テナーサックスは数あるサックス族の中でも独特の温かみと力強さを兼ね備えた楽器として、ジャズを中心に多くの名演奏を生み出してきた。誕生の経緯や構造の特徴、音域や調性、伝説的な名手たちのエピソードまで、知っているようで意外と知らない奥深い世界が広がっている。この記事では、そんなテナーサックスにまつわる雑学を全10問のクイズ形式で紹介する。
Q1 : サックスのマウスピースにリードを固定するための金属製の留め具を何と呼ぶか。 ネック オクターブキー コルク リガチャー
マウスピースにセットしたリードを固定するための金属製またはそれに類する素材の留め具は「リガチャー」と呼ばれる。リガチャーの締め方や素材によってリードの振動の仕方が変わり、音色や吹き心地に影響を与えるため、奏者ごとに好みの製品を選ぶことが多い。ネックは本体とマウスピースをつなぐ管部分、オクターブキーは高音域を出すための操作キーであり、いずれもリードの固定とは関係がない部品である。
Q2 : アルトサックスとテナーサックスの運指(指の押さえ方)の関係として正しいものはどれか。 基本的に同じ運指で演奏でき、持ち替えが比較的容易である 運指の体系が全く異なり、別の楽器として学び直す必要がある テナーサックスには運指という概念自体が存在しない アルトサックスの運指はテナーサックスの半分しかない
サックス属の楽器はソプラノからバリトンまでキーの配置と運指の体系がほぼ統一されているため、アルトサックスとテナーサックスでも基本的に同じ運指で演奏することができる。実際の音の高さ(実音)は楽器ごとの調の違いによって異なるが、楽譜上の指の動かし方自体は共通しているため、片方の楽器を習得した奏者が比較的容易にもう一方へ持ち替えられる点が、サックス属ならではの大きな特徴となっている。
Q3 : クラシックのオーケストラ編成では使用されることが少ない一方、テナーサックスが特に多用される音楽ジャンルはどれか。 雅楽 ジャズ 能楽 グレゴリオ聖歌
テナーサックスは19世紀に考案された比較的新しい楽器であり、クラシック音楽の伝統的なオーケストラ編成には基本的に含まれていない。一方で、即興性や表現力の豊かさが評価され、20世紀以降に発展したジャズの分野では中心的な楽器として非常に多用されるようになった。雅楽や能楽、グレゴリオ聖歌はいずれも歴史的にテナーサックスとは無関係な、全く異なる音楽文化の中で発展してきた伝統音楽である。
Q4 : サックス属の仲間のうち、テナーサックスよりも大きく低い音域を担当する楽器はどれか。 ソプラノサックス バリトンサックス アルトサックス クラリネット
サックス属は音域の高い方から低い方へ、ソプラノ、アルト、テナー、バリトン、バスという順に並んでおり、バリトンサックスはテナーサックスよりも管体が大きく、より低い音域を担当する楽器である。テナーサックス自体はアルトサックスより大きくバリトンサックスより小さい、ちょうど中間的なサイズと音域を持つ楽器として位置づけられている。クラリネットはサックス属ではなく別の木管楽器である。
Q5 : 「至上の愛」などの名盤で知られ、テナーサックスを主な楽器として活躍した伝説的ジャズミュージシャンは誰か。 ジョン・コルトレーン マイルス・デイビス チャーリー・パーカー ルイ・アームストロング
ジョン・コルトレーンはテナーサックス(一部ソプラノサックスも使用)を主軸に活動した20世紀を代表するジャズミュージシャンで、「至上の愛(A Love Supreme)」などの名盤を残したことで知られる。チャーリー・パーカーは主にアルトサックス奏者として知られ、マイルス・デイビスとルイ・アームストロングはいずれもトランペット奏者であり、テナーサックスを主楽器とした人物ではない。
Q6 : 力強く重厚な音色でテナーサックスの可能性を切り開き、「テナーサックスの父」と呼ばれることもあるジャズミュージシャンは誰か。 ジョン・コルトレーン スタン・ゲッツ コールマン・ホーキンス ソニー・ロリンズ
コールマン・ホーキンスは1920年代から活躍した初期ジャズを代表するテナーサックス奏者で、それまで伴奏的な扱いが多かったテナーサックスをソロ楽器として確立させた功績から「テナーサックスの父」と呼ばれることがある。ジョン・コルトレーンやソニー・ロリンズは後の世代を代表する名手、スタン・ゲッツは柔らかい音色のクールなスタイルで知られる奏者であり、いずれもホーキンスより後の時代に活躍した。
Q7 : テナーサックスは木管楽器に分類されるが、管体に最も多く使われている素材は何か。 木材 真鍮(黄銅) プラスチック 竹
テナーサックスは発音の仕組みにリードを用いることから木管楽器に分類されているが、実際の楽器本体に使われている素材は真鍮(黄銅)をはじめとする金属が一般的である。木管楽器か金管楽器かという分類は、材質そのものではなく発音方式の違い、つまりリードを振動させて音を出すか唇の振動だけで音を出すかという点に基づいているため、金属製であっても木管楽器として扱われる。クラリネットなど一部の木管楽器が実際に木製であるのとは対照的な特徴である。
Q8 : テナーサックスは何調の移調楽器として設計されているか。 E♭(変ホ調) F(ヘ調) B♭(変ロ調) C(ハ調)
テナーサックスはB♭(変ロ調)の移調楽器であり、楽譜上で「ド」の音を吹いても実際に鳴る音は長9度低いB♭になる。同じB♭系の移調楽器にはクラリネットやトランペットがあり、一方でアルトサックスやバリトンサックスはE♭(変ホ調)の移調楽器として設計されている。この違いにより、サックス属の楽器同士でも実音と記譜音の関係が異なる点に注意が必要である。
Q9 : テナーサックスの発音に使われるリードの枚数として正しいものはどれか。 ダブルリード(2枚) リードを使わない トリプルリード(3枚) シングルリード(1枚)
テナーサックスはクラリネットと同様に、1枚のリードをマウスピースに固定して振動させることで音を出すシングルリード楽器である。これに対し、オーボエやバスーン、イングリッシュホルンなどは2枚のリードを合わせて振動させるダブルリード楽器であり、発音の仕組みが根本的に異なる。サックス属の楽器はソプラノからバスまですべてシングルリードで統一されている点も特徴である。
Q10 : アドルフ・サックスの出身国はどこか。 ベルギー フランス ドイツ イタリア
サクソフォーンは1814年にベルギーで生まれた楽器製作者アドルフ・サックスによって考案された。彼は父がすでに楽器製作に携わる家庭に育ち、金属管に木管楽器のリード発音機構を組み合わせるという独創的な発想で新しい楽器を生み出した。その後パリに渡って活動を本格化させ、1846年に特許を取得して「サクソフォーン」の名で発表した。この楽器名は考案者である彼自身の名前に由来している。
まとめ
いかがでしたか? 今回はテナーサックスクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はテナーサックスクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。