文字のかたちには、意味を伝える以前の力がある。ゴシック体と明朝体の違い、活字を生んだ発明者、セリフの有無、行間や文字間を操る技術、そしてスイス・スタイルを築いたデザイナーたち。日常で目にしながら知らない書体とタイポグラフィの世界を、クイズ形式で楽しみながら学んでいこう。
Q1 : 次の欧文書体のうち、セリフ(文字の線の端の飾り)を持つ、明朝体的な印象のセリフ体に分類される代表的な書体はどれか Helvetica Arial Futura Garamond
Garamondは16世紀のフランスの活字彫刻家クロード・ガラモンの書体を起源とする、伝統的で優雅な印象のセリフ体である。文字の線の端にセリフを持ち、書籍の本文組みなどに現在も広く使われている。Helvetica、Arial、Futuraはいずれもセリフを持たないサンセリフ体に分類される書体であり、Garamondとは系統が異なる。
Q2 : 1950年代のスイスで確立され、グリッドシステムに基づいた明快なレイアウトを特徴とする『スイス・スタイル(国際タイポグラフィ様式)』の代表的なデザイナーとして知られる人物は誰か ヨゼフ・ミューラー=ブロックマン ポール・ランド デイヴィッド・カーソン ネヴィル・ブロディ
ヨゼフ・ミューラー=ブロックマンは、1950年代のスイスで確立された『スイス・スタイル(国際タイポグラフィ様式)』を代表するグラフィックデザイナーであり、著書『グリッドシステム』などを通じてグリッドに基づく明快で機能的なレイアウト理論を体系化した。ポール・ランドはアメリカのロゴデザインの巨匠、デイヴィッド・カーソンとネヴィル・ブロディはグリッドを崩す実験的な『グランジタイポグラフィ』で知られるデザイナーであり、スイス・スタイルの文脈とは異なる。
Q3 : 可動式の金属活字を用いる活版印刷術をヨーロッパで発明したとされ、タイポグラフィの歴史における重要人物として知られるのは誰か レオナルド・ダ・ヴィンチ ヨハネス・グーテンベルク ウィリアム・キャクストン ベンジャミン・フランクリン
ヨハネス・グーテンベルクは15世紀ドイツの発明家で、可動式の金属活字と印刷機、油性インクを組み合わせた活版印刷術を実用化し、『グーテンベルク聖書』を印刷したことで知られる。この技術により書物の大量生産が可能になり、タイポグラフィの歴史における出発点とされる。レオナルド・ダ・ヴィンチは画家・発明家、ウィリアム・キャクストンはイギリスに印刷術を初めて導入した人物、ベンジャミン・フランクリンはアメリカの印刷業者・政治家であり、いずれも活版印刷術の発明者ではない。
Q4 : 欧文書体『Times New Roman』は、もともとどの新聞のために制作されたか The New York Times The Wall Street Journal The Guardian The Times(ロンドン)
Times New Romanは1932年、イギリスの新聞『The Times(タイムズ)』のために、スタンリー・モリソンの監修のもとモノタイプ社が制作した書体である。従来の書体より小さな文字でも可読性が高く、印刷コスト削減にも寄与したとされる。The New York TimesやThe Wall Street Journal、The Guardianはいずれもアメリカ・イギリスの著名な新聞だが、Times New Romanの由来とは直接関係がない。
Q5 : 印刷・組版の用語で、文字の組み合わせに応じて文字と文字の間隔を個別に調整することを何と呼ぶか カーニング トラッキング レタースペーシング リーディング
カーニング(kerning)とは、『AV』や『To』のように特定の文字の組み合わせで生じる不自然な隙間を、文字ペアごとに個別調整する技術のことである。見出しなど大きな文字サイズで特に重要とされる。トラッキングやレタースペーシングは文字列全体に均一に間隔を加減する手法であり、個々のペアごとの調整ではない。リーディングは行と行の間隔を指す用語であり、文字間隔とは異なる概念である。
Q6 : 印刷・組版の用語で、行と行の間の垂直方向の間隔のことを何と呼ぶか カーニング 行送り(リーディング) トラッキング ベースライン
行送り(リーディング、leading)とは、行と行の間の垂直方向の間隔を指す用語であり、活版印刷時代に行間へ鉛(lead)の板を挟んで調整していたことに由来する。行間が狭すぎると読みにくく、広すぎると文章のまとまりが失われるため、可読性を左右する重要な要素である。カーニングとトラッキングは文字同士の水平方向の間隔を調整する用語、ベースラインは文字が並ぶ基準となる仮想の水平線を指し、いずれも行間隔そのものではない。
Q7 : タイポグラフィ用語で、小文字の『x』の高さを基準とした、セリフやアセンダー・ディセンダーを除く小文字の基本的な高さを指す言葉はどれか キャップハイト ベースライン x-ハイト アセンダー
x-ハイトとは、小文字の『x』のように上下に突き出た部分(アセンダー・ディセンダー)を持たない小文字の基本的な高さを指す用語である。同じポイントサイズの書体でもx-ハイトの比率は書体ごとに異なり、見た目の大きさや可読性の印象に大きく影響する。キャップハイトは大文字の高さ、ベースラインは文字が乗る基準線、アセンダーは『b』や『h』などで小文字の基準線より上に突き出た部分を指す用語である。
Q8 : 1957年にスイスのハース鋳造所で発表され、世界で最も広く使われているサンセリフ体の一つとされる書体はどれか Times New Roman Garamond Helvetica Comic Sans
Helveticaは1957年、スイスのハース活字鋳造所でマックス・ミーディンガーとエドゥアルト・ホフマンによって発表されたサンセリフ体である。もともとは『Neue Haas Grotesk』という名称だったが、後に『ヘルベチア(スイスのラテン語名)』にちなみHelveticaと改名された。企業ロゴや標識など世界中で幅広く使用されている。Times New Romanは新聞用のセリフ体、Garamondは16世紀起源の伝統的なセリフ体、Comic Sansは手書き風の書体であり、いずれもHelveticaとは系統が異なる。
Q9 : 日本語の書体のうち、線の太さがほぼ均一で、明朝体に見られる『うろこ』と呼ばれる三角形の装飾がないことを特徴とする書体はどれか ゴシック体 明朝体 教科書体 行書体
ゴシック体は縦画・横画の線の太さがほぼ均一で、明朝体特有の『うろこ』と呼ばれる三角形の装飾がないことが特徴の書体である。視認性の高さから見出しや道路標識、スマートフォンのUIなど幅広い場面で使われる。一方、明朝体は縦画が太く横画が細く、横画の右端にうろこが付く。教科書体は手書きの筆致を残した学習用書体、行書体は筆記体の崩し字を基にした書体であり、いずれも線の太さは均一ではない。
Q10 : 欧文書体において、文字の線の端に付けられる小さな飾り(セリフ)を持たない書体のことを何と呼ぶか セリフ体 サンセリフ体 スクリプト体 スラブセリフ体
サンセリフ(sans-serif)とは、フランス語で『~なしで』を意味する『sans』に由来し、文字の線の端に飾り(セリフ)を持たない書体を指す。HelveticaやArialなどが代表例で、日本語のゴシック体に近い印象を持つ。セリフ体はセリフを持つ書体全般、スクリプト体は手書き風の筆記体、スラブセリフ体はセリフが太く角張った独特の書体であり、いずれもセリフを持つ点でサンセリフとは異なる。
まとめ
いかがでしたか? 今回はタイポグラフィクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はタイポグラフィクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。