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イリジウム(原子番号77)は白金族元素の一つで、地球上では極めて希少な金属です。その物理化学的特性や発見の歴史、応用分野について理解を深めるため、本記事ではイリジウムに関する10のクイズを紹介します。イリジウムの原子番号、発見者、名称由来、密度、酸化数、同位体利用、融点、地質学的特徴など、この金属に関する多様な知見を、クイズ形式で解説していきます。イリジウムの持つユニークな性質を探る良い機会となるでしょう。
Q1 : イリジウムは地球の地殻中で非常に希少であるが、どのような場所で相対的に濃縮されることが多いか?
イリジウムは地球の地殻では非常に希少な元素ですが、隕石や微惑星などの外来天体中には相対的に高濃度で含まれることが多い点が特徴です。この性質が白亜紀末のイリジウム異常の解釈にも繋がります。地殻や生体、一般的な堆積岩中に豊富に存在するわけではなく、むしろ隕石起源の堆積物や特定の金属鉱床で濃縮されることが報告されています。
Q2 : 「イリジウム衛星(Iridium)」という通信衛星コンステレーションの名称は、イリジウムの原子番号77に由来しているという説明は正しいか?
商用の衛星通信システム「Iridium」は、名前の由来がイリジウムの原子番号77に関連しています。プロジェクト発足時に当初77基の衛星を配備する計画があり、その数が元素の原子番号77と一致したため「Iridium」と命名されました。最終的な運用衛星数は計画変更で異なりましたが、名称はその由来を残しています。この命名は元素のユニークな数字的特徴を象徴的に用いた例です。
Q3 : 同位体イリジウム-192(Ir-192)に関して正しい用途はどれか?
イリジウム-192(Ir-192)は放射性同位体で、工業用の非破壊検査(NDT:ネガティブ検査)における放射線源として広く使われます。例えば配管や溶接部の内部欠陥検査に用いられます。また、医療分野では一部の小線源療法(ブラキセラピー)に利用されることがあります。Ir-192の半減期は約73.8日で扱いや輸送に放射線防護上の注意が必要です。
Q4 : イリジウムの融点はおおよそどれくらいか?
イリジウムの融点は非常に高く、おおむね約2446℃とされています。この高融点と優れた耐食性により、イリジウムは高温環境下での材料や電極、耐熱容器などの用途に適しています。融点が高い金属は高温での安定性や機械的強度を保持しやすく、イリジウムは工業用の特殊合金や高温部品に利用されることが多い金属です。
Q5 : 白亜紀末(K–Pg境界)に見られる地層中のイリジウム濃度の急増(イリジウム異常)は一般に何が原因と解釈されているか?
白亜紀末(K–Pg)境界におけるイリジウム異常は、一般にチクシュルーブ衝突を含む巨大隕石(小惑星)の地球衝突に伴う外来物質の供給が主要な原因と解釈されています。隕石や彗星に含まれる白金族元素は地球の地殻に比べて濃度が高く、衝突時に広範囲に拡散して地層に特徴的なイリジウム濃度のピークを残しました。これが恐竜絶滅などの環境変動と関連づけられて議論されています。
Q6 : イリジウムの原子番号は何番か?
イリジウム(記号 Ir)の原子番号は77です。元素周期表で第6周期の遷移金属に属し、プラチナ族元素の一つです。原子番号77は陽子数を示し、イリジウムの原子量は約192.2 uであること、化学的には高い耐食性と高密度を示すことなどが知られています。周期表上では白金(Pt, 78)や白金族の隣接元素と化学的性質を共有し、触媒や高温材料としての応用につながっています。これらの性質は原子番号と電子配置と密接に関連しており、原子番号77という識別はイリジウム特有の物理化学的特徴を示す重要な指標です。
Q7 : イリジウムを発見したのは誰か?
イリジウムは1803年にイギリスの化学者スミソニアン・テナント(Smithson Tennant)が発見しました。テナントは白金鉱石を王水で溶かした際に溶け残った黒色の残渣を調べ、新元素であるイリジウムとオスミウムを識別しました。イリジウムという名称はその化合物が示す多彩な色(ギリシャ神話の虹の女神イリスに由来する)に由来します。テナントの発見は当時の貴金属化学の進展に寄与し、白金族元素の理解を深める契機となりました。
Q8 : イリジウムの名前の由来として正しいものはどれか?
イリジウム(Iridium)の名称は、ギリシャ神話の虹の女神イリス(Iris)に由来します。これはイリジウム化合物が示す多彩な色(虹色)に因んだ命名で、発見者テナントが化合物の色の変化を観察して名付けました。元素名が色や性質に由来する例は他にもあり、イリジウムの命名はその見た目的特性を反映しています。なお、発見者の名前由来や地名由来、鉄を意味する語由来ではありません。
Q9 : 密度に関する次のうち正しいものはどれか?
イリジウムは非常に高密度な金属ですが、最も密な元素はオスミウム(Os)で、オスミウムの密度は約22.59 g/cm3、イリジウムは約22.56 g/cm3と報告されることが多く、オスミウムがわずかに高密度です。これらはいずれも白金族元素に属し、密度が高く重い金属として知られます。密度の差はごく小さいものの、精密な測定によりオスミウムが最も高密度であると判定されています。
Q10 : イリジウムの代表的な酸化数として最も一般的なのはどれか?
イリジウムの化学において最も一般的で安定に見られる酸化数は+3です。+3や+4の酸化数がよく知られており、錯体化学や触媒反応において+3状態の化合物が多く存在します。より高い酸化状態も条件次第で観測されますが、化学的に最も頻繁に現れるのは+3であり、配位化合物や錯体の形成でも中心的な価値を持っています。
まとめ
いかがでしたか? 今回はイリジウムクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はイリジウムクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。