ロケットは人類の宇宙探査を支える重要な技術です。その歴史は古く、様々な革新がなされてきました。本記事では、ロケットの設計や運用に関する基本的な知識を問うクイズを10問ご紹介します。ロケットの推進力、燃料、構造、軌道投入技術など、宇宙開発の根幹を成す要素について理解を深めていただけます。ロケットに秘められた技術の歴史や原理を探求しながら、人類の宇宙開発の歩みを振り返ってみましょう。
Q1 : フルフロー式ステージドコンバッション(full-flow staged combustion)を採用しているロケットエンジンはどれか?
フルフロー式ステージドコンバッションは燃料側と酸化剤側の両方を別々の予燃焼器で完全に燃やし、その流れをタービンに通す方式で、スペースXのRaptorエンジンがこの方式を採用しています。これにより燃焼効率と圧力が高まり、タービンへの温度負荷が分散されるため高出力かつ高効率が期待されます。対照的にMerlinはガスジェネレータサイクル、RS-25は酸化剤リッチの段階的燃焼を採用しています。}
Q2 : オーバース効果(Oberth効果)とはどのような現象か?
オーバース効果とは、速度が大きい位置、典型的には近点(近惑星点)で推力による速度変化を起こすと、同じデルタVでも得られる軌道エネルギーの増分が大きくなる現象です。軌道エネルギーは速度の二乗に比例するため、高速時に行う燃焼は軌道の長半径や逃避速度への寄与が大きく効率的です。惑星間航行のための燃焼や軌道遷移計画では近点でのブーストを利用することがよくあります。
Q3 : 民間開発されたロケットで初めて地球周回軌道到達に成功したのはどれか?
民間開発ロケットとして初めて地球周回軌道到達に成功したのはスペースXのファルコン1で、4回目の打ち上げ(2008年9月28日)が初の成功です。これにより民間企業単独での軌道投入が実証され、以後の商業打ち上げ市場の拡大や再利用技術開発の契機となりました。ファルコン9はその後の大推進力・再利用モデルで広く知られるようになりましたが、軌道初成功はファルコン1が先です。
Q4 : グラビティターン(gravity turn)とは打ち上げで何をする操作か?
グラビティターンは打ち上げ直後にわずかにピッチオーバー(水平化)を行い、その後は重力を利用して飛行経路を自然に水平側へ変化させる軌道上昇法です。これにより制御入力や空力荷重を最小化しつつ効率的に大気圏を抜けて軌道に乗せることができます。多くの現代的なロケットやミッションプロファイルで標準的に用いられる技術で、燃料消費と空力損失のバランスを取るために設計されます。
Q5 : ロケットエンジンの再利用を難しくする主な要因はどれか?
エンジンの再利用が難しい主因は高温高圧で動作する部品の熱的・機械的疲労と摩耗です。燃焼室、タービン、ノズルやシール類は極めて厳しい環境にさらされ、耐熱材の劣化や摩耗、熱膨張に伴う応力蓄積が起こります。再使用には徹底した点検・整備や部品交換、設計段階での耐久性向上が必要で、これが再利用運用のコスト・手間と技術的課題の中心になります。
Q6 : ペイロードフェアリング(機体の先端にある覆い)の主な役割は何か?
ペイロードフェアリングは打ち上げ時に衛星などの搭載物を空力加熱、振動、音響や環境的汚染から保護するためのカバーです。大気圏内の高速飛行で受ける力学的・熱的負荷を遮断し、成層圏付近に達した後に分離・投棄されて衛星が露出します。近年は再使用や回収のためにフェアリングの回収技術も研究・実用化されており、保護性能と再利用性の両立が課題になっています。
Q7 : 人類を初めて地球周回軌道に乗せたロケットの家系(ロケットファミリー)はどれか?
R-7(セミョルカ)系列が人類初の地球周回有人飛行に使われました。1957年にスプートニクを打ち上げたR-7を基に改良されたヴォストーク型ロケットが1961年にガガーリンのヴォストーク1号を打ち上げ、人類を初めて周回軌道へ到達させました。R-7ファミリーは複数の段やブースター配置を特徴とし、その設計はソ連・ロシアの初期の打ち上げ能力の基礎となりました。以後この設計の派生型が多数運用され、歴史的・技術的にも重要な位置を占めています。
Q8 : ロケットで段階(ステージ)を分ける主な目的は何か?
ロケットを段階に分ける主目的は不要になった機材やタンク、エンジンなどの死荷重を切り離すことで質量比を改善し、効率的にデルタV(速度変化量)を稼ぐことです。ツォルコフスキーのロケット方程式により、同じ推進剤量でもより高い比推力や小さな乾燥質量が得られれば軌道投入能力が向上します。段繰りによって機体を軽くしていく手法は、単段での打ち上げが非現実的な高デルタV要求を満たすための基本戦略です。
Q9 : 比推力(Isp)の単位として一般的に用いられるのはどれか?
比推力(Isp)は一般に「秒」で表されます。比推力は推力を推進剤重量流量で割った値で、事実上そのエンジンが単位重量の推進剤を燃焼させたときに何秒間等価の推力を生むかを示す指標です。より直感的には実効排気速度を地上重力加速度g0で割った値で、秒数が大きいほど同じ推進剤量で得られる運動量効率が高いことを意味し、エンジン・燃料性能の比較に広く用いられます。
Q10 : RP-1というロケット用燃料は何と組み合わせて燃焼させるのが一般的か?
RP-1は精製ケロシン系の液体炭化水素燃料で、酸化剤としては一般に液体酸素(LOX)と組み合わせて使用されます。LOX/RP-1推進系は燃焼温度が水素/酸素系より低く、取り扱いや貯蔵が比較的容易であるため多くの第一段ロケットで採用されてきました。例としてソユーズやファルコン9、アリアン5(一部段)などがLOX/RP-1を使用しています。燃焼特性や比推力はLH2/LOXほど高くありませんが構造や運用面での利点があります。
まとめ
いかがでしたか? 今回はロケットクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はロケットクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。