ニホニウムは、周期表の中で最も新しい人工元素の一つです。その原子番号は113番で、2016年にIUPACによって正式に命名されました。ニホニウムは、理化学研究所のチームが行った一連の合成実験によって発見されました。この新元素の性質や合成方法、命名の経緯について、10問のクイズを通して詳しく解説していきます。元素の発見と命名に関する歴史的な事実や、化学的な特徴などを学ぶことができる内容となっています。ニホニウムという名称の由来や、超重元素研究の最前線について理解を深めていただければと思います。
Q1 : ニホニウムには安定同位体(自然に存在する安定な同位体)は存在するか? はい、複数存在する 一つだけ存在する 天然には存在しないが人工で長寿命同位体が豊富に合成されている いいえ、安定同位体は存在しない(全て放射性で人工合成)
ニホニウムは超重元素であり、地球上に自然存在する安定同位体は存在しません。既知の全てのニホニウム同位体は人工的に合成された放射性核種で、半減期は一般に極めて短く、実験室での合成と崩壊測定を通じて性質が研究されています。超重元素領域では中性子数や殻効果により比較的長寿命の同位体が理論的に予想されることもありますが、現時点でニホニウムに安定同位体は報告されていません。
Q2 : ニホニウムはどのような方法で合成されることが多いか? 軽元素の中性子捕獲反応を用いる 亜鉛イオンをビスマス標的に衝突させる(70Zn + 209Bi の融合蒸発反応など) カルシウムイオン同士を衝突させる同位体融合反応 中性子線での逐次中性子吸収とベータ崩壊による生成
ニホニウム合成は融合蒸発反応(heavy-ion fusion-evaporation)が一般的で、RIKENなどの実験では亜鉛(70Zn)イオンをビスマス(209Bi)標的に照射することで元素113の核を生成する手法が用いられました。入射イオンと標的核が融合して過剰な励起エネルギーを持つ複合核を形成し、余分な中性子や核子が蒸発して目的の同位体が残るという原理です。他の手法や反応条件も研究されていますが、Zn+Biは113番元素合成で実績のある組合せです。
Q3 : ニホニウム(nihonium)という名前がIUPACによって正式に承認されたのはおおむね何年か? 2016年 2008年 2020年 2012年
IUPACは元素の発見と命名を評価し、最終的に2016年に元素113の正式名称として nihonium(ニホニウム)が承認されました。命名は発見者の提案と国際的な検証を経て行われ、nihonium という名称は「日本(Nihon)」に由来しており、発見に貢献した日本の研究チームを称える意味が込められています。承認後、学術文献や周期表において公式に nh 記号で表記されるようになりました。"
Q4 : ニホニウムは周期表のどの族(group)と周期(period)に属するか? 13族(第7周期) 11族(第6周期) 15族(第7周期) 3族(第6周期)
ニホニウムは元素番号113で、周期表では第7周期の13族(III族に相当、ボロン族)に位置します。13族にはホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)などが属し、典型的には主に+3や+1の酸化状態をとる性質が知られています。ニホニウムは超重元素であるため、周期的性質に加えて相対論的効果が顕著に現れ、7s電子の安定化などにより化学的性質が軽い族員と単純に一致しない可能性がある点も研究対象となっています。
Q5 : ニホニウムで予想される最も安定な酸化状態はどれか? +3 +1 +5 0(金属状態)
周期表の13族元素では通常+3の酸化状態が標準ですが、重い族員(特にタリウム)では「慣性電子対(inert pair)効果」により+1が安定になる傾向があります。ニホニウムでも7s電子の相対論的安定化およびd・f軌道の影響により、理論予測では+1の酸化状態が相対的に安定であると示唆されています。実験データは限られるものの、化学的性質の予測には相対論的量子化学計算が重要であり、ニホニウムは+1状態を取りやすいと考えられています。
Q6 : ニホニウムの主な崩壊様式として正しいものはどれか? ベータ(β−)崩壊 電子捕獲(EC) アルファ(α)崩壊 ガンマ(γ)崩壊
超重元素であるニホニウムの既知の同位体は非常に不安定で、主にアルファ崩壊(ヘリウム核放出)によってより軽い元素へと変化します。アルファ崩壊は高い原子番号領域で一般的な崩壊モードであり、観測された崩壊系列はしばしば連続するα崩壊として記録され、最終的により安定な軽い核種に到達します。その他に自発核分裂や電子捕獲が起きる場合もありますが、代表的なのはα崩壊です。
Q7 : ニホニウムの命名以前に用いられていた暫定名称(系統名)はどれか? ジャポニウム(Japonium) ニッポニウム(Nipponium) エカタリウム(eka-thallium) ウンウントリウム(Ununtrium, Uut)
新しい元素が発見されると正式名が決まるまでの間、IUPACが定める系統名(systematic element name)が使用されます。原子番号113に対しては“ununtrium”という系統名が与えられ、その記号は Uut でした(『unun-』はラテン語由来で数の語根をつなげたもの)。その後、発見者提案に基づき nihonium(ニホニウム、記号 Nh)という正式名が採用され、系統名 Uut は廃止されました。系統名はあくまで暫定的な命名規則に基づく呼称です。
Q8 : ニホニウムの化学記号はどれか? Nh Ni Np No
ニホニウムの正式な化学記号は Nh です。IUPACが命名と同時にこの記号を承認しました。かつては暫定名称の ununtrium(記号 Uut)が使われていましたが、正式名nihonium採用後は Nh が国際的な標準となっています。記号は元素名の国際的表記に合わせて付与され、研究論文や元素表、データベースなどで共通して用いられます。なお Ni はニッケル、Np はネプツニウム、No はノーベリウムといった別元素の記号であり混同に注意が必要です。
Q9 : ニホニウムの発見が正式に認められ、発見者クレジットを与えられた研究機関はどこか? セルン(CERN) 理化学研究所(RIKEN) 合同原子核研究所(JINR)/ドゥブナ バークレー加速器研究所(LBNL)
ニホニウムの発見に関しては、理化学研究所(RIKEN)のチームが行った一連の合成実験とその結果の再現性が評価され、IUPAC/IUPAPの合同作業部会によってRIKENの業績に発見クレジットが与えられました。RIKENは重イオン加速器を用いた融合蒸発反応で元素113を合成し、得られた崩壊系列の解析により新元素の同定を行いました。超重元素研究では複数の研究機関間で報告の競合が起きることがありますが、最終的な認定は国際的な評価に基づいて行われます。
Q10 : ニホニウム(nihonium)の原子番号は何ですか? 111 112 113 114
原子番号は元素の核内の陽子数を示す番号で、ニホニウムは陽子113個を持つ人工元素として知られています。IUPACによって113番元素に nihonium(記号 Nh)が割り当てられており、周期表では第7周期に位置します。113という番号はその元素の化学的性質や周期表上の位置決定にも重要で、例えば同族(13族)の他元素と比較して電子殻配置や予想される酸化状態の議論に用いられます。ニホニウムは超重元素に分類され、その同位体はすべて放射性で極めて短寿命です。
まとめ
いかがでしたか? 今回はニホニウムクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はニホニウムクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。