チェスの世界には、対局を一瞬で決着させる「チェックメイト」にまつわる奥深いルールや、先人たちが名付けた美しい必至の型が数多く存在する。本記事では、そんなチェックメイトを取り巻く基本ルールから、有名な詰みパターンの名称、王手の回避方法、終盤における駒同士の協力技まで、チェスファンでも意外と知らないかもしれない知識を問う、全10問のクイズを出題する。ぜひ腕試しに挑戦してみてほしい。
Q1 : 2つの駒が同時に相手の王に王手をかける「ダブルチェック」が発生した場合、王手を受けた側が取れる唯一の対応は何か。
ダブルチェック(両王手)が発生した場合、王手を受けた側に残された唯一の合法な対応は自分の王を安全なマスへ動かすことだけである。通常の単独の王手であれば、王手をかけている駒を取る、あるいは駒を間に割り込ませて王手を遮る(合駒)という方法も選べるが、2つの異なる駒から同時に王手を受けているダブルチェックでは、一方の駒を取ったり遮ったりしてももう一方の王手が残ってしまうため、それらの対応では王手を解消しきれない。このためダブルチェックは受け方にとって非常に厳しい状況として、戦術・詰みの手筋でも重要視される。
Q2 : 自陣のポーンが動かずに並んだまま最後方のランクに取り残された王が、逃げ場を失って相手のルークやクイーンに詰まされるチェックメイトを何と呼ぶか。
「バックランクメイト」とは、キャスリングなどによって最後方のランクに位置した王が、その手前に並んだ自軍のポーンによって上方向への逃げ場を塞がれてしまい、相手のルークやクイーンに最後方のランク上で王手をかけられて詰まされるチェックメイトのことである。序盤・中盤でポーンを動かして王の逃げ道(いわゆる「luft」)を作っておかないと、終盤で駒得をしていても突然この形で詰まされてしまう危険があるため、実戦で頻出する典型的な負けパターンとしてチェスの戦術書で必ず解説される概念である。
Q3 : 自分の王に王手がかけられた際に、それを解消するための合法な対応方法は基本的に何通りに分類されるか。
チェスで王手を受けた場合、それを解消する方法は基本的に「王を安全なマスへ動かす」「王手をかけている駒と王の間に自分の駒を割り込ませて王手を遮る(合駒)」「王手をかけている駒そのものを取る」の3通りに分類される。ただし2つの駒から同時に王手がかかる「ダブルチェック」の場合は、遮ることも取ることも両方の王手を同時に解消できないため、必ず王を動かす以外に方法がなくなる。この3通りの分類は王手回避の基本原則としてルールブックにも明記されている。
Q4 : キング1枚とビショップ1枚のみを持つ側が、相手のキング単独に対してチェックメイトを強制することは可能か。
キング1枚とビショップ1枚のみを残した側は、相手がキング単独であっても、盤上のどこにいてもチェックメイトを強制することができない。これはビショップが盤上の色(白マスか黒マスか)のどちらか一方にしか利きを作れず、相手の王を盤の隅に追い詰めても最後に必要な逃げ場を同時に塞ぎきれないためである。この駒不足による強制勝ちの不可能な組み合わせは国際チェス連盟(FIDE)の規定でも引き分け(駒不足による自動ドロー)の一種として明文化されており、キング対キング、キング+ナイト1枚対キングなども同様に扱われる。
Q5 : キング1枚とルーク1枚を持つ側が、相手のキング単独に対してチェックメイトを強制することは可能か。
キング1枚とルーク1枚を持つ側は、相手がキング単独であれば、正しい手順を踏むことで必ずチェックメイトを強制することができる。基本手筋は、まずルークで相手の王が動けるマスを一列または一段に制限し、自分のキングを近づけて相手の王をじりじりと盤の端まで追い詰め、最後に自分の王で王の逃げ場を消しつつルークで王手をかけて詰ませるというものである。「キング&ルーク対キング」は初心者が最初に習得すべき基本の必至(ひっし)手順としてチェス教材で必ず扱われる代表的な終盤技術である。
Q6 : ルークとナイトが協力し、相手の王を盤の隅(コーナー)に追い詰めて詰ませる、名前の付いた古典的なチェックメイトの型を何と呼ぶか。
「アラビアンメイト」とは、ルークとナイトの2枚だけが連携して成立させる、盤の隅に追い詰められた王を詰ませる古典的なチェックメイトの型である。ナイトが王の斜め前の逃げ場を塞ぐ位置に陣取り、ルークが盤の端の列(またはランク)に沿って王手をかけることで、王はどこにも動けず、他の駒による合駒や王手をかけている駒を取ることもできずに詰みとなる。古い時代のアラビア起源の詰みパターンとしてチェスの歴史的な文献に記録されていることが名称の由来とされ、終盤の基礎知識として広く紹介されている。
Q7 : 白の4手目でクイーンがf7(黒陣)のポーンを取って成立させる、初心者同士の対局でよく見られる有名な短手数のチェックメイトを何と呼ぶか。
「スカラーズメイト」は、1.e4 e5 2.Bc4 Bc5 3.Qh5 Nf6?? 4.Qxf7#のような手順で成立する、初心者同士の対局でしばしば見られる短手数のチェックメイトである。白のビショップとクイーンが黒陣の弱点であるf7マス(黒から見て最も守りが薄いポーンの一つ)を集中的に狙う点が特徴。黒側がナイトでクイーンの利きを遮ろうとした結果、逆にクイーンの利きを増やしてしまい詰みに至るケースが典型例として知られ、チェスの入門書で「注意すべき罠」として頻繁に紹介される。
Q8 : 手番のプレイヤーの王が王手をかけられていない状態で、かつ合法な指し手が一つも存在しない場合に成立するルールを何と呼ぶか。
チェスにおいて「ステイルメイト」とは、手番側の王が王手をかけられていないにもかかわらず、その手番のプレイヤーが指せる合法手を一つも持たない状態を指す。王手がかかった状態で逃げ場がなく指し手も尽きる「チェックメイト」とは明確に区別され、ステイルメイトが成立した場合、対局は勝敗がつかず引き分けとなる。優勢な側が駒得を活かして詰ませようとする終盤で、うっかり相手の王の動ける升目をすべて塞いでしまい、王手をかけないまま引き分けに逃げられてしまう事故は実戦でもしばしば起こる。
Q9 : 相手の王が自分自身の駒によって周囲を塞がれ身動きが取れなくなっている状態を、ナイトによって詰ませる、日本語で「窒息詰め」とも呼ばれるチェックメイトを何と呼ぶか。
「スモザードメイト」(Smothered Mate、窒息詰め)とは、相手の王が自軍の駒によって周囲のマスをすべて塞がれ、身動きが取れない状態のところをナイトによって王手をかけられ、合駒もできずに詰まされるチェックメイトのことである。ナイトは他の駒を飛び越えて利きを作れるという特性上、王の周りが自軍の駒で完全に埋まっていても関係なく王手をかけられる点がこの詰み方の成立条件となる。クイーンなどの捨て駒でナイトの王手の効果を高める組み合わせが定跡として知られ、詰将棋的な美しさを持つ手筋として愛好されている。
Q10 : フールズメイト(Fool's Mate)と呼ばれる、チェスにおいて理論上最短で成立するチェックメイトは、白と黒それぞれ何手ずつ、合計何手で完成するか。
「フールズメイト」と呼ばれる、チェスにおいて理論上最短で成立するチェックメイトは合計4手(白が2手、黒が2手)で完成する。代表例は1.f3 e5 2.g4 Qh4#で、白がポーンを2手動かして王の前を無防備にした隙に、黒のクイーンが斜めに走り込んで王手をかけ、逃げ場も合駒もない状態に追い込む。実戦ではまず起こらない極端な失着の応酬だが、ルール上成立しうる最短記録としてチェス入門者によく紹介される代表的な詰みパターンである。
まとめ
いかがでしたか? 今回はチェックメイトクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はチェックメイトクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。