東北の方言で『こわい』と言われたとき、話し手が表している状態は?
東北の一部では「こわい」は恐怖を示さず、身体がきつい、疲労がたまったという意味で使われます。農作業や雪かきのあとに「おら、こわいごど」と言うと「いやあ、くたびれたよ」のニュアンスで、決して怖がっているわけではありません。語源は体が強張る「こわばる」に関連すると言われ、筋肉痛や肩こりで体が硬い感覚を表すのが本来の姿です。この方言は宮城・岩手・山形など広域に分布するため、旅行者は誤解しやすく、ホラー話かと勘違いして「何が怖いの?」と返してしまうこともしばしば。地元では状況に応じて「こわくなった」や「こわければ休め」など活用し、疲労や痛みに寄り添う表現として息づいています。