医療現場で当たり前のように使われている聴診器ですが、その誕生の経緯や仕組み、聞き分けている音の正体まで知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。発明されたのは200年以上前、きっかけはちょっと意外なひらめきでした。今回は、聴診器の歴史や構造、心音や呼吸音にまつわる知識を10問のクイズで楽しくおさらいしていきます。お医者さん気分で、ぜひ挑戦してみてください。
Q1 : 聴診器を使って血圧を測定する際に聞き取る、血流による音の名前は?
血圧計のマンシェットを上腕に巻き、聴診器を肘窩の上腕動脈上に当てて加減圧した際に聞こえる血流音を『コロトコフ音(Korotkoff sounds)』と呼びます。1905年にロシアの軍医ニコライ・コロトコフが報告した手法で、最初に音が聞こえ始める圧を収縮期血圧、音が消失する圧を拡張期血圧として読み取ります。現在も聴診法による血圧測定の世界的な基本原理として臨床現場で広く使われています。
Q2 : 心音の『第一心音(I音)』が生じる主な原因は?
第一心音(I音)は、心室収縮の開始時に房室弁である僧帽弁と三尖弁が閉鎖することによって生じる音です。『ドッ(ラブ)』と表現される比較的低めの音で、心尖部で最もよく聴取されます。一方、第二心音(II音)は心室拡張開始時に大動脈弁と肺動脈弁が閉鎖して生じる『ドッ(ダブ)』という高めの音です。心音の聴取は弁膜症や不整脈などの心疾患の診断において基本的かつ重要な手技となります。
Q3 : ラエンネックが聴診器を発明した直接のきっかけと伝えられているのは?
1816年、ラエンネックは胸の悪い若い女性患者を診察する際、直接耳を胸に当てるのを避けたいと考えました。その時、以前ルーブル宮殿の中庭で子どもたちが木材の片端を引っ掻き、もう一端に耳を当てて音を増幅させて遊んでいたのを見た記憶を思い出し、紙束を筒状に丸めて女性の胸と自分の耳の間に置いたところ、はっきり心音が聞こえたのが聴診器発明のきっかけと伝えられています。
Q4 : 聴診器で肺を聴取した際に、正常呼吸音以外に聴かれる異常な副雑音の総称は?
聴診器で肺を聴取した際、正常な呼吸音以外に聴かれる異常な副雑音をまとめて『ラ音(rales、らつう)』と呼びます。ラ音は連続性ラ音(いびき音・笛音)と断続性ラ音(捻髪音・水泡音)に大別され、それぞれ気道狭窄や気道分泌物、肺胞の病変などを示唆します。ぜんそくや肺炎、心不全、間質性肺疾患などの診断において、ラ音の種類と聴取部位は非常に重要な所見となります。
Q5 : 聴診器のチェストピースの『ベル面』が拾うのに適している音は?
聴診器のチェストピースの『ベル面』は、漏斗状のくぼみを持ち、皮膚自体が膜の役割を果たすことで低い周波数の音をよく拾う構造になっています。具体的には僧帽弁狭窄症で聴かれる拡張期ランブル、心不全で聴かれるIII音やIV音、頸動脈の血管雑音などです。軽く当てるのがコツで、強く押し付けると皮膚自体が張って膜のようになり、本来拾いたい低音が逆に聴こえにくくなる特徴があります。
Q6 : 聴診器が発明されたのは何年頃?
聴診器はフランスの医師ルネ・ラエンネックによって1816年に発明されました。それまで医師は患者の胸に直接耳を当てる『直接聴診法』を行っていましたが、ラエンネックは紙を巻いた筒を使うことを思いつき、これを発展させて木製の単筒型聴診器を作り上げました。現在広く使われているY字型のゴム管とイヤーピースを備えた両耳式聴診器は、19世紀半ば以降に改良されて普及した形です。
Q7 : 『stethoscope(ステソスコープ)』の語源となったギリシャ語の意味の組み合わせは?
『stethoscope』は、ギリシャ語の『stethos(στῆθος、胸)』と『skopein(σκοπεῖν、見る・観察する)』を組み合わせた造語で、文字通り『胸を観察する道具』という意味です。発明者ラエンネック自身が命名したと言われています。日本語の『聴診器』は明治期に作られた訳語で『診察するために聴く器具』を意味しますが、原語は『聴く』ではなく『観察する』というニュアンスを含んでいる点が興味深いところです。
Q8 : 聴診器のうち、患者の体表に直接当てる円盤状の部分の名称は?
聴診器のうち患者の体表に直接当てる円盤状の部分は『チェストピース(chest piece)』と呼ばれます。多くの聴診器ではこの部分が、高音域に強い『膜面(ダイアフラム)』と低音域に強い『ベル面』の二面構造になっており、診察したい音に応じて回転させて切り替えます。耳に当てる部分は『イヤーピース』、二股に分かれる金属管部分は『バイノーラル』や『ステム』と呼ばれています。
Q9 : 聴診器のチェストピースの『膜面(ダイアフラム)』が主に聴き取るのに適している音は?
聴診器のチェストピースのうち『膜面(ダイアフラム)』は、薄いプラスチック膜が振動を拾う構造になっており、比較的高い周波数の音を聴き取るのに適しています。具体的には正常な呼吸音、腸蠕動音、心音のI音・II音、高音性の心雑音などです。一方、低音性の音を聴くにはベル面を使い分けます。皮膚にしっかり密着させて使うのが基本で、こすれる音などが入らないよう注意が必要です。
Q10 : 聴診器を発明したのは誰?
フランス人医師ルネ・ラエンネック(René Laennec、1781-1826)が1816年に聴診器を発明しました。当時、女性患者の胸に直接耳を当てて診察するのが憚られたことから、紙を巻いた筒を介して心音を聴いたのが始まりです。後に木製の単一耳型聴診器を作り、1819年に著書『間接聴診法』として体系化しました。これが現代医療に不可欠な聴診器の原型となり、医学の歴史を大きく変えた発明とされています。
まとめ
いかがでしたか? 今回は聴診器クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は聴診器クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。