胴や頭にロクロ上で描かれる同心円状の細い赤や黒の線を総称して何と呼ぶか?
ろくろ線は回転する木地に筆や染料を当てて円状の帯を描く伝統的な装飾法で、鳴子系や弥治郎系など多くの系統で見られる。回転を利用するため線幅が揃い、単調にならないよう太細を交互にしたり、途中で筆を跳ね上げて点描を入れるなど職人の個性が現れる。単に装飾というだけでなく、視覚的に胴のくびれを強調し木目の荒れを隠す実用面もある。この線の美しさは回転速度と筆圧のバランスで決まり、修業初期から最も時間を費やす基本技術とされる。とばり模様や七宝文は別工芸の技法、錦絵は板絵の呼称でこけし特有ではない。