「井戸茶碗」と呼ばれる茶碗は、もともとどこで作られた器であったと考えられているか。
井戸茶碗は、朝鮮半島において高麗末期から李氏朝鮮時代にかけて、日常の飯茶碗や雑器として焼かれていたと考えられている器である。日本に渡ってきた後、飾り気のない素朴な作行きや枇杷色をした釉調、高台のまわりに現れる「梅花皮(かいらぎ)」と呼ばれる縮れなどが、侘び茶の美意識に合致するものとして茶人たちに高く評価されるようになった。現存する代表作「喜左衛門井戸」は国宝に指定されており、茶道具の中でも特に格の高い名碗として今も珍重されている。