人偏と『言』で構成される『信』は本来どの造字法で作られたか。
『信』は左側の人偏が『人』、右側の『言』が『ことば』を意味し、『人の言葉はまことだ=まかせる・信用する』という概念を表す会意文字である。甲骨文や金文の字形を見ると、人物を正面から描いた図の横に口を強調した形が配されており、音符としての機能はほぼ確認されない。のちに発音が似る『伸』『紳』などが『申』を音符とする形声文字として増えたが、信の字は意味合成が先で音は後付けだったと考えられる。結果として『信頼』『通信』など現代語にも連なる中心概念が生まれた。