デッサンの基本を知れば、絵はもっと自由になる。鉛筆の硬さの使い分けから、陰影の見極め方、構図を整えるコツ、道具の意外な使い方まで、上達のヒントは意外と身近なところに隠れている。全10問のクイズで、あなたのデッサン知識をチェックしてみよう。
Q1 : 物体の表面で、光源からの光が最も強く当たり最も明るく見える部分を何と呼ぶか。
ハイライトとは、物体の表面のうち光源からの光が最も強く反射して見える、明暗の中で最も明るい部分のことを指す。デッサンではこのハイライトを基準点として、明るい面である中間調、物体自体の陰、陰の中の反射光、そして物体が落とす落ち影まで、明るさの異なる段階を順に見極めながら描き分けていくことで、平面である紙の上に立体感や質感、光の当たり方を説得力のある形で表現することができる。
Q2 : 石膏像デッサンで定番のモチーフとして使われる「アグリッパ」は、もともとどのような人物をモデルにした像か。
石膏像「アグリッパ」は、古代ローマの政治家であり軍人でもあったマルクス・ウィプサニウス・アグリッパをモデルにした胸像である。日本の美術系の予備校や美術大学の基礎デッサンでは古くから定番の石膏像モチーフとして扱われており、複雑に絡み合う巻き毛の質感や、首筋から肩にかけての筋肉や骨格の立体的な構造を学ぶための題材として、多くの受験生や学生が繰り返し描いてきた歴史のある像である。
Q3 : デッサンで対象の一部分だけを見て、細部から先に描き進めてしまった場合に起こりやすい失敗として、最も適切なものはどれか。
対象全体のおおまかな形やプロポーションを確認しないまま、目や口、模様といった細部を先に丁寧に描き込んでしまうと、後になって画面全体を見返したときに、各部分の大きさや位置関係、全体としてのバランスが崩れてしまっていることに気づきにくいという失敗が起こりやすい。そのためデッサンでは、まず大まかな「アタリ」で全体の形と配置を決めてから、徐々に細部の描写へと進めていく手順が基本とされている。
Q4 : デッサンに関連する用語「クロッキー」の説明として最も適切なものはどれか。
クロッキーとは、数十秒から数分程度というごく短い時間の中で、対象の動きや姿勢、おおまかな形の特徴を素早くとらえて描く速写のことを指す。特に人物デッサンにおいて、モデルが一瞬とる動きやポーズの躍動感を練習するための手法として広く用いられており、じっくりと時間をかけて陰影や質感まで細かく描き込んでいく通常のデッサンとは、求められる観察の速さや目的が異なるものである。
Q5 : 遠近感を表現する技法のうち、奥行き方向の平行線を画面上の1つの消失点に収束させて描く方法を何というか。
一点透視図法とは、奥行き方向へ伸びる平行な線を、視点の正面に定めたただ1つの消失点に向かって収束させることで奥行きや立体感を表現する遠近法の基本技法である。まっすぐ伸びる廊下や道路、線路など、正面から見た構図を描く場合によく用いられ、消失点の位置を正しく設定することで、実際の空間に近い自然な奥行き感を画面上に再現することができる。消失点が2つになるものは二点透視図法、3つになるものは三点透視図法と呼ばれ、対象や視点の角度に応じて使い分けられる。
Q6 : デッサンで本格的に描き始める前に、構図やバランスを確認するために描く簡単な試し描きを何と呼ぶか。
エスキースとは、本描きに取りかかる前に、画面の中に対象物をどのように配置するか、また明暗のおおまかな計画はどうするかといった構想を練るために描く小さな下描き・ラフスケッチのことを指す。あらかじめエスキースで構図や比率、余白のバランスを確認しておくことで、実際に本描きを進めてから対象の配置や大きさのバランスが崩れてしまうという失敗を未然に防ぐことができ、完成度の高い作品につながりやすくなる。
Q7 : デッサンで使われる練り消しゴムの特徴として正しいものはどれか。
練り消しゴムは粘土のように手でこねて先端を自由に尖らせたり平らに広げたりできる消しゴムで、鉛筆デッサンにおいては単に線を消すだけでなく、暗い調子の中に明るい部分やハイライトを描き起こしたり、濃淡の境目を柔らかくぼかしたりする表現に多用される。一般的なプラスチック消しゴムに比べて消しくずが出にくく紙の表面を傷めにくいため、繊細な明暗の調整が必要なデッサンの仕上げ段階で特に重宝される道具である。
Q8 : 陰影表現において、物体の暗い部分(陰)の中に、周囲からの反射によって生じるやや明るい部分を何と呼ぶか。
反射光(照り返し)とは、物体自体にできる陰の部分に、床や壁、周囲の物など環境からの光が跳ね返って当たることで生じる、陰の中では比較的明るく見える部分のことを指す。陰を単調に一色で塗りつぶすのではなく、この反射光の微妙な明るさの変化を描き分けることで、陰の中にも奥行きと立体感が生まれ、物体がより丸みや厚みを持った量感豊かなものとして表現される。
Q9 : 静物デッサンで、物体自体にできる陰ではなく、その物体が地面や他の物の上に落とす影のことを何というか。
落ち影(投影)とは、物体そのものの表面にできる固有の陰とは区別され、その物体が光を遮ることによって地面や壁、他の物体の表面に落とされる影のことを指す。落ち影の形や濃さ、伸びる方向を正確に観察して描くことで、物体がどの位置にどのように接地しているか、また光源がどの方向にあるかを見る人に説得力を持って伝えることができ、絵全体の空間の説得力を大きく高める要素となる。
Q10 : 鉛筆の芯の硬度表記について、正しい説明はどれか。
鉛筆の芯の硬度はH(Hard)とB(Black)というアルファベットと数字の組み合わせで表され、H系は数字が大きくなるほど芯が硬くなり線は薄く硬質になる一方、B系は数字が大きくなるほど芯が柔らかくなり線は太く濃くなる。デッサンでは中間的な硬さのHBを基準として、明るく硬い調子を出したい部分にはH系、暗く柔らかい調子を出したい部分にはB系を使い分けることで、画面全体に幅広い明暗の階調(トーン)を生み出すことができる。
まとめ
いかがでしたか? 今回はデッサンクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はデッサンクイズを出題しました。
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次回のクイズもお楽しみに。