漆で下絵を描いた後、金粉や銀粉を均一に蒔いて乾燥させ、表面を研いで木地と同じ高さに仕上げる蒔絵の最も基本的な技法はどれか?
平蒔絵は、漆を薄く置いて金粉・銀粉を均一に付着させた後、軽く押さえ固め、さらに透明漆を薄くかけて保護し、全体を研いで平滑に仕上げる方法で、加飾面が木地と同じ高さになるのが特徴である。粉の粒度や撒き方、押さえの強弱で模様の光沢や色味が微妙に変化するため、職人の経験が作品の質を大きく左右する。日本の蒔絵装飾はすべてこの技法を基礎に発展しており、後述する高蒔絵や研出蒔絵も平蒔絵のプロセスを応用した派生形である。