将棋には長い歴史の中で磨かれてきたルールや作法、駒の動き方があり、初心者からベテランまで知っているようで知らない知識が数多く存在する。本記事では盤や駒の基本から反則のルール、タイトル戦の歴史や近年の話題まで、将棋にまつわる雑学を10問のクイズ形式で出題する。全問正解を目指して、あなたの将棋知識を試してみてほしい。
Q1 : 2023年に藤井聡太が史上初めて達成した「八冠」とは、どのような状態を指すか。
2023年10月、藤井聡太が王座を獲得したことで、竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖・王座という、当時将棋界に存在した8つの全タイトルを1人の棋士が同時に保持する「八冠独占」を史上初めて達成した。それまでタイトルは複数の実力者で分け合われることが一般的であり、1人がすべてを制した例はなかったため、将棋界のみならず一般社会でも大きく報じられ、将棋人気を大きく押し上げる歴史的な出来事として今も長く語り継がれている。
Q2 : 将棋で、王手をかけられた玉がどのように応じても次の手で必ず取られてしまう状態を何というか。
「詰み」とは、王手をかけられている側の玉が、どのように動いても、あるいはどの駒で受けても、次の相手の手番で必ず玉を取られてしまう状態のことである。詰みが生じた時点でその対局は終了となり、詰ませた側の勝利が確定する。なお、同一局面が4回現れて指し直しとなる「千日手」や、双方の玉が敵陣に入り点数計算で勝敗を決める「持将棋」は、詰みとは別の終局のルールとして明確に区別されているので混同しないよう注意が必要である。
Q3 : 将棋の駒のうち、成る前の状態で盤上をどこまでも斜め方向に動ける駒はどれか。
角行は成る前の状態では前後左右には一切進めず、盤上を斜め方向にだけ、遮る駒がない限りどこまでも進むことができる駒である。同様に縦横にどこまでも進めるのが飛車で、角行と飛車を合わせて「大駒」と呼び、序盤から終盤まで攻めの主力として扱われる重要な存在である。なお桂馬は前方への特殊な跳躍の動きしかできず、銀将も斜め4方向と前1方向にしか動けないため、角行のような長距離の動きはできない点で駒の性質が大きく異なっている。
Q4 : 将棋の対局中に、自分の劣勢を認めて自ら負けを表明し対局を終了させることを何というか。
「投了」とは、対局中に自分が劣勢であり、これ以上指し続けても勝利の見込みがないと判断した対局者が、自ら負けを認めて対局の終了を宣言することである。プロの対局では「負けました」と発声し一礼する作法が慣習として長く定着しており、これは将棋の礼儀作法として特に重視されている。将棋には手番を飛ばす「パス」というルールは存在せず、対局者は必ずいずれかの手を指すか、投了によって自ら対局を終わらせるしかない仕組みになっている。
Q5 : 将棋の駒のうち、成ることができず、対局中に動きが変化しない駒はどれか。
金将(および玉将・王将)は、将棋の駒の中で唯一「成る」ことができない駒であり、対局中にどれだけ敵陣へ進んでも動き方が一切変化しない。一方で、歩兵は「と金」に、桂馬は「成桂」に、角行は「竜馬」にそれぞれ成ることで動ける範囲が大きく広がる。金将の動きは、歩兵や桂馬・香車・銀将が成った際の到達点としても採用されている基準的な形であり、将棋を学ぶ初心者がまず最初に覚えるべき最も重要な駒の一つとされている。
Q6 : 江戸時代に幕府から将棋の家元として公認されていた三家はどれか。
江戸幕府によって将棋の家元として公認されていたのは、大橋宗家・大橋分家・伊藤家の三家であり、合わせて「将棋三家」と呼ばれている。将棋所(名人)の地位はこの三家を中心に世襲的に受け継がれ、江戸時代を通じて将棋の普及と発展を長きにわたって支え続けた。なお本因坊家・井上家・安井家は、同じ江戸時代に幕府から公認されていた囲碁の家元であり、将棋の家元とは全く別の系統に属する家柄なので、混同しないよう注意しておきたい。
Q7 : 将棋盤のマス目の数は何マスか。
将棋盤は縦横9マスずつ、合計で9×9=81マスで構成されている。チェスの盤は8×8で64マス、囲碁の碁盤は19×19の交点(361箇所)に石を置く点で、将棋の81マスとは仕組みが異なる。将棋では交点ではなくマスの中央に駒を置き、対局開始時には手前の3段に玉・金・銀・桂・香・歩などの駒を並べて対局を始める。盤の大きさやマスの数は江戸時代の将棋書にもほぼ同じ形で記録されており、長い歴史の中で少しずつルールとともに定着してきたものである。
Q8 : 将棋で歩兵が成ると何という駒になるか。
歩兵は敵陣である相手から見て3段目以内に進むと成ることができ、成ると「と金」と呼ばれる駒になる。と金になると金将と全く同じ範囲を動けるようになり、成る前は前にしか進めなかった歩兵が、斜めや横にも進めるようになるため守備力・攻撃力ともに大きく向上する。「と金の遅早」という格言があるほど、終盤で相手陣に作られたと金は勝敗を左右する強力な存在として知られており、序盤からと金を作る戦法も数多く研究されている。
Q9 : 同じ筋に自分の歩兵を2枚以上置いてはいけないという将棋の反則を何というか。
「二歩」とは、まだ成っていない自分の歩兵を、既に歩兵が置かれている筋(縦の列)にもう一枚打ってしまう反則のことを指す。将棋では同じ筋に自分の歩兵を2枚以上置くことは禁止されており、これを見落として打ってしまうと、対局中のどの段階であっても即座に反則負けとなる。なお、歩兵が成って「と金」になった場合は歩兵とはみなされないため、同じ筋にと金と歩兵が並んでいても二歩には該当せず、この違いは初心者が特に混乱しやすい点である。
Q10 : 現在行われている将棋の主要タイトル戦のうち、最も歴史が古いものはどれか。
現在行われている主要タイトル戦のうち、名人戦は最も歴史が古い。名人という称号自体は江戸時代の世襲制に由来し、実力によって決定される名人戦としては1937年(昭和12年)に第1期が開始された。これに対して王位戦は1960年、棋聖戦は1962年、竜王戦は前身の九段戦から数えても1950年の開始であり、いずれも実力制名人戦より後発である。そのため名人位は現在も将棋界において特別に格式が高いタイトルとして扱われている。
Q11 : 将棋において、初めて公式にタイトルとして認められた棋戦は?
『名人戦』は、江戸時代から続く将棋界の最も尊ばれるタイトル戦であり、公式に名人の称号が与えられることから、その権威は非常に高いものです。名人戦は伝統的に高い実力を持つ指し手が集まる重要な場であり、将棋ファンによっても非常に注目されています。この棋戦での優勝は歴史的な名声を得る意味があります。
Q12 : 一般的に、どの駒を敵陣に入ると金将と同等の動きに変わるか?
銀将は敵陣に入ると『成銀』となり、金将と同等の動きに変わります。金将は斜め後ろを除く8方向に1マスずつ動けるため、成銀も同様に、その動きの自由性が増します。この変化は攻防の両面で有効に使うことができ、対戦相手への圧力を増し、局面の流れを有利にすることが可能です。
Q13 : 将棋の駒の一つ、飛車と同等の動きができるより小型の駒は?
『龍王』は飛車が成った状態の駒であり、飛車と同じ縦横の動きに加え、王将のように1マスだけ斜めにも動けるので、非常に強力です。飛車の進化形として使い道が増え、相手へのプレッシャーが増すため、戦局を優位に運ぶ際の主要な駒の一つです。戦局が進む中で龍王を上手に使うことが勝利の鍵となります。
Q14 : 将棋で、駒を盤に再投入することを何というか?
『駒打ち』とは、持ち駒を盤上に再び置く動作を指します。将棋の特長であるこのルールによって、プレイヤーは取った相手の駒を戦略的に使い直すことができるため、プレイの幅が広がります。駒打ちは適切な場所やタイミングで行うことで相手にプレッシャーをかけられ、勝利への道を切り開く大事な動作です。
Q15 : 将棋の戦法で、相手の陣地の角を狙う形を何というか?
『角頭攻め』とは、相手の角行の頭を狙って攻撃を仕掛ける戦略です。将棋において角行は斜めに動ける強力な駒であるため、その頭(正面)を狙われることは防がなければならない事態です。角頭攻めは相手の防御網にプレッシャーをかけ、ゲームの主導権を握る効果があります。
Q16 : 将棋において、相手の利きを避けるために自駒を動かすことを何というか?
『利きからずし』とは、駒が相手の駒の利き線に入らないように動くことです。これにより、自駒が取られないようにし、敵の攻撃を回避する重要なテクニックです。この戦略を用いることで、駒を安易に取られることを防ぎながら反撃の機会をうかがうことができます。将棋の戦いにおいて、常に意識しておく必要があります。
Q17 : 将棋の駒のうち、唯一動かす方向が決められていない駒はどれか?
将棋の王将(キング)はすべての方向に1マスだけ移動できるため、最も自由な動き方を持つ駒といえます。他の駒は動かせる方向が決まっているため、王将の動きは特別です。王将は敵に詰まされるとゲーム終了となるため、狙われやすい駒でもあります。守るために様々な駒の配置を工夫します。
Q18 : 将棋において、敵陣に入ると成ることができる駒はどれか?
将棋の駒のうち歩、香車、桂馬、銀、飛車や角は敵陣に入ると成ることで、強化された駒に変わります。この変化を『成る』と表現します。成ることで、駒の動きが強化され、相手の攻略がしやすくなるため戦略の一環として重要な要素です。成駒は元の動きに加えて、金将のような動きになることが多いです。
Q19 : 将棋のルールで、同じ局面が何度も繰り返されることを何というか?
将棋における千日手とは、同じ局面が4回繰り返されることです。これは対局を引き分けとするか、再試合を行う原因となります。特定の形の繰り返しがゲームを膠着させるため、このルールが効力を発揮します。なお、千日手にならないようにするためには、局面を有利に進め、新しい形を探し続けることが重要です。
Q20 : 将棋において、王を詰ますことをなんと呼ぶか?
将棋のゲームにおいて、相手の王(キング)を逃れられない状態に追い込むことを『詰み』と呼びます。詰みの状態になると、そのゲームは終了し、詰ませた側の勝利となります。相手の王を動かしても他の駒を動かしてもどうしても逃げ場がない状況を表します。これが将棋の主要な目的です。