空を飛ぶ飛行機は、いったいどんな仕組みで重い機体を空高く持ち上げているのでしょうか。実は離陸の一瞬には、風の向きや速度、翼やエンジンの働き、そしてパイロットの繊細な操作まで、たくさんの科学と知恵がぎゅっと詰まっています。普段なにげなく乗っている飛行機も、その裏側を知ると見える景色がガラリと変わるはず。今回は「テイクオフクイズ」と題して、飛行機が大空へ舞い上がるまでにまつわる豆知識を全10問のクイズにしました。あなたはいくつ正解できるか、さっそく挑戦してみてください。
Q1 : 一般的なジェット旅客機が離陸する瞬間の速度は、どれに最も近いか?
一般的なジェット旅客機が離陸する瞬間の速度は、機種や重量によって違いますが、おおよそ時速250〜300km前後です。新幹線の最高速度に近いくらいの猛スピードで滑走路を走り、十分な揚力を得て浮き上がります。時速30kmや100kmでは揚力が足りず飛べません。離陸速度は機体が重いほど速くなるため、燃料や乗客を多く積んだ大型機ほど速い速度まで加速してから離陸します。
Q2 : 空気の流れに逆らって生じ、飛行機の前進を妨げる力を何というか?
空気の中を進む物体が受ける、進行方向と逆向きの抵抗力を『抗力(ドラッグ)』といいます。飛行機では揚力・重力・推力とともに働く4つの力の1つで、推力に逆らって機体の前進を妨げます。抗力が大きいと多くの燃料が必要になるため、旅客機は機体を流線形にしたり、着陸装置を飛行中に格納したりして抗力をできるだけ減らす工夫をしています。浮力は水中などで働く別の力です。
Q3 : 飛行機の離着陸時、車輪などの『降着装置』を一般に何と呼ぶか?
飛行機の離着陸時に機体を支え、地上を移動するための車輪や脚の装置を『ランディングギア(降着装置)』と呼びます。多くのジェット機では、離陸後に空気抵抗(抗力)を減らすため機体内に格納されます。フラップは離着陸時に揚力を増やす主翼の装置、スポイラーは揚力を減らし減速を助ける装置、ラダー(方向舵)は機首の向きを左右に変える尾翼の舵で、車輪部分を指すのはランディングギアです。
Q4 : 離陸を中止するか継続するかを判断する基準となる速度を何というか?
離陸滑走中に定められる重要な速度が『V1(離陸決心速度)』です。V1に達する前にエンジン故障などのトラブルが起きれば離陸を中止して止まれますが、V1を超えてしまうと滑走路内では止まりきれないため、たとえトラブルがあってもそのまま離陸を続行します。つまりV1は『止まるか飛ぶか』を判断する分かれ目の速度で、安全運航のために機体重量や滑走路の長さごとに計算されます。
Q5 : 飛行機が自力でエンジン推力を使って地上をゆっくり移動することを何というか?
飛行機がエンジンの推力を使って、自分の力で地上をゆっくり移動することを『タキシング』といいます。駐機場(スポット)と滑走路の間を誘導路(タキシウェイ)に沿って移動する動作がこれにあたります。歩く程度から時速30km前後とゆっくりで、管制官の指示に従って進みます。ローテーションは離陸時の引き起こし、フレアは着陸直前の操作で、地上走行そのものを指す言葉はタキシングです。
Q6 : 翼の働きで、機体を上向きに持ち上げる力を何というか?
翼によって生み出され、機体を上向きに持ち上げる力を『揚力』といいます。飛行機には主に、揚力・重力(重さ)・推力(前進する力)・抗力(空気抵抗)の4つの力が働いており、揚力が重力を上回ると上昇できます。揚力は翼の上下を流れる空気の速度差や、翼が空気を下向きに押し出す反作用によって生まれ、速度が速いほど、また翼の迎え角が大きいほど大きくなります。
Q7 : 飛行機にかかる4つの力のうち、エンジンが生み出す前進する力は?
飛行機が前進するための力を『推力(スラスト)』といい、ジェットエンジンやプロペラが生み出します。飛行機に働く4つの力のうち、推力は前向き、その反対に空気抵抗である抗力が後ろ向きに働き、推力が抗力を上回ると加速します。揚力は上向き、重力は下向きの力です。離陸時はエンジンを大きく回して強い推力を出し、機体を加速させて必要な揚力を得ています。
Q8 : 飛行機が離陸する際、滑走路はどの風向きを基準に選ばれるか?
飛行機は向かい風に向かって離陸・着陸するのが基本です。向かい風を受けると、機体と空気の相対的な速度(対気速度)が大きくなり、同じ地上速度でもより大きな揚力を得られます。その結果、必要な滑走距離が短くなり、安全に浮き上がれます。逆に追い風では対気速度が下がって離陸距離が伸び、危険が増します。そのため空港では風向きに応じて使用する滑走路の向きを切り替えており、滑走路に方位を表す番号が付けられているのもこのためです。
Q9 : 飛行機の主な揚力を生み出すのはどの部分か?
飛行機の揚力の大部分は主翼(メインウイング)が生み出しています。主翼は断面が前方で厚く後方で薄い『翼型(エアフォイル)』になっており、翼の上面と下面を流れる空気の速度差によって上向きの力=揚力が発生します。尾翼は機体の姿勢を安定させたり方向を制御する役割、エンジンは前進する推力を担う役割で、揚力を主に作るのは主翼です。だから旅客機の主翼は大きく頑丈に作られています。
Q10 : 離陸滑走中、パイロットが機首を引き上げて機体を浮き上がらせる操作を何と呼ぶか?
離陸滑走で十分な速度(Vr=ローテーション速度)に達したとき、パイロットが操縦桿を引いて機首を持ち上げ、機体を地面から浮き上がらせる操作を『ローテーション』と呼びます。機首が上がると主翼の迎え角が増し、揚力が一気に大きくなって離陸します。フレアは着陸直前に機首を引き起こす操作、タキシングは地上走行、ホバリングはヘリコプターなどの空中停止を指す別の用語です。
まとめ
いかがでしたか? 今回はテイクオフクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はテイクオフクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。