扇子の骨と地紙を貼り合わせる際、古来日本画で使われる膠を溶いて作る接着剤が用いられます。この伝統的な接着剤として正しいものはどれでしょう。
膠は牛や鹿の皮・骨を煮出して得たゼラチンを乾燥させ、使用時に温水で溶かした天然接着剤である。乾燥すると堅牢だが加熱水で再溶解できる可逆性があり、修理や貼り直しが必要になる扇子工芸には最適。澱粉糊を加えて粘度を調節すれば骨への食い付きが増し、乾燥後も紙の可動性を適度に残す。化学系接着剤は固着力が強すぎて紙が割れやすく、しかも紫外線で黄変する恐れがあるため伝統的な作り手は敬遠する。