競技中に失神、あるいは死亡しながらも相手を先に降参させたため勝者となり、死後に戴冠されたパンクラチオン選手として知られる人物は誰でしょうか?
フィガリアのアリキオンは紀元前564年の大会で相手の足を締め上げながら絞め技を受け、気管が折れて絶命したと伝えられる。しかし同時に相手は激痛に耐えきれず先に降参の合図をしたため、審判はアリキオンを勝者と宣告した。師匠や観客は遺体を競技場から担ぎ、死者にオリーブ冠を授与したという逸話はパウサニアスの記述に残る。この物語は勇気と栄誉を象徴し、ギリシア人の間で伝説的英雄譚として語り継がれ、後世の文学や演劇の題材にもなった。