振幅は単振動における重要な物理量で、振動系のエネルギーや最大速度と直接関係します。本記事では、「振幅」の正しい定義や、振幅と関連する物理量との依存関係について解説した10問のクイズを紹介します。波動の振幅、単振り子の周期変化、音圧振幅と強度の関係など、振幅に関する基本的な概念を問う内容となっています。これらのクイズを通して、振幅の物理的意味と重要性を理解していただければ幸いです。
Q1 : 同位相かつ同周波数の二つの波がそれぞれ振幅 A と B で重なったとき、重ね合わせ後の結果の振幅は理想的にどうなるか。 |A−B|になる √(A^2+B^2)になる A+Bになる max(A,B)になる
同位相(位相差がゼロ)で同周波数の波を重ねる場合、振幅は代数的に足し合わされます。したがって振幅 A と B の場合、重ね合わせ後の振幅は A+B になります。位相が逆位相(πずれる)であれば振幅は A−B(または |A−B|)となり、部分的あるいは完全な打ち消しが起きます。異なる位相や周波数が混じる場合は時間依存の干渉パターンになり単純な足し算とはならないため、同位相・同周波数という条件が重要です。
Q2 : 振幅比をデシベル(dB)で表す場合の正しい式はどれか(A1 → 基準、A2 → 比較する振幅)。 10 log10(A2/A1) 20 log10(A1/A2) ln(A2/A1) 20 log10(A2/A1)
デシベルは対数単位であり、電力比に対しては 10 log10(P2/P1) を用います。一方で振幅(電圧や圧力など)は電力に対して二乗の関係があるため、振幅比をデシベルで表すときは 20 log10(A2/A1) を用います。符号や分子・分母の順序に注意が必要で、A2>A1 なら正の dB、A2<A1 なら負の dB になります。したがって振幅比を基準から比較先へ変換する式は 20 log10(A2/A1) が正しい表現です。
Q3 : 小角近似(θ が小さいときに sinθ ≈ θ)を用した単振り子の周期の性質について正しい記述はどれか。 振幅が変わっても周期はほとんど一定(振幅に依存しない) 振幅が大きいほど周期は常に短くなる 振幅が大きいほど周期は常に長くなる 周期は振幅の二乗に正比例する
単振り子の厳密な周期は振幅に依存しますが、振幅が十分小さい(小角近似 sinθ ≈ θ が成り立つ)場合、周期は T=2π√(L/g) となり振幅に依存しない近似が得られます。大振幅では摂動が無視できず、周期は振幅が増えるとわずかに長くなる方向に補正されますが、小角領域ではその補正が非常に小さいため「ほとんど一定」と表現されます。したがって小角近似下では振幅による周期変化は無視できます。
Q4 : 音圧の振幅と音の強さ(音響強度、エネルギー流束密度)との関係はどれか。 強度は振幅に比例する 強度は振幅の二乗に比例する 強度は振幅の三乗に比例する 強度は振幅に反比例する
音波における音圧振幅 p と音の強度 I(単位面積あたりの平均エネルギー流)との関係は I ∝ p^2 です。これはエネルギーが圧力変動の二乗に比例するためで、電磁波や機械的波でも同様に強度は場の振幅の二乗に比例することが一般的です。したがって音圧振幅を二倍にすると強度は四倍になります。線形領域での近似で成立する関係であり、非線形効果が強い場合にはこの単純な比例則が崩れることがあります。
Q5 : 波動として記述された y(x,t)=A sin(kx−ωt) の式における A は何を表すか。 位相(位相定数) 波数(k) 振幅(最大変位) 角周波数(ω)
式 y(x,t)=A sin(kx−ωt) における A は波の振幅であり、波が伝搬する中での媒質の一点が平衡位置から最大でどれだけ離れるかを示す物理量です。位相は括弧内の kx−ωt の形で与えられ、波数 k は空間方向の位相変化率、角周波数 ω は時間方向の位相変化率です。振幅は波の強さに対応し、例えば電磁波では振幅が電場・磁場の最大値、音波では圧力変化や媒質の速度の最大値に相当します。したがって A は振幅(最大変位)です。
Q6 : 正弦波 y(t)=A sin(ωt) の実効値(RMS:root mean square)は次のうちどれか。 A/2 A/3 A A/√2
正弦波の実効値(RMS)は時間平均の二乗根で定義され、Vrms = √( (1/T) ∫_0^T [A sin(ωt)]^2 dt ) です。計算すると (1/T)∫_0^T sin^2(ωt) dt =1/2 となるため Vrms = A√(1/2)=A/√2 になります。電気工学や信号処理では振幅 A(ピーク値)から実効値を求めるときにこの係数を用います。なお電力やエネルギー計算では実効値を使うことが多く、正弦波ではピークの約0.707倍が実効値です。
Q7 : 弦や管などで定常波が形成されたとき、振幅が常にゼロになる点は何と呼ばれるか。 節(振幅が常にゼロの点) 腹(振幅が最大の点) 媒質点(一般の点) 反射点(必ず境界で生じる点)
定常波では幾つかの位置において振幅が常にゼロとなる点が現れ、これを「節(node)」と呼びます。一方、振幅が最大となる点は「腹(antinode)」です。節は入射波と反射波の干渉によって生じ、互いに逆位相で重なるため振幅が打ち消されます。反射点が節になる場合もありますが、境界条件によっては腹になることもあり得るため「反射点が必ず節」とは限りません。節と腹の位置関係は波長と境界条件で決まります。
Q8 : 振幅変調(AM:Amplitude Modulation)の定義として正しいものはどれか。 搬送波の周波数を変調する方式 搬送波の振幅を変調する方式 搬送波の位相を変調する方式 搬送波の偏波を変調する方式
振幅変調(AM)は搬送波(キャリア)の振幅を情報信号によって変化させる方式です。搬送波の周波数を変える方式は周波数変調(FM)、位相を変える方式は位相変調(PM)であり、それぞれ異なる特性(雑音耐性、帯域幅など)を持ちます。偏波は主に電磁波の振動方向に関する性質で、通常の AM/FM の分類には含まれません。AM は送信しやすく受信機側が簡便ですが、雑音に弱いという欠点があります。
Q9 : 単振動(単純調和振動)における「振幅(振れ幅)」の正しい定義はどれか。 平均位置からの最大変位(最大振れ) 振動の繰り返しに要する時間 角周波数(ω) 振動の初期位相(φ)
振幅は単振動における「平均位置(平衡位置)からの最大の変位」を指します。数学的には y(t)=A sin(ωt+φ) における A が振幅で、正負を含む最大の変位量です。周期や角周波数、初期位相は振幅とは別の物理量であり、周期は時間的性質、角周波数は時間あたりの位相進行速度、位相は波形の時間的シフトを表します。振幅はエネルギーや最大速度と直接関係し、例えば単振り子や質点ばね系では系の全エネルギーが振幅の二乗に比例します。したがって「平均位置からの最大変位」が正しい定義です。
Q10 : 単振動する質量ばね系における全エネルギー E の振幅 A への依存はどれか。 E ∝ A E ∝ A^2 E ∝ A^3 E に A の依存はない
単振動する調和振動子(質量 m、バネ定数 k)の全エネルギーは位置エネルギーと運動エネルギーの和で、最大時(速度がゼロ)のみ位置エネルギー 1/2 k A^2 をもちます。よって全エネルギー E=1/2 k A^2 で振幅 A の二乗に比例します。同様に運動エネルギーの最大値も 1/2 m ω^2 A^2 と表され、ω^2=k/m を代入すれば同じ二乗依存になります。従ってエネルギーは振幅の一次ではなく二乗に比例するため、E ∝ A^2 が正解です。この関係から振幅を二倍にするとエネルギーは四倍になります。
まとめ
いかがでしたか? 今回は振幅クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は振幅クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。