世界で初めて就役した実用的な原子力潜水艦はUSS Nautilus (SSN-571)です。1954年に就役したNautilusは、従来のディーゼル・電気式潜水艦に比べて航続距離、潜航時間、速度が飛躍的に向上しました。原子力推進により補給や浮上の頻度が大幅に減り、長期の洋上行動や高い高速持続力が可能となったことから、潜水艦設計と戦術に革命をもたらし、後続の原子力潜水艦の発達に直接つながったという歴史的事実があります。
Q1 : 潜水艦の最大安全潜航深度(作戦深度や圧壊深度)を主に決定する要因は何か? ソナーの性能 圧力殻(耐圧殻)の材質と構造の耐圧強度 乗員の訓練レベル 搭載ミサイルの射程
潜水艦の最大安全潜航深度は外部水圧に耐える圧力殻(ハル)の材質・形状・厚さおよび接合方法による強度により主に決定される。水深が増すごとに外圧は線形に増加し、設計上の耐圧を越えると圧壊(クラッシング)する危険があるため、安全率を考慮した設計深度が設定される。その他のシステムや人員は運用上の制限には関係するが、物理的な限界は圧力殻が支配的である。
Q2 : ロシアの原子力巡航潜水艦『クルスク(K-141)』が沈没したのは何年の出来事か? 1998年 1999年 2000年 2001年
ロシアの原子力巡航ミサイル潜水艦クルスク(K-141)は2000年8月12日に北方艦隊所属の演習中にバレンツ海で事故を起こし沈没した。事故の主因は艦内での魚雷爆発とされ、多数の乗員が犠牲となった。事故対応や情報公開に関する国際的な注目を集め、救助活動や捜査の過程で様々な問題点が明らかになった。クルスク事故は冷戦後のロシア海軍の課題を象徴する重大事故として広く報道された事実である。
Q3 : 第二次世界大戦後の潜水艦設計に大きな影響を与え、後の潜水艦の多くの要素を先取りしたドイツの潜水艦はどれか? Uボート Type VII Uボート Type IX Uボート Type II Uボート Type XXI
ドイツのType XXIは第二次大戦末期に登場した革新的な設計で、水中航行性能を重視したハイ・サブマリンの先駆けである。大型の蓄電池や流線型外殻、潜航中の速度向上、艇内の自動化などの特徴があり、戦後の各国潜水艦設計に多大な影響を与えた。実戦投入は限られたが、その概念は冷戦期以降のディーゼル・電気潜水艦や原子力潜水艦の設計思想に取り入れられた点が歴史的に重要である。
Q4 : 潜水艦で騒音低減や推進効率を高めるためにスクリューの代わりに用いられることがある推進方式はどれか? ポンプジェット推進(Pump-jet) ウォータージェット推進 タービンジェット推進 風力推進(ウィンドセイル)
ポンプジェット推進はスクリューに代わる方式として潜水艦の静粛性と効率向上に寄与する。ポンプジェットはインペラを密閉ケーシング内で回転させ、水を吸い込み吐出することで推力を得るため、スクリューに比べてキャビテーション(気泡発生)や回転音が抑えられ、音響的探知を困難にする利点がある。近代潜水艦の一部は低速から中速域での静粛性向上を狙ってこの方式を採用している。
Q5 : 従来の潜望鏡に代わり、直接アイピースを必要としない電子式観測装置として近年採用されている装置の名称は何か? 光学潜望鏡(Traditional Periscope) フォトニックマスト(Photonic Mast) レーダーマスト(Radar Mast) 磁気探知マスト(MAD Mast)
フォトニックマストは光学的な接眼部を持たず、カメラや赤外線センサー、レーザー測距、電子画像処理を行いデータを電子的に艦内に伝送する観測装置である。これにより潜望鏡塔の伝統的な光学管が不要となり、艦橋の設計自由度や機密保持、低位置での観測が可能になる。電子画像は録画や解析に適しており、夜間や悪天候での観測能力も向上するため、近代潜水艦で採用が進んでいる。
Q6 : 世界で初めて就役した実用的な原子力潜水艦はどれか? USS Nautilus (SSN-571) USS Seawolf HMS Dreadnought K-19
USS Nautilus(SSN-571)は1954年に就役した世界初の実用的原子力潜水艦である。原子炉を動力源とすることで従来のディーゼル・電気式と比べて航続距離、潜航時間、速度が飛躍的に向上した。原子力推進により補給や浮上の頻度が大幅に減り、長期の洋上行動や高い高速持続力が可能となった。Nautilusの就役は潜水艦設計と戦術に革命をもたらし、その実績は後続の原子力潜水艦の発達に直接つながったという歴史的事実がある。
Q7 : 潜水艦が浮力を変えて潜航・浮上する際に主に使用する装置はどれか? 外部スラスターを逆向きに回す バラストタンクに海水を取り入れる/排出する ソナーの周波数を変える 原子炉の出力を下げる
潜航や浮上の際、潜水艦は主にバラストタンクを用いて浮力を変化させる。浮上時はタンク内の海水を圧縮空気で吹き出して軽くし、潜航時はバラストタンクに海水を取り入れて総体積当たりの密度を増し沈ませる。この原理はアルキメデスの浮力の法則に基づき、外部推進装置や原子炉出力の調整では実用的に浮上・潜航できないため、バラストタンクが中心的な役割を担う。安全上はトリムタンクや非常浮上用の急速吹き出し装置なども併用される。
Q8 : AIP(Air-Independent Propulsion:非大気依存推進)の主な利点は何か? 高速での潜航を可能にする 原子力潜水艦と同等の出力を提供する ディーゼル・電気潜水艦に比べて水中での持続航行時間を大幅に延ばす ソナー探知能力を向上させる
AIPは大気中の酸素に依存せずに水中で長時間航行できる推進技術の総称で、例えばスターリングエンジン、燃料電池、クローズドサイクルディーゼルなどがある。これにより従来のディーゼル・電気潜水艦が浮上してディーゼル機関で発電しなければならなかった頻度を減らし、より長時間ステルス性を維持したまま水中行動が可能になる。一方で原子力潜水艦ほどの持続力や出力はなく、AIPは主として従来型ディーゼル潜水艦の水中持続時間や戦術的柔軟性を向上させる技術である。
Q9 : 略称SSBNが示す潜水艦の種類は次のどれか? 攻撃型原子力潜水艦(Nuclear Attack Submarine) 弾道ミサイル搭載通常動力潜水艦 特殊作戦支援潜水艦 弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(Ship, Submersible, Ballistic, Nuclear)
SSBNは米海軍等で用いられる略称で、Ship/Submersible, Submarine, Ballistic, Nuclearの頭文字に由来し、日本語では「弾道ミサイル搭載原子力潜水艦」とされる。これらは核弾頭搭載の弾道ミサイルを発射する戦略核抑止の核となる艦種で、長期間自律航行可能な原子力推進を採用し、発射管(SLBM)を多数搭載する設計が特徴である。戦略的抑止力として国家の核三本柱の一つを構成する。
Q10 : 能動ソナーと受動ソナーの違いで正しいものはどれか? 能動ソナーは音波を発射して反射を検出する方式で、受動ソナーは周囲の音を受動的に検出する方式である 能動ソナーは電磁波を使い、受動ソナーは音波を使う 能動ソナーは敵の通信を解析し、受動ソナーは音だけを検出する 能動ソナーは潜水艦専用、受動ソナーは艦艇専用である
能動ソナー(アクティブソナー)は送信器でパルス状の音を発生させ、その反射を受信して物体の距離や方向を測定する。これに対し受動ソナー(パッシブソナー)は自ら音を出さず、周囲の音(プロペラ音、機械音など)を受信して潜水艦や艦船を検出・分類する。能動は位置を直ちに測れるが発信音で発見リスクが高く、受動はステルス性を保てるが探知距離や方位の確定が難しい場合があるため、状況に応じて使い分けられる。