アコーディオンは蛇腹を押し引きして音を奏でる、素朴ながら奥深い楽器です。誕生の歴史や楽器分類上の位置づけ、ふいごやリードといった構造の秘密、地域ごとに発展した多彩な種類や独特の調律法まで、知れば知るほど面白い雑学が詰まっています。全10問のクイズに挑戦しながら、アコーディオンの世界をのぞいてみましょう。
Q1 : 英語圏では、アコーディオンは蛇腹を押し引きして演奏する見た目から、ある愛称(俗称)で呼ばれることがあります。それは次のうちどれでしょうか?
英語圏では、アコーディオンは両手でふいごを押したり引いたりして「絞る」ように演奏する動作から、親しみを込めて「スクイーズボックス(squeezebox)」という愛称で呼ばれることがあります。この呼び方はカントリー音楽やケイジャン音楽などアコーディオンが日常的に使われる音楽ジャンルの歌詞やスラングでもよく登場します。ウィンドバッグ、パフパイプ、ブローホーンといった呼び方は一般的な英語のアコーディオンの愛称としては使われておらず、いずれも実在しない俗称です。
Q2 : 右手側の音程を選ぶ部分が、通常の鍵盤楽器と同じ白鍵・黒鍵の配列になっているアコーディオンは何と呼ばれるでしょうか?
右手側の鍵盤がピアノと同じように白鍵・黒鍵の配列で並んでいるアコーディオンは「ピアノアコーディオン」と呼ばれ、ピアノを弾ける人にとって音の配置がわかりやすいことから、クラシックやポピュラー音楽の演奏で広く普及しています。コンサーティーナは両手ともボタン式の別系統の蛇腹楽器、ダイアトニックアコーディオンは押し引きで異なる音が出るボタン式アコーディオン、バヤンはロシアで発展したボタン式アコーディオンの一種であり、いずれも鍵盤配列を持つピアノアコーディオンとは構造が異なります。
Q3 : フランスのミュゼット音楽で好んで使われる、複数のリードの音程を少しずつずらして重ねることで独特のうねるような響きを作り出す調律方法を何と呼ぶでしょうか?
フランスのカフェやダンスホールで演奏される「ミュゼット」音楽で特徴的な、揺らめくようなビブラート効果を持つ音色は「ミュゼットチューニング」と呼ばれる調律方法によって生み出されます。これは同じ音程のリードを複数枚用意し、それぞれをわずかに高め・低めにずらして同時に鳴らすことで、うなりのようなトレモロ効果を作る手法です。平均律・純正律・ピタゴラス音律はいずれも音階全体の音程の決め方に関する調律理論であり、アコーディオン特有の音色を作るミュゼットチューニングとは異なる概念です。
Q4 : 主にアルゼンチンタンゴで用いられる、アコーディオンに似た構造を持つ、ドイツ生まれの蛇腹楽器は何でしょうか?
バンドネオンは19世紀にドイツで考案された自由リード楽器で、四角い箱型の両手にボタンが配置された蛇腹楽器です。教会音楽などのために作られましたが、後に移民とともに南米アルゼンチンへ渡り、タンゴの代表的な楽器として定着しました。コンサーティーナも似た構造を持つ蛇腹楽器ですが起源はイギリスであり、ハルモニウムはふいごで空気を送るリードオルガンの一種、メロディオンは吹奏式やアコーディオンの一種を指す言葉であり、いずれもタンゴを象徴する楽器としてはバンドネオンほど知られていません。
Q5 : アコーディオンやハーモニカの音を出す薄い板状の「リード(簧)」には、一般的にどのような金属が使われるでしょうか?
アコーディオンやハーモニカのリードは、薄い金属板が振動することで音を出す仕組みになっており、その素材には強度と弾力性に優れた鋼鉄(スチール)が一般的に使われます。リード自体は土台となる真鍮やアルミニウム製のプレートにリベットで固定されますが、実際に振動して音を発するリード本体はスチール製であることがほとんどです。金は装飾品などに使われる貴金属で楽器のリードには適さず、アルミニウムはリードを固定するプレートに使われることはあってもリード自体の主材料ではなく、チタンは高価で加工が難しいため一般的なリード素材としては使われません。
Q6 : アコーディオン中央にある、空気を送り込むために伸縮させる蛇腹状の部分を何と呼ぶでしょうか?
アコーディオン中央の蛇腹状のパーツは「ふいご」または英語で「ベローズ」と呼ばれ、演奏者が両手で押したり引いたりすることで内部に空気を送り込み、金属製のリードを振動させて音を鳴らす、アコーディオンの心臓部とも言える部分です。ふいごの動かし方の強弱によって音量や表現力を変化させることができます。キーボードは音程を選ぶ鍵盤部分、グリルは音を外に通すための装飾された格子部分、ストラップは楽器を体に固定するための帯であり、いずれもふいごとは別の部位を指します。
Q7 : 右手側の音を選ぶ部分が鍵盤ではなくボタンになっているタイプのアコーディオンは何と呼ばれるでしょうか?
右手側の音程を選ぶ部分に鍵盤の代わりに丸いボタンが並んでいるタイプのアコーディオンは「ボタンアコーディオン」と呼ばれ、ロシアのバヤンやイタリアの伝統的なアコーディオン、アイルランド音楽などで広く使われています。ピアノアコーディオンは右手側がピアノと同じ鍵盤になっているタイプ、コンサーティーナは両手にボタンが配置された別系統の蛇腹楽器、ハーモニカは手で持って口で吹く自由リード楽器であり、いずれもボタンアコーディオンとは異なる楽器または種類です。
Q8 : アコーディオンの左手側で使われる、あらかじめ長調・短調の和音(コード)ボタンが配置されているベースシステムは何と呼ばれるでしょうか?
標準的なアコーディオンの左手側には「ストラデラベースシステム」と呼ばれる伴奏システムが採用されており、単音のベース音とあらかじめ調律された長三和音・短三和音・セブンスコードなどのボタンが規則的に配置されているため、コードの理論を深く知らなくても片手で伴奏を演奏できるのが特徴です。この名称はイタリアの都市ストラデラに由来すると言われています。ブギウギ、チェレスタ、グレゴリオといった名称のベースシステムは実在せず、いずれも架空の選択肢です。
Q9 : 1829年にウィーンでアコーディオンの特許を取得したとされる人物は誰でしょうか?
シリル・デミアンは1829年にオーストリア・ウィーンで「アコーディオン」という名称と共に楽器の特許を取得した人物として知られています。彼はアルメニア系の楽器製作者で、蛇腹(ふいご)を使って空気を送り込み、リードを振動させて音を出す仕組みの鍵盤楽器に「Accordion」という名前を与えました。なお、アドルフ・サックスはサクソフォーンの発明者、テオバルト・ベームはベーム式フルートの考案者、ヨハン・シュトラウス1世はウィンナワルツの作曲家であり、いずれもアコーディオンの発明とは直接関係がありません。
Q10 : 楽器分類上、アコーディオンはどのグループに属するでしょうか?
アコーディオンは、ふいごで送り込んだ空気によって金属製の薄い板状のリード(簧)を振動させて音を出す「自由リード楽器」に分類され、楽器分類学上は気鳴楽器の一種です。ハーモニカやバンドネオン、ハルモニウムなども同じ自由リード楽器の仲間です。膜鳴楽器は太鼓のように膜の振動で音を出す楽器、弦鳴楽器はギターやバイオリンのように弦の振動で音を出す楽器、体鳴楽器はシンバルや木琴のように楽器自体の振動で音を出す楽器を指し、いずれもアコーディオンの発音原理とは異なります。
まとめ
いかがでしたか? 今回はアコーディオンクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はアコーディオンクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。