北海道の民謡踊り「ソーラン節」で、振り付けの中核をなす動作は何を模したもの?
「ソーラン節」は北海道日本海側のニシン漁で歌われた船漁歌が原型で、踊りでは漁師が海に仕掛けた網を力強く引き上げる「ニシンの網引き」の動作を大胆に取り入れている。踊り子は足を大きく開き、腰を落として両腕を前後に振り、実際に重い網を手繰り寄せる所作を表現することで豪快さを演出する。1992年に札幌で始まった「YOSAKOIソーラン祭り」でもこの網引きの振りは大切にされ、各チームがアレンジを加えながらも基本の力感を残している。農作業の稲刈りや茶摘みの所作を用いる民謡踊りも存在するが、ソーラン節の主題はあくまで海の男たちの労働であり、北の海とニシン漁の歴史を今に伝える要素として欠かせない。