電力が普及する以前から使われ、足で踏板を蹴って回転を与えるこけし用旋盤の名称はどれか?
蹴りろくろは床に据えた軸と滑車を芯棒でつなぎ、職人が片足でペダルを上下させて回転させる伝統的な旋盤である。回転数は踏み方により自由に変えられ、木肌を見ながら削り速度を即座に調整できるため、細かなくびれが多いこけし作りに向く。電動ろくろは効率的だが微妙な速度制御が難しく、スピンドルろくろやCNCろくろは主に工業製品向け。蹴りろくろのリズムは熟練を要し、音と手元の振動で材の状態を判断する伝統技術の象徴とされる。また座業のため上半身が安定し、長時間の作業でも刃先がぶれにくい利点がある。