ニッケルはさまざまな分野で重要な役割を果たす金属です。周期表の第10族に属する遷移金属で、銀白色の堅い金属ですが延性もあり、耐食性に優れています。ニッケルの原子番号は28番で、同位体も複数存在しています。ニッケルは主にペントランド石などの硫化鉱から採掘され、高温処理によって精製されます。また、ステンレス鋼の耐食性向上に寄与したり、接触皮膚炎の原因物質としても知られています。ニッケルに関する基礎知識と興味深い事実について、本記事のクイズを通じて詳しく紹介します。
Q1 : ニッケルを発見したとされる人物は誰か? ヘンリー・キャヴェンディッシュ アクセル・フレドリック・クロンステッド(Axel Fredrik Cronstedt) ハンフリー・デービー ロバート・ボイル
ニッケルは1751年にスウェーデンの鉱物学者アクセル・フレドリック・クロンステッド(Axel Fredrik Cronstedt)が発見したとされます。彼はドイツ語で『妖精の銅』を意味するKupfernickelと呼ばれていた鉱石から新しい金属を分離し、これをニッケル(nickel)と命名しました。クロンステッドは当時の鉱物学・冶金学に貢献した人物であり、ニッケルの分離と記載は元素史における重要な出来事です。
Q2 : 精製・精錬法に関する次の記述のうち、モンド法(Mond process)で生成する揮発性化合物はどれか? NiO(酸化ニッケル) Ni(CO)4(ニッケルカルボニル) NiS(硫化ニッケル) NiCl2(塩化ニッケル)
モンド法はニッケルの高純度精製に使われる古典的な方法で、一酸化炭素と反応させて揮発性のニッケルカルボニル Ni(CO)4 を生成させ、これを分解して純ニッケルを得るプロセスです。Ni(CO)4は低温でも揮発性があり回収・分解が可能ですが、極めて毒性が強いため取り扱いに注意が必要です。この方法は硫化鉱やコバルト等の不純物から高純度ニッケルを得る上で歴史的に重要な技術でした。
Q3 : ニッケルがステンレス鋼の耐食性に寄与するメカニズムとして適切なのはどれか? ニッケル自身が厚い酸化皮膜を作って主に耐食性を担う ニッケルは腐食促進剤として働く オーステナイト相を安定化して組織的に靭性と耐食性を向上させる 磁性を付与して電気化学的保護を行う
ニッケルはステンレス鋼では主にオーステナイト相を安定化させることで合金組織を変え、延性や靭性を高めるとともにクロムの形成する不動態膜(酸化クロム)と相まって耐食性を向上させます。ニッケル自体が主要な不動態被膜を作るわけではなく、クロムによる酸化被膜が腐食防止の中心ですが、ニッケルは相変態や相構成を制御して材料全体の耐食挙動を改善します。
Q4 : ニッケルによる接触皮膚炎(ニッケルアレルギー)の原因物質として最も関連が深いのはどれか? 金属ニッケル(固体) 炭酸ニッケル 硫酸ニッケル(NiSO4) ニッケルカルボニル(Ni(CO)4)
接触皮膚炎の原因となるニッケル感作は一般に可溶性の二価ニッケルイオン(Ni2+)が皮膚に遊離して作用することが関与しており、硫酸ニッケルなどの水溶性塩は皮膚試験にも用いられます。日常生活で装飾品やボタン、金属めっきから溶出するニッケルが問題になりやすく、硫酸ニッケルはパッチテストで陽性反応を示す代表的な試薬です。なおニッケルカルボニルは非常に毒性が高い化合物ですが、接触皮膚炎の典型的な原因とは異なります。
Q5 : 地殻中でのニッケルの平均濃度はおよそどの程度か? 約80 ppm(0.008%) 約0.8% 約1 ppm(0.0001%) 約10%
地殻中の元素濃度としてニッケルは比較的希少で、平均的な地殻濃度は約80 ppm(約0.008%)程度とされています。これは銅や亜鉛などと同程度かやや多い値であり、地殻中の存在は主に硫化鉱(ペントランド石など)や後成鉱床(ラテライト)に濃集して採鉱可能な鉱床を形成します。また、隕石中ではニッケル濃度が高いことが知られ、宇宙起源物質の識別にも利用されます。
Q6 : 天然において最も豊富なニッケルの同位体はどれか? Ni-57 Ni-59 Ni-58 Ni-60
天然ニッケルの同位体で最も豊富なのはNi-58です。自然存在比率は約68%前後で、他にNi-60、Ni-61、Ni-62、Ni-64などが少量含まれます。これらの安定同位体の存在比は質量分析等で精密に測定され、地球化学的な研究や同位体比による起源分析に利用されます。放射性同位体は自然にはほとんど存在せず、同位体比は元素の起源や核反応研究における基礎データとなります。
Q7 : ニッケルは室温で強磁性を示しますが、そのキュリー温度(強磁性が失われる温度)は次のうちどれに近いか? 273 K(0 ℃) 100 K 1000 K 627 K
ニッケルのキュリー温度(Tc)は約627 K(約354 ℃)であり、これより高温では強磁性が失われ常磁性になります。室温(約300 K)ではニッケルは強磁性を示すため磁石によく引き付けられますが、加熱してTcを超えるとスピン配列が乱れ磁性が消失します。キュリー温度は磁性材料の実用温度範囲を決める重要な指標であり、ニッケルは常温下での磁性応用に適した材料です。
Q8 : ステンレス鋼(18-8など)におけるニッケルの主な役割はどれか? 耐食性を高めオーステナイト相を安定化して靭性を向上させる 強磁性を与える 導電率を大幅に下げる 表面に着色する
ステンレス鋼の中でニッケルはオーステナイト相(γ相)を安定化させ、靭性や加工性を向上させると同時に耐食性を高める働きをします。クロムが不動態(酸化膜)を形成して耐食性に寄与しますが、ニッケルは組織をオーステナイト側に保つことで延性や低温脆性の防止、溶接性の改善などに寄与します。したがって18-8ステンレスなどでは約8〜10%のニッケルが配合されることが多く、合金特性の調整に重要な元素です。
Q9 : ニッケルの原子番号は何番か? 28 26 29 30
ニッケルの原子番号は28番で、周期表では遷移金属の一つ(第10族)に属します。電子配置は標準的に[Ar] 3d8 4s2と記載され、銀白色の金属で硬く延性があり、耐食性や合金添加元素として重要です。原子番号は元素を一意に示す基本的性質で、ニッケルは鉄(26)や銅(29)と近接していますが、化学的・物理的性質は異なります。28という数は陽子数を表し、同位体や化合状態はその上に成り立っています。
Q10 : 主要なニッケル鉱石に含まれる代表的な鉱物はどれか? ガーネット(ざくろ石) ペントランド石(pentlandite) ボーキサイト 閃亜鉛鉱(スファレライト)
ペントランド石(pentlandite)は硫化鉱床における代表的なニッケル鉱物で、組成は(Fe,Ni)9S8のように鉄とニッケルを含む硫化物です。世界の硫化型鉱床からのニッケル採掘で重要な役割を果たし、加熱・浮選などの工程で回収されます。ガーネットやボーキサイトは別の金属の鉱石(例:ボーキサイトはアルミニウム源)であり、閃亜鉛鉱は亜鉛鉱石です。ペントランド石は特に硫化鉱床起源のニッケル鉱石の主要相として鉱山業で広く認められています。
まとめ
いかがでしたか? 今回はニッケルクイズをお送りしました。
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今回はニッケルクイズを出題しました。
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次回のクイズもお楽しみに。