石を波打ち際や湖畔に見立てて展示するとき、浅く水を張った金属や陶製の皿を用いる。この皿のことを何と呼ぶか?
水盤は水を張ることを前提に設計された浅皿で、石を島や岬に見立てたり鏡面効果で空を映したりと、水石の景観を拡張する役割を担う。鉄、銅、青磁、備前など素材や釉薬も多彩で、縁が低く水平線を邪魔しない形状が理想とされる。木托は乾式展示用の台座、漆皿は茶道の菓子器、風炉は茶釜を掛ける炉であり、水石鑑賞の水場演出には適さない。水盤に張る水の深さは石の根元がわずかに浸かる程度がよく、石の輪郭が水面に映り込むことで景色の奥行きが強調される。