隊士の一人永倉新八が晩年にまとめ、当時の新選組の実像を伝える貴重な史料となった著作はどれか。
永倉新八は明治後、北海道や東京で剣術を教えながら新聞や雑誌の取材に応じ、新選組に関する記憶を語った。彼が大正2年に小樽新聞へ寄稿し、その後単行本化されたのが『新撰組顛末記』である。局長近藤勇への評価や池田屋事件の裏側など、当事者ならではの証言が多く含まれており、後世の研究の一次資料として価値が高い。『浪士文久報国記事』は山岡鉄舟が記した別書、『新撰組日誌』『維新風雲録』は実在しないか別内容の書物のため誤りである。