物撮りは、ちょっとした照明や道具の工夫で商品の見え方が大きく変わる奥深い世界です。反射を抑えるフィルターや影を起こすレフ板、透明感を引き出す照明テクニックなど、プロが使うコツを知っているだけで写真のクオリティは格段に上がります。今回は物撮りにまつわる基礎知識をクイズ形式で10問出題します。あなたはいくつ正解できるでしょうか。
Q1 : 物撮りにおいて、撮影後のレタッチ(色調補正や明るさ調整)でより幅広く画質を損なわずに調整できるという利点から、JPEG形式ではなくある形式で撮影しておくことが推奨されることが多い。その形式とは何か?
RAW形式は、カメラのセンサーが受け取った情報をほぼ加工せずに記録するデータ形式で、JPEGのように撮影時点で色や明るさの情報が圧縮・簡略化されません。そのため撮影後のレタッチで露出やホワイトバランス、色味を大きく調整しても画質の劣化が少なく、通販サイト用に細かく色味を統一したい物撮りの現場で広く使われています。GIFやWebPは主にWeb表示用の軽量な形式、BMPは圧縮のない汎用画像形式で、いずれも写真編集での調整耐性を重視した物撮り用の撮影形式としては一般的ではありません。
Q2 : ストロボやライトの前にかざして光を拡散させ、被写体にできる影を柔らかく、光の当たり方を均一にするための白や乳白色の布・板状のアイテムを何と呼ぶか?
ディフューザーは光源とすぐの位置に置くことで、点や面から出る硬い光を拡散させ、被写体全体に柔らかく均一な光を当てるための道具です。物撮りでは強い光をそのまま当てると商品にくっきりとした硬い影ができたり、光沢のある部分がテカって白飛びしてしまったりすることがあります。ディフューザーを使うことで影の輪郭がぼやけて自然になり、商品のディテールや質感を潰さずに撮影できます。ストロボは光源そのもの、三脚はカメラ固定用の機材、カラーチャートは色の基準を記録するためのツールです。
Q3 : 物撮りで手ブレを防ぎ、絞りを絞ったことで生じるシャッタースピードの低下があってもブレのないシャープな写真を撮るために欠かせない撮影機材は何か?
物撮りでは商品全体にピントを合わせるために絞りを絞り込むことが多く、その分レンズに取り込まれる光の量が減るためシャッタースピードが遅くなりがちです。手持ち撮影ではわずかな手ブレでも写真がぼやけてしまうため、カメラをしっかり固定できる三脚を使用することで、遅いシャッタースピードでもブレのないシャープな写真を安定して撮影できます。偏光フィルターは反射抑制、カラーチャートは色の基準記録、レフ板は影を起こすための道具であり、手ブレ防止の役割は担っていません。
Q4 : ガラス製品や液体入りのボトルなど、透明感のある商品を撮影する際に、被写体の背後や下から光を当てて透明感や輪郭を際立たせる照明方法を何と呼ぶか?
バックライト(透過光・逆光)は、被写体の背後や真下にライトを設置し、光を透過・回り込みさせて撮影する照明方法です。ガラス製品や透明な液体、飲料ボトルなどを撮影する際にこの手法を使うと、被写体を通過した光が輪郭を明るく縁取り、透明感や素材感を強調した印象的な写真に仕上がります。トップライトは真上から、サイドライトは横から光を当てる照明で立体感の付け方が異なり、キャッチライトは目やガラス面に映り込む光の点そのものを指す言葉で照明方法の名称ではありません。
Q5 : カメラのレンズ内にある、開閉することでレンズを通ってセンサーに届く光の量を調整し、同時に被写界深度(ピントが合う範囲の広さ)にも影響を与える部品を何と呼ぶか?
絞り(アイリス)はレンズ内にある複数の羽根状の部品で構成されており、その開口部の大きさ(F値)を変えることでセンサーに届く光の量を調整します。あわせて、絞りを絞る(F値を大きくする)ほど被写界深度が深くなりピントの合う範囲が広がり、開放にする(F値を小さくする)ほど被写界深度が浅くなり背景がぼけやすくなります。物撮りでは商品全体にピントを合わせたい場合に絞りを絞り込んで撮影することが多くあります。シャッターボタンは撮影のタイミングを決める操作部、三脚はカメラを固定する機材です。
Q6 : 物撮りでレンズの被写界深度が浅く手前から奥まで一枚ではピントが合いきらない場合に、ピント位置を変えて撮影した複数の写真を合成し、全体にピントが合った1枚の画像を作る技法を何と呼ぶか?
フォーカススタッキングは、同じ構図でピント位置を少しずつずらしながら複数枚撮影し、各写真のピントが合っている部分だけを専用ソフトで合成する技法です。マクロ撮影や小物の物撮りでは絞りを絞ってもピントの合う範囲(被写界深度)が非常に浅くなりがちなため、この技法を使うことで商品全体にくっきりとピントが合った写真に仕上げられます。HDR合成は明暗差の大きい場面で露出の異なる写真を合成する技法、パノラマ合成は横に広い範囲をつなげる技法、タイムラプスは時間経過を早送りする動画技法で、いずれも用途が異なります。
Q7 : 物撮りで、背景と床の境目(ライン)を消して商品が宙に浮いているように見せるために、カーブさせた背景紙を使う撮影テクニックを何と呼ぶか?
無限背景(インフィニティカーブ)は、背景紙を床から壁にかけてゆるやかな曲線を描くように垂らして設置する手法です。こうすることで背景と床の境界線が写真上に映り込まなくなり、商品が均一な背景の中に浮かんでいるように見える、奥行きのない無限の空間のような仕上がりになります。通販サイトの商品写真やカタログ撮影で頻繁に使われる基本テクニックです。ハイアングルは撮影角度、マクロは近接撮影、パンフォーカスはピント全体を合わせる手法を指し、背景処理とは別の概念です。
Q8 : 商品撮影の照明セッティングにおいて、光を反射させて被写体の影になった部分を明るく起こすために使われる白や銀色の板を何と呼ぶか?
レフ板(レフレクター)は、メインライトの光を反射させて被写体に回り込ませ、影になっている部分を自然に明るくするための道具です。物撮りでは強い影が商品のディテールを潰してしまうことがあるため、白や銀色、金色などのレフ板を影側に配置し、コントラストを調整しながら商品全体の質感や立体感を保ちます。ソフトボックスは光源自体を覆って光を拡散させる照明器具であり、レフ板とは役割が異なります。三脚はカメラを固定するための機材、カラーチャートは色の基準を記録するためのツールです。
Q9 : 物撮りにおいて、商品本来の色を写真上で正確に再現するために、撮影前や撮影中に行うべき調整は何か?
光源の色温度は太陽光や蛍光灯、LEDライトなどによって異なり、そのままではカメラが商品の色を実際の見た目と違う色合いで記録してしまうことがあります。ホワイトバランスを撮影環境の光源に合わせて調整することで、白いものを正しく白く、商品本来の色味を忠実に再現できます。通販サイトなどの物撮りでは色の再現性が購入判断に直結するため特に重要な工程です。手ブレ補正やシャッタースピードの設定、フラッシュの発光は色の正確な再現とは直接関係しません。
Q10 : 物撮り(商品撮影)で、ガラス製品や透明な包装、ショーケースなどの表面に映り込む光の反射やテカリを抑えるためによく使われるフィルターは何か?
PLフィルター(偏光フィルター)は、光の反射光に含まれる特定方向に偏った光をカットする働きがあり、フィルターを回転させることでガラスやプラスチック、水面などの表面に映り込む不要な反射やテカリを大きく軽減できます。物撮りでは化粧品ボトルや食器、ショーケース越しの商品など、光沢のある被写体を自然な発色と質感で撮影したいときに欠かせない道具です。NDフィルターは光量を減らす目的、UVフィルターは紫外線カットやレンズ保護が主目的であり、反射除去の効果はPLフィルターほど高くありません。
まとめ
いかがでしたか? 今回は物撮りクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は物撮りクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。