金継ぎが茶の湯の美と結びつき武将たちの間で流行したのはどの時代か?
桃山時代は織田信長・豊臣秀吉らが活躍した16世紀末の短い時代だが、茶の湯文化が大成したことで金継ぎも大いに発展した。千利休が提唱したわび茶の思想は、傷や欠けを美として受け入れ、金で補うことで景色にするという価値観を後押しした。武将たちは高価な唐物茶碗を愛用しつつも、破損しても捨てずに金継ぎで蘇らせ、むしろ希少な「景色もの」として珍重した記録が多数残る。この流行が金継ぎを工芸技法として確立させ、後の江戸時代に庶民へ広がる礎となった。