
Q4 : 舞踊の動きを記録・分析するための記譜法「ラバノーテーション」を考案した、ハンガリー出身の舞踊理論家は誰?
ルドルフ・ラバン(1879~1958)はハンガリー出身の舞踊家・理論家で、身体の動きを空間・方向・時間などの要素に分解して記号で書き表す記譜法「ラバノーテーション(ラバン記譜法)」を考案しました。また動きの質を分析する「ラバン・ムーブメント・アナリシス」も体系化し、舞踊の理論的基盤づくりに大きく貢献しました。彼の弟子にはタンツテアターの先駆けとされる『緑の卓』のクルト・ヨースがいます。フォーキンやアシュトンはバレエの振付家です。
Q5 : ベルギーを拠点にダンスカンパニー「ローザス」を主宰し、ミニマル音楽と幾何学的な構成による振付で知られる女性振付家は誰?
アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル(1960~)はベルギーの振付家で、1983年にダンスカンパニー「ローザス」を設立しました。ライヒなどのミニマル・ミュージックと緻密に対応させた、反復的で幾何学的な動きの構成を特徴とし、『ローザス・ダンス・ローザス』などで国際的な評価を得ました。音楽と身体の構造的な関係を探求する知的な作風は、ヨーロッパのコンテンポラリーダンスを牽引しています。ピナ・バウシュはドイツのタンツテアターの人物で、拠点も作風も異なります。
Q6 : バレエ・フランクフルトを率い、クラシックバレエの技法を解体・再構築する前衛的な振付で知られる、アメリカ出身の振付家は誰?
ウィリアム・フォーサイス(1949~)はアメリカ出身の振付家で、1984年から2004年までドイツのバレエ・フランクフルトの芸術監督を務めました。彼はクラシックバレエの語彙を土台にしながら、その均衡や中心軸をあえて崩し、身体を極限まで拡張・変形させる革新的な振付で知られます。『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』などが代表作で、バレエとコンテンポラリーの境界を押し広げました。イリ・キリアンはネザーランド・ダンス・シアターを率いた別系統の重要な振付家です。
Q7 : 「モダンダンスの母」と呼ばれ、バレエの型にとらわれず素足で自由に踊ることを提唱した、アメリカ生まれの舞踊家は誰?
イサドラ・ダンカン(1877~1927)はアメリカ生まれの舞踊家で、当時主流だったクラシックバレエの厳格な型やトウシューズを否定し、素足で古代ギリシャ風の衣装をまとって自然な感情のままに踊ることを提唱しました。自由な身体表現を追求したその姿勢は「モダンダンスの母」と称され、20世紀の舞踊が新しい方向へ進む大きなきっかけとなりました。メアリー・ウィグマンはドイツ表現主義舞踊の中心人物で、ダンカンとは活動の国も作風も異なります。
Q8 : 音楽家ジョン・ケージと長年協働し、動きの順序などを偶然に委ねる「チャンス(偶然性)」の手法を舞踊に持ち込んだアメリカの振付家は誰?
マース・カニンガム(1919~2009)はアメリカの振付家で、作曲家ジョン・ケージと生涯にわたるパートナー・協働関係を築きました。彼は音楽・舞踊・美術を互いに独立させ、サイコロやコイン投げなどで動きの配列を決める「チャンス・オペレーション(偶然性の手法)」を舞踊に導入したことで知られます。物語や感情表現から離れ、動きそのものの純粋さを追求した姿勢は、コンテンポラリーダンスの概念を大きく押し広げました。バランシンやロビンスはバレエの領域で活躍した振付家です。
Q9 : アメリカのモダンダンスの先駆者で、「コントラクション(収縮)とリリース(弛緩)」という独自の身体技法を確立した振付家は誰?
マーサ・グラハム(1894~1991)はアメリカを代表するモダンダンスの創始者の一人で、呼吸に基づく「コントラクション(収縮)とリリース(弛緩)」を核とするグラハム・テクニックを確立しました。この技法は体幹の動きを重視し、内面の感情を身体で表現する手段として世界中の舞踊教育に取り入れられています。『嘆き』『アパラチアの春』などの作品でも知られます。ドリス・ハンフリーも同時代のモダンダンスの重要人物ですが、彼女は「フォールとリカバリー」の理論で知られ、技法の考え方が異なります。
Q10 : ドイツの舞踊家で、演劇的要素を大胆に取り込んだ「タンツテアター(舞踊演劇)」を代表する存在として、ヴッパタール舞踊団を率いた振付家は誰?
ピナ・バウシュ(1940~2009)はドイツの振付家・舞踊家で、1973年からヴッパタール舞踊団(タンツテアター・ヴッパタール)を率いました。舞踊に演劇的要素や日常の仕草、言葉を取り込み、「タンツテアター」という表現形式を世界的に確立した中心人物です。『カフェ・ミュラー』『春の祭典』などで知られ、人間の感情や関係性を深く掘り下げる作風は、その後のコンテンポラリーダンス全体に絶大な影響を与えました。マーサ・グラハムやイサドラ・ダンカンはアメリカのモダンダンスを築いた人物で、活動の拠点も系譜も異なります。
まとめ
いかがでしたか? 今回はコンテンポラリーダンスクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はコンテンポラリーダンスクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。