肖像画は、歴史に名を残す画家たちが人物の内面や時代の空気をどう捉えてきたかを映し出す芸術の一分野です。世界的な名画から日本の紙幣に描かれた偉人まで、その背景にはさまざまな物語が隠されています。全10問のクイズを通して、肖像画にまつわる知識を楽しく確認してみましょう。
Q1 : 2004年から2024年まで日本の千円紙幣の肖像に採用されていた、黄熱病研究で知られる細菌学者は誰か?
2004年発行の千円紙幣には、黄熱病や梅毒スピロヘータの研究などで知られる細菌学者・野口英世の肖像が採用されていた。野口はアメリカやアフリカのガーナなどで研究活動を続け、最終的に自らも黄熱病に感染し、研究先のガーナで生涯を終えたことで知られる。2024年発行の新紙幣では、破傷風の治療法を確立した北里柴三郎の肖像に交代した。
Q2 : ジャック=ルイ・ダヴィッドが描いた騎乗する軍人の肖像画「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト」のモデルは誰か?
「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト」は新古典主義を代表する画家ジャック=ルイ・ダヴィッドが1801年から複数点制作した作品で、白馬にまたがり岩山の彼方を指し示す軍人ナポレオン・ボナパルトの雄々しい姿を描いている。実際のアルプス越えは穏やかなラバに乗って行われたとされるが、この絵は政治的なプロパガンダとして理想化された英雄像を演出したものとされている。
Q3 : ジョン・シンガー・サージェントの「マダムXの肖像」が発表当時パリ社交界で大スキャンダルとなった主な理由は何か?
「マダムXの肖像」は1884年のパリのサロン展に出品されたアメリカ人画家ジョン・シンガー・サージェントの作品で、モデルは社交界で知られた美女ヴィルジニー・アメリー・アヴェニョー・ゴートロー夫人である。発表当初の作品では黒いドレスの右肩紐が外れて描かれており、その扇情的な表現が当時の保守的な道徳観に反するとして激しい非難を浴び、サージェントは後にこの肩紐を描き直して修正した。
Q4 : 「アルノルフィーニ夫妻像」を描いた15世紀フランドルの画家は誰か?
「アルノルフィーニ夫妻像」は1434年にフランドルの画家ヤン・ファン・エイクが描いた油彩画で、油絵技法を高度に発展させた初期フランドル派を代表する作品とされる。イタリア商人夫妻を描いたとされ、室内に立つ二人の背後の壁にかけられた凸面鏡には、部屋全体の様子と共に画家自身とみられる人物の姿が精緻に描き込まれている。現在はロンドンのナショナル・ギャラリーに所蔵されている。
Q5 : 通称「ホイッスラーの母」として知られる作品の正式な題名は次のうちどれか?
通称「ホイッスラーの母」として広く知られるこの作品の正式な題名は「灰色と黒のアレンジメント第一番:画家の母の肖像」である。1871年にアメリカ出身の画家ジェームズ・マクニール・ホイッスラーが描いたもので、彼が絵画における色彩や構図の美的調和を重視していたことから、モデルとの関係性よりも造形的な要素を強調するこのような題名が付けられたとされる。現在はパリのオルセー美術館に所蔵されている。
Q6 : ベラスケスの「教皇インノケンティウス10世の肖像」に着想を得て「叫ぶ教皇」と呼ばれる連作を制作した20世紀イギリスの画家は誰か?
スペインの宮廷画家ディエゴ・ベラスケスが1650年に描いた「教皇インノケンティウス10世の肖像」は、鋭い人物観察に基づく写実表現で高く評価される名作である。20世紀イギリスの画家フランシス・ベーコンはこの作品に強い衝撃を受け、教皇の姿を歪め絶叫させたように描き変える「叫ぶ教皇」と呼ばれる連作を制作し、20世紀絵画を代表する衝撃的な作品群として知られるようになった。
Q7 : 2024年7月に発行が始まった新しい日本の一万円紙幣に肖像が採用されている人物は誰か?
2024年7月に発行が開始された新しい一万円紙幣には、「日本資本主義の父」と呼ばれる実業家・渋沢栄一の肖像が採用された。渋沢は明治から昭和初期にかけて第一国立銀行や東京証券取引所、東京海上保険など、生涯で約500もの企業の設立・経営に関わったとされる人物である。それまで長く一万円札の顔を務めていた福沢諭吉に代わり、新たな紙幣の顔として選ばれた。
Q8 : 1888年、フランスのアルルでゴッホと共同生活を送っており、耳切り事件の一因ともされる口論の相手だった画家は誰か?
1888年、フランス南部の町アルルで共同生活を送っていたフィンセント・ファン・ゴッホと画家ポール・ゴーギャンは、芸術観の違いなどから激しい口論を重ね、その末にゴッホは自らの左耳の一部を切り落とす事件を起こしたとされる。事件後、療養中のゴッホが自身の姿を描いたのが「包帯をした自画像」である。この事件をきっかけに、二人の共同生活は破綻し、ゴーギャンはアルルを去ることとなった。
Q9 : フェルメールの肖像画「真珠の耳飾りの少女」が現在所蔵されている美術館はどこか?
「真珠の耳飾りの少女」はオランダの画家ヨハネス・フェルメールが17世紀に描いた作品で、現在はオランダ・ハーグにあるマウリッツハイス美術館に所蔵されている。鮮やかな青いターバンを巻き、大きな真珠の耳飾りを着けた少女がこちらを振り向く瞬間を捉えた構図が特徴で、その神秘的な表情から「北方のモナ・リザ」とも称される。トレイシー・シュヴァリエによる同名の小説やそれを原作とした映画の題材にもなり、世界的に広く知られる作品となっている。
Q10 : モナ・リザを描いたイタリア・ルネサンス期の画家は誰か?
「モナ・リザ」はイタリア・ルネサンス期を代表する芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチが16世紀初頭に描いた油彩画で、現在はフランス・パリのルーヴル美術館に所蔵されている。モデルには諸説あるが、フィレンツェの商人フランチェスコ・デル・ジョコンドの妻リザ・ゲラルディーニとする説が有力とされる。輪郭をぼかして立体感を出す「スフマート」という技法が用いられ、見る角度によって表情が変化して見えることでも知られ、世界で最も有名な肖像画の一つに数えられている。
まとめ
いかがでしたか? 今回はポートレートクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はポートレートクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。