バイオリンは、優雅な音色で多くの人を魅了してきた弦楽器です。実は、弦や弓、楽器の構造、名器の歴史、名曲や奏法など、知れば知るほど奥深い世界が広がっています。この記事では、そんなバイオリンにまつわるクイズを10問ご用意しました。演奏経験のある方はもちろん、クラシック音楽をなんとなく聴くのが好きな方も、気軽に挑戦できます。解説もあわせて読めば、次にバイオリンの音色を聴くときの楽しみがきっと増えるはずです。
Q1 : J.S.バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調」の終曲として有名な楽曲はどれ?
パルティータ第2番 BWV1004は、アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグ、シャコンヌの5つの楽章からなり、終曲のシャコンヌは演奏に約15分前後かかる大作です。低音の繰り返しに基づく変奏曲の形式で、バイオリン1本だけで多声的な世界を描き出す、無伴奏バイオリン曲の最高峰のひとつとされています。ブラームスが左手のためのピアノ曲に、ブゾーニがピアノ独奏用に編曲したことでも知られます。
Q2 : バイオリンの奏法「スル・ポンティチェロ」の説明として正しいものはどれ?
スル・ポンティチェロ(sul ponticello)は、イタリア語で「駒の上(近く)で」という意味で、弓を通常より駒に近い位置にあてて弾く奏法です。倍音が強調され、ガラスのようなざらついた金属的で不気味な音色になり、ドビュッシーやショスタコーヴィチなど多くの作曲家が効果的に用いています。選択肢1はコル・レーニョ、選択肢2はピチカート、選択肢4はコン・ソルディーノの説明です。
Q3 : バイオリンの表板に一般的に使われている木材はどれ?
バイオリンの表板には、軽くて振動をよく伝える針葉樹のスプルース(トウヒ)が一般的に使われます。一方、裏板や側板、ネック、スクロールには硬く密度の高いメイプル(カエデ)が使われることが多く、指板やテールピース、ペグには非常に硬い黒檀が用いられます。このように、部位ごとの役割に合わせて木材を使い分けることで、豊かで安定した音色が生み出されています。
Q4 : バイオリンの内部にある「魂柱(こんちゅう)」の説明として正しいものはどれ?
魂柱(サウンドポスト)は、バイオリンの内部で表板と裏板の間に立てられた、トウヒ材などの細い丸棒です。駒の足元付近、E線側の足のやや後ろに置かれ、表板の振動を裏板へ伝えるとともに、楽器の構造を支える役割を果たします。位置がわずかにずれるだけで音色が大きく変わるため、調整は職人の腕の見せどころです。魂柱は接着されず、弦の張力で固定されています。
Q5 : 弓の毛に塗って、弦との摩擦を高めるために使うものはどれ?
松脂(ロジン)は、松などの樹脂を精製して固めたもので、弓の毛に塗ることで弦との間に適度な摩擦を生み出します。弓の毛は塗らないままだと弦の上をすべってしまい、ほとんど音が出ません。ロジンには硬さや色の異なる種類があり、バイオリン用、ビオラ用、チェロ用などが市販されています。使い過ぎると粉が飛び散り、音がざらつく原因にもなります。
Q6 : 名器「ストラディヴァリウス」を製作したアントニオ・ストラディヴァリが工房を構えていた都市はどこ?
アントニオ・ストラディヴァリ(1644年頃〜1737年)は、北イタリアのクレモナで活動した弦楽器製作者です。クレモナはアマティ家やグァルネリ家など、名工が数多く輩出された弦楽器製作の中心地として知られ、現在も製作学校や工房が多く残り、バイオリン作りの町として有名です。ストラディヴァリは生涯に1000挺以上の楽器を製作したといわれ、その多くがバイオリンでした。
Q7 : 「悪魔のバイオリニスト」と呼ばれたパガニーニが愛用した名器として知られるのはどれ?
パガニーニが愛用したのは、クレモナの名工グァルネリ・デル・ジェスが1743年に製作した「イル・カノーネ(カノン)」です。カノンは大砲を意味し、力強く響く音色にちなんだ愛称といわれます。パガニーニは遺言でこの楽器をジェノヴァ市に遺贈し、現在もジェノヴァ市が所有して、特別な演奏機会などに貸し出されています。「メシア」はストラディヴァリ製で、パガニーニの愛器とは別の楽器です。
Q8 : オーケストラなどの合奏でバイオリンを調弦するとき、基準となる音はどれ?
合奏では、まずオーボエなどが基準音としてA(ラ)の音を出し、全員がそれに合わせて調弦します。バイオリンでもA線をチューナーや音叉で440Hz前後に合わせ、その後に隣の弦と完全5度になるようにD線、G線、E線の順に合わせていくのが一般的です。ただし、古楽の演奏などでは基準ピッチを低めに設定することもあり、必ず440Hzとは限りません。
Q9 : バイオリンの弓の毛に主に使われているものはどれ?
バイオリンの弓の毛には、主にモンゴルやシベリアなどの寒冷地で育った馬の尾の毛が使われます。毛の表面には微細なキューティクルがあり、松脂を塗ることで弦との間に摩擦が生まれ、弦が振動して音が出ます。1本の弓には150本前後から200本ほどの毛が張られています。なお、練習用の安価な弓にはナイロンなどの合成毛が使われることもありますが、本格的な弓では馬毛が標準です。
Q10 : バイオリンの開放弦を低い音から高い音の順に並べたものはどれ?
バイオリンの4本の弦は、低い方からG線(ソ)、D線(レ)、A線(ラ)、E線(ミ)の順に張られ、隣り合う弦は完全5度の間隔で調弦されます。選択肢1は高い方から低い方へ並べた順番です。選択肢3のC・G・D・Aはビオラやチェロの調弦で、バイオリンより完全5度低い音域になります。選択肢4はバイオリンの調弦としては成立しません。最も低いG線は約196Hz、最も高いE線は約659Hzです。
Q11 : ヌクレアーゼのうち内部のリン酸ジエステル結合を切断する酵素はどれか?
エンドヌクレアーゼはDNAやRNAの鎖中の内部に位置するリン酸ジエステル結合を切断する酵素であり、制限酵素などがこのクラスに含まれる。一方、エキソヌクレアーゼは鎖末端からヌクレオチドを逐次除去する。DNAヘリカーゼは二本鎖をほどく役割、リガーゼはDNA断片を連結する役割を担う。
Q12 : ハーディ・ワインベルク平衡が成立するための条件ではないものはどれか?
ハーディ・ワインベルク平衡は、集団の遺伝子頻度が世代を経ても変化しない理想条件を指す。必要条件は大きな個体群、ランダムな交配、突然変異や遺伝子流動の不在、自然選択の不在などである。したがって『自然選択が働くこと』は平衡成立の条件ではなく、むしろアレル頻度を変化させる原因となる。
Q13 : タンパク質の一次構造を決定している主な結合はどれか?
タンパク質の一次構造はアミノ酸の配列そのものであり、アミノ酸同士を連結しているのはアミノ基とカルボキシル基の間に形成されるペプチド結合(アミド結合)である。水素結合やイオン結合は主に二次・三次構造の安定化に寄与し、ジスルフィド結合はシステイン残基間の共有結合で三次構造の安定化に重要だが、配列そのものを定義する一次構造はペプチド結合によって保持される。
Q14 : 脂質二重膜の流動性を高めるのはどれか?
脂質二重膜の流動性は脂肪酸の鎖の飽和度に強く依存する。不飽和脂肪酸は炭素鎖中に二重結合を持ち、鎖が折れ曲がるため隣接分子との密な詰まりが減り流動性が増す。一方、飽和脂肪酸は直鎖で密に配列し膜を硬くする。コレステロールは温度により流動性を安定化させる作用があり、必ず高めるわけではない。膜タンパク質の量は流動性に影響するが主要因は脂質組成である。
Q15 : 理想的なPCR反応において、サイクル数n回後の標的DNA量はどのように変化するか?
理想的なPCRでは、各サイクルで標的DNA分子が理論上2倍になる(一本鎖→二本鎖の伸長が完全に効率的な場合)。したがってnサイクル後のコピー数は初期コピー数を2^n倍した値となる。現実には酵素効率や試薬枯渇、阻害因子などで効率は低下するが、基本概念は指数増加(2^n)である。
Q16 : 光合成における光依存反応(明反応)で直接生成されないものはどれか?
光依存反応(明反応)は光エネルギーを利用して水を分解し電子伝達を行い、ATPとNADPHを生成し、副産物として酸素を放出する。一方、二酸化炭素の固定と糖合成はカルビン–ベンソン回路(光非依存反応、暗反応)で行われ、生成される糖は明反応で直接生じるものではない。
Q17 : DNA複製においてDNAポリメラーゼが新しい鎖を伸長するために必須なのはどれか?
DNAポリメラーゼは新しいヌクレオチドを付加する際に既存の鎖の3'OH基に結合して伸長するため、プライマー(短いRNAまたはDNA)による3'末端が必須である。これに対し5'末端単独やATPだけでは連鎖開始できず、接着因子という用語はDNA複製における必須条件を表すものではない。
Q18 : PCR法において、サーマルサイクル中の伸長反応でDNA鎖の新生を触媒する酵素はどれか?
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)では、反応中に高温での熱変性と低温でのアニーリングを繰り返すため、耐熱性を持つDNAポリメラーゼが必要である。Taqポリメラーゼは熱水性細菌Thermus aquaticus由来で、94–72℃のサイクルでも活性を保持してDNA鎖を5'→3'方向に伸長するためPCRで広く用いられる。他の選択肢はDNA鎖の連結やRNA合成、逆転写に関与し、PCRの伸長反応を担う酵素ではない。
Q19 : 一遺伝子座についてヘテロ接合体Aa同士を交配したときの子世代の遺伝子型比はどれか?
一遺伝子座の単純なメンデル遺伝(Aa × Aa)では配偶子の組合せによりAA:Aa:aaの比が1:2:1となる。これに対し表現型比は優性表現型:劣性表現型で3:1となる場合が多い。9:3:3:1は二遺伝子座(独立の遺伝子)の古典的比で、完全に優性がない場合に「すべて同一」といった単純な結果にはならない。
Q20 : 好気的呼吸で最も主要にATPを産生する細胞内オルガネラはどれか?
好気呼吸(酸化的リン酸化)はミトコンドリア内膜に存在する電子伝達系とATP合成酵素(ATPシンターゼ)によって行われ、酸化的リン酸化で大量のATPが産生される。葉緑体は光合成でATPを生産するが、好気呼吸の主要場はミトコンドリアである。リボソームは翻訳、ゴルジ体はタンパク質修飾・輸送を担う。