実験室の必需品「ピペット」。マイクロピペットからホールピペットまで種類はさまざまで、正しく使いこなすには容量範囲・操作手順・校正・保管方法など押さえるべき基本がたくさんあります。あなたはどこまで知っていますか?全10問のクイズで、ピペットまわりの知識をチェックしてみましょう。
Q1 : 揮発性が高い液体や粘性の高い液体を分注する際に、誤差を抑えるため一般的に推奨されるピペッティング法はどれ?
フォワード法では揮発性溶媒の蒸気圧や粘性により、吐出時に設定容量どおり出ないことがある。リバースピペッティングでは、まずプッシュボタンを第二ストップまで押し込んでから液を吸引することで設定量+αを吸い上げ、吐出時は第一ストップまでだけ押すので過剰分はチップ内に残り、設定容量ぴったりが正確に分注される。揮発性・高粘性・泡立ちやすい試料に推奨される手法で、血清や界面活性剤含有液などにも有効である。
Q2 : 一定容量のみを高い精度で量り取るために設計されたガラス器具はどれ?
ホールピペット(全量ピペット)は中央が膨らんだ形状で、一本につき一定容量のみを正確に量り取るためのガラス器具である。10mL用なら10mLしか測れないが、メスピペットより精度が高く、JIS規格やISO規格でクラスAとBが定められている。容量分析や標準溶液の調製で使われる。一方メスピペットは目盛が刻まれていて連続的な容量を測れるが、精度はホールピペットより劣るため使い分ける。
Q3 : マイクロピペット使用後の正しい保管方法はどれ?
マイクロピペットは内部にピストン、ばね、シール用Oリングなどの精密部品が組み込まれている。横置きや倒立保管にすると、チップ内に残った液が本体内部に逆流し、Oリングの腐食・汚染や容量精度の低下を招くおそれがある。そのため使用後は付属の専用スタンドや壁掛けホルダーで、先端を下にした垂直の状態で保管するのが原則である。揮発性溶媒を吸った後は、チップを外してから立てるとなお良い。
Q4 : ピペッティング前に同じ試料で「プレウェット(プレリンス)」を行う主な目的はどれ?
プレウェット(プレリンス)とは、本番の分注前に同じ試料を2〜3回吸って戻す操作で、チップ内壁を試料の液膜で均一に湿らせる目的がある。これによりチップ内に残る液膜量や蒸発量を毎回一定化でき、特に有機溶媒、粘性試料、温度差のある液体での容量誤差を大幅に減らせる。精度を要求されるピペッティングや揮発性試薬を扱う場面では、ルーチンとして推奨される基本操作の一つである。
Q5 : パスツールピペットの主な用途はどれ?
パスツールピペットは細長い先端を持つガラス製または使い捨てプラスチック製のピペットで、上端にゴム乳首やスポイトを付けて液体を簡易に吸い上げ、別容器に移し替えるために使う。目盛がほとんど無いため正確な容量測定には向かないが、培養液の上清除去、少量試薬の移送、滴下操作などで広く使われる。名称は細菌学者ルイ・パスツールに由来する。近年はディスポーザブルのプラ製品が主流となっている。
Q6 : マイクロピペットの容量設定ダイヤルを操作する際の正しい注意点はどれ?
マイクロピペットの容量ダイヤルには、製品ごとに最大値と最小値が定められている。範囲外まで強引に回すと、内部のストッパー機構やばねが破損し、容量精度が狂う重大な原因となる。たとえばP200を200μLを超えて回したり、P1000を100μL未満に設定したりするのは厳禁である。設定変更は必ず範囲内で、目的の容量に応じてP10、P20、P200、P1000など適切なモデルを選んで使うのが基本となる。
Q7 : ピペットの校正(キャリブレーション)で国際規格ISO 8655が採用している基本的な手法はどれ?
ピペットの校正はISO 8655などの国際規格に基づき、純水を分注して電子天秤で秤量する重量法が標準とされている。設定容量と実測質量を、その時点の水温に応じた水の密度と空気の浮力補正(Z係数)で体積に換算し、正確度(accuracy)と精密度(CV値)を算出する。一般には3水準×10回程度の分注を繰り返して評価し、結果が許容範囲外なら調整・修理を行う。少なくとも年1回の定期校正が推奨される。
Q8 : フォワードピペッティングで液を吐出する際、最後に行う正しい動作はどれ?
フォワードピペッティングでは、まずプッシュボタンを第一ストップまで押し、チップを液中に挿入してからボタンをゆっくり離して液を吸引する。吐出時は分注先で第一ストップまで押して設定容量を放出し、最後に第二ストップまでさらに押し切ることで、チップ内に残ったわずかな液を空気で押し出す。この操作をブローアウトと呼び、設定容量どおりの液量を確実に分注するために不可欠な動作である。
Q9 : 1μLは何mLに相当する?
μ(マイクロ)は10のマイナス6乗を表すSI接頭辞で、1μLは1Lの100万分の1にあたる。1mLは1Lの1000分の1なので、1μLは1mLの1000分の1、すなわち0.001mLとなる。さらにナノリットル(nL)は1μLの1000分の1である。生命科学や分析化学の実験では極微量の液体を扱うため、μL・mL・Lの単位換算を瞬時に行えることが基本中の基本となる。
Q10 : マイクロピペットの「P1000」が設定できる容量範囲はどれ?
マイクロピペットには容量範囲によってP10、P20、P200、P1000などのモデルがある。P1000は100μLから1000μL(=1mL)までを設定できる代表的な汎用モデルで、試薬の希釈や反応液の調製で最も頻繁に使われる。下限の100μL未満で使うと誤差が大きくなり、また上限の1000μLを超える設定はストッパーで物理的にできない仕組みになっている。容量帯ごとに専用モデルを使い分けるのが基本である。
まとめ
いかがでしたか? 今回はピペットクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はピペットクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。