漆の硬化を促すため、温度湿度を管理して作品を養生させる箱を何と呼ぶ?
漆は25〜30℃、相対湿度70〜80%程度の環境で最も安定して硬化するため、伝統的にはその条件を保った密閉箱「漆風呂」に作品を入れて養生させる。内部に濡れた布や湯呑を置いて湿度を維持し、電熱器や炭火で温度を微調整する方法が使われてきた。現代では恒温恒湿機や小型加湿器を入れた自作ボックスも普及している。急激な乾燥は表面だけが硬化して内側が生乾きになり、後に割れや変色の原因になるため厳禁である。漆風呂でじっくり寝かせることが、金継ぎの耐久性と美観を守る鍵となる。