狂言『棒縛』で、酒を盗み飲みしないよう主人が太郎冠者と次郎冠者に施す縛り方に用いられる道具はどれでしょうか。
『棒縛(ぼうしばり)』は主人が留守中の盗み酒を戒めようと太郎冠者らに棒を持たせ、両手を棒に縛り付けて動きを封じることで笑いを生む作品。縛られても踊りながら酒を飲む二人の所作が見どころ。鎖や帯では縛りの形が絵面的に弱く、手甲は腕当てで道具そのものが違う。棒は視覚的にも分かりやすく、縛られたまま踊る不自由さが滑稽を際立たせる。演者は片手が使えないため、バランスと呼吸が重要。ゆえに正解は棒である。