村上春樹『ノルウェイの森』で、主人公ワタナベが東京の私立大学で学んでいた専攻は?
1960年代末の学生運動の余韻が残るキャンパスで、ワタナベは文学部ではなく演劇学科に所属する。講義に熱心とはいえないが、舞台装置の実習や演劇理論の授業に顔を出す場面が随所に登場し、登場人物間の会話にも“演じる”というモチーフが繰り返される。専攻を理解すると、彼が常に観察者として周囲を眺める態度や、自己と他者の距離感を測りかねる姿勢が演劇的視点と結びついて解釈できる。経済や社会学など類似しやすい学科との区別が中級難度となる。