犬の嗅覚受容体(嗅覚細胞)の総数は、人間のおよそ何倍と推定されている?
犬の嗅上皮は約150〜170cm²といわれ、人間の約3〜5cm²と比較すると面積で30〜50倍に達します。嗅覚受容体の総数は2〜3億個前後で、人間の約500万個に対し40倍前後とされるのが一般的な見積もりです。さらに嗅球(脳内で臭いを処理する部位)の体積割合も人より遥かに大きく、遺伝的に多様な嗅覚受容体遺伝子を持つため嗅ぎ分け能力が極めて高いのが特徴です。麻薬探知犬やがん探知犬などで活躍できるのはこの生物学的優位性に基づいています。100倍や1000倍という数値はしばしば感覚的に語られますが、科学文献では40倍前後が妥当とされています。