俳句の季語でもある「薫風(くんぷう)」は5月によく使われる言葉だが、どのような風を指す?
薫風は文字通り「薫る風」の意で、新緑や若葉の香りを運ぶ穏やかな南寄りの初夏の風を指す。立夏(5月5日ごろ)から梅雨入り前までの爽やかで湿度の低い晴天時に感じられ、日本では五月晴れと並び季節を象徴する語として親しまれる。俳句や短歌では夏の季語に分類され、「薫風や校舎に届く鐘の音」などと詠まれ生命力あふれる景を表現する。古来より日本人は風に季節の特徴を重ね多彩な名前を付けており、薫風はその中でも特に5月らしい清新さを伝える言葉である。