理科室でおなじみのビーカー。ガラス製の丸い容器、というだけのイメージかもしれませんが、実は形ごとに名前があり、材質にも理由があり、使い方にもしっかりとしたお作法があります。なぜあの形なのか、なぜ目盛りがあるのに計量に使われないのか、知れば知るほど奥が深い実験器具です。今回はそんなビーカーにまつわる豆知識を、全10問のクイズ形式でお届けします。あなたはいくつ正解できるでしょうか?
Q1 : ビーカーで作った溶液を、目盛りどおりに正確な体積へ仕上げたいときに使う器具はどれ? メスシリンダー 漏斗 試験管 メスフラスコ
目盛り線(標線)まで溶媒を加えると、その体積(100mL、200mL、500mLなど)ちょうどになるよう校正されたメスフラスコ(容量フラスコ)を使う。ビーカーで溶質を溶かしてからメスフラスコに移し、標線まで溶媒を加えて定容する、というのが定量分析の基本操作。メスシリンダーは概算用で精度は±1%程度だが、メスフラスコは±0.1%以下と一桁高い。試験管や漏斗には目盛りがないか、あっても精度は低い。
Q2 : ホウケイ酸ガラスが普通のガラスより加熱に強いのは、主に何を含んでいるから? 鉛 ナトリウム 鉄 ホウ素
ホウケイ酸ガラスは二酸化ケイ素(SiO2)に加えてホウ酸(B2O3)を10〜13%程度含む。ホウ素を加えることでガラス全体の熱膨張率が小さくなり、急激な温度変化でも割れにくくなる。さらに化学的にも安定で、酸やアルカリに比較的強いという長所もある。代表的な商品名はパイレックス、デュラン、テンパックスなど。一方、普通の窓ガラスや食器ガラスは熱膨張率が大きく、急熱・急冷ですぐ割れてしまうため加熱用途には向かない。
Q3 : ビーカーをガスバーナーで加熱するときに、底面と炎の間にふつう挟むものはどれ? 金網(セラミック付き) アルミホイル 紙 布
ガラスの局所加熱を防ぐため、三脚の上に置いた金網(セラミック付き)を介してビーカーを加熱するのが基本。金網中央に塗られたセラミック(白い円盤状の部分)が熱を分散させ、底の一点だけが過熱して割れるのを防ぐ役目を果たす。直火に耐えられるホウケイ酸ガラスでも、急激な温度差で割れる熱衝撃割れは起こるため、金網の使用が推奨される。アルミホイルや紙は燃え、布も発火の危険があるため不適切である。
Q4 : 耐熱ガラスのブランド「パイレックス」を最初に発売したのはどこの会社? ドイツのショット社 日本のHARIO アメリカのコーニング社 フランスのアルク社
パイレックスは1915年にアメリカのコーニング社(Corning Inc.)が発表した耐熱ホウケイ酸ガラスのブランド名。もともとは鉄道用ランタンのガラス向けに開発された低熱膨張ガラスを、調理器具・実験器具向けに展開したのが始まりとされる。現在はライセンスによって地域ごとに製造元が異なり、ヨーロッパ向けの調理器具用パイレックスはフランスのアルク社が、実験器具用はコーニング社系列が担当しており、組成も用途で異なる場合がある。
Q5 : ビーカーに水を入れて電子レンジで加熱するときに、特に注意すべき現象は? 黒体放射 突沸 ドップラー効果 共鳴
ビーカーのように内側がなめらかでキズが少ない容器では、水が沸点を超えても気泡ができず、わずかな刺激で一気に沸騰する突沸(とっぷつ・bumping)が起きやすい。電子レンジで温めるとムラなく一様に加熱されるため、特に発生しやすい。熱湯が爆発的に噴き出してやけどの原因になるため、沸騰石を入れる、温める時間を短く区切る、加熱直後に取り出してすぐ動かしたり物を入れたりしない、といった対策が必要である。
Q6 : ビーカーの縁にある、液体を注ぎやすくするための小さな出っ張りを何と呼ぶ? リム ネック スパウト ストッパー
英語でspout(スパウト=注ぎ口)と呼ばれる部分で、日本語でもそのままスパウトまたは注ぎ口と言う。表面張力で液体が縁を伝って外側に流れるのを抑え、目的の容器へ液をきれいに移すためについている。ビーカーから別容器へ液体を移すときは、スパウトにガラス棒の先を当てて液を伝わらせると、飛び散りや液だれを抑えて注ぐことができる。これはガラス棒伝いと呼ばれる、化学実験の基本操作の一つである。
Q7 : 化学実験で使われる一般的なビーカーの主な材質は? アクリル樹脂 普通ガラス(ソーダ石灰ガラス) ステンレス ホウケイ酸ガラス
実験用のビーカーは熱衝撃や薬品に強いホウケイ酸ガラスで作られている。代表的な商品名はパイレックス、テンパックス、デュランなど。普通のガラス(ソーダ石灰ガラス)は急熱・急冷で割れやすいため、加熱を伴う実験には適さない。ホウケイ酸ガラスはホウ酸(B2O3)を含むことで熱膨張率が小さく、急激な温度変化に強い。化学的にも比較的安定していて、酸やアルカリ、有機溶媒にも侵されにくいため、化学実験全般の標準容器として広く使われている。
Q8 : ビーカーの目盛りで液体の体積を正確に測ることはできる? 振り混ぜればできる 温めればできる できない できる
ビーカーに刻まれている目盛りはおおよその目安にすぎず、一般に±5%程度の誤差がある。正確に体積を測りたいときは、メスシリンダー、ホールピペット、メスフラスコなど、目的に合わせた専用の体積計を使う必要がある。ビーカーは溶液を作ったり混ぜたり加熱したりする作業用の器具で、計量器ではない。たとえば100mLの線まで水を入れたとしても、実際の体積は95mL〜105mLくらいの範囲でばらつくのが普通である。
Q9 : 背が高くて注ぎ口のないタイプのビーカーは、ある化学者にちなんで何ビーカーと呼ばれる? ベルセリウスビーカー ラボアジエビーカー メンデレーエフビーカー アレニウスビーカー
スウェーデンの化学者イェンス・ヤコブ・ベルセリウス(Jöns Jacob Berzelius、1779–1848)の名にちなみベルセリウスビーカー(トールビーカー)と呼ばれる。彼は元素記号をアルファベットで表記する現行の方式を考案し、セレン・トリウム・セリウムなどの元素を発見した近代化学の祖の一人。背の高い円筒形は反応容器として中身が飛び散りにくく、攪拌子を入れて長時間反応させる用途や、滴定の容器として今も広く使われている。
Q10 : もっとも一般的な背の低いビーカーは、考案したとされる人物にちなんで何ビーカーと呼ばれる? ニュートンビーカー グリフィンビーカー ファラデービーカー ボイルビーカー
イギリスの化学者・実験器具製造家ジョン・ジョセフ・グリフィン(John Joseph Griffin、1802–1877)にちなみ、現在広く使われる背の低いタイプのビーカーはグリフィン型ビーカーと呼ばれる。高さが直径の約1.4倍程度で、攪拌や加熱、ろ過の受け器など多目的に使いやすい万能型。日本の理科室で単にビーカーと言えばまずこの形を指し、世界中でもっとも普及しているビーカーの形状である。
まとめ
いかがでしたか? 今回はビーカークイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はビーカークイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。