監護権を持たないが親権を持つ父が別居中の子の転校届を学校に提出した。この行為の有効性はどれか。
転校や就学義務に関わる届出は子の就学先や教育方針を決定する重要な法律行為であり、民法821条の「子を代理する権限」に当たる。そのため財産管理権ではなく親権者の法定代理権が根拠となる。監護権は日常生活上の事務処理を担うのみで、学校選択まで単独で決定する権限はないとする実務が一般的である。よって監護権を持たない父でも親権者であれば転校届は有効に成立する。ただし子の利益に反する場合には家庭裁判所が監護権者変更や親権行使の制限を命じ得る点は注意が必要である。