炭粉や角粉で段階的に研磨し、最後に“蝋色漆”を摺り込んで鏡面光沢を得る、蒔絵の最終仕上げ工程はどれか?
蝋色仕上げは、蒔絵や上塗りの乾燥後に行う漆芸の最終研磨工程で、木炭粉と水で下研ぎをしながら微細な傷を消し、仕上げに蝋色漆を摺り込んで硬い光沢膜を作る。これにより金粉や螺鈿の輝きが一段と引き立ち、器面は鏡のように滑らかになる。摺漆は塗膜形成、上絵は加飾、上塗りは保護と役割が異なり、蝋色はそれらを総括して品質を決定づける工程である。粒度を段階的に細かくしながら磨くため、時間と集中力が要求され、完成品の美観と耐久性を左右する要となる。