ビールの歴史と特徴を知るクイズに挑戦しましょう。ビールの基本原料から発酵方法、伝統的なスタイルまで、さまざまな知識が試されます。ラガーとエールの違い、IPA誕生の背景、ベルギーのランビック、ドイツのライニヒツゲボットなど、ビールについて深く学べる内容になっています。ビールの知識を楽しみながら確認できる10問です。ビールの魅力を再発見する良い機会となりますよ。
Q1 : オクトーバーフェストで伝統的に供されるビールスタイルはどれか? メルツェン(Märzen/オクトーバーフェストビア) ピルスナー(Pilsner) ケルシュ(Kölsch) ベルリーナー・ヴァイセ(Berliner Weisse)
オクトーバーフェストの伝統的なビールは「メルツェン(Märzen)」または近年は「オクトーバーフェストビア」として知られるタイプです。歴史的には3月(März)に仕込んで夏の間貯蔵し、秋の祭りで飲むために熟成させた比較的強めでしっかりしたボディのラガーでした。現代ではアロマや色合いは多様化していますが、オクトーバーフェストではこの系統のビールが伝統的に楽しまれます。"
Q2 : ランビック(Lambic)ビールの発酵法として正しいものはどれか? 自然発酵(空気中の野生酵母や細菌による自発発酵) 上面発酵酵母だけを使う 低温で下面発酵する 純粋培養酵母のみで行う
ランビックはベルギーの伝統的なスタイルで、ケトルで加熱した麦汁を屋外にさらして自然に野生酵母や乳酸菌などを取り込み、そのまま自発的に発酵させる「自然発酵(スプontaneous fermentation)」で造られます。代表的な微生物にはブレタノマイセス(Brettanomyces)やペディオコッカス(Pediococcus)、複数の野生酵母・乳酸菌が含まれ、酸味や複雑なフレーバーを生みます。これは純粋培養酵母で行う一般的なビール醸造とは大きく異なります。
Q3 : ビールの苦味を示す指標「IBU」は何の略称か? International Bitterness Units(国際苦味単位) International Brewing Units(国際醸造単位) Inverted Bitterness Usage International Beer Units
IBUは「International Bitterness Units」の略で、ビールの苦味の目安を示す数値です。ホップ中のα酸が加水分解されて生じるイソα酸が主に苦味を生むため、煮沸時間やホップの量・α酸含量によってIBUが決まります。ただしIBUは化学的苦味成分の量を数値化したもので、ビールの全体的な苦味の感覚は麦芽の甘さやアルコール度、その他成分に影響されるためIBU値と主観的な苦味の感じ方が一致しない場合もあります。
Q4 : ベルギーのセゾン(Saison)スタイルの特徴として最も適切なのはどれか? 農家で季節労働者向けに造られたファームハウスエールで、ドライでスパイシーな風味がある ラガー酵母を低温で発酵させたビールで苦味が強い 高温で長期間熟成させるバーレーワイン 果汁を大量に加えたフルーツビール
セゾンはもともとベルギー(特にワロン地域)のファームハウスで、夏季や収穫期に働く労働者向けに造られた季節限定のビールです。一般に上面発酵のエールで、乾いた(ドライ)仕上がり、スパイシーでフルーティーなエステルやフェノール風味があることが多いのが特徴です。つくり手によっては酵母由来の胡椒様や柑橘様の香りが強く、炭酸はやや高めで飲みやすく設計されています。
Q5 : ドイツの有名なビール規則『ライニヒツゲボット(Reinheitsgebot)』が制定された年はいつか? 1516年 1789年 1842年 1600年
ライニヒツゲボット(Reinheitsgebot)、一般に「ビール純粋令」と呼ばれる法律は1516年にバイエルンで制定されました。この法は当時、ビールの原料を水、麦(麦芽)、ホップに限ることで品質を確保し、価格の安定やパンの穀物の保護を目的としたものです。当時は酵母の役割が科学的に理解されていなかったため明記されていませんが、後に酵母が発見されビール醸造に不可欠であることが判明しました。
Q6 : 「ケトルホッピング」と「ドライホッピング(生ホップ投入)」の主な違いは何か? 煮沸中に投入して苦味を抽出するのがケトルホッピング、熟成中に香り付け目的で投入するのがドライホッピング どちらも同じで呼び方の違いだけである ケトルホッピングは酵母添加法、ドライホッピングは酵母除去法である ケトルホッピングは麦芽の糖化工程で行う
ケトルホッピングは麦汁の煮沸中にホップを投入してイソα酸を抽出しビールの苦味や一部の香り成分を得る手法です。一方ドライホッピング(生ホップ投入)は発酵後あるいは熟成段階で冷たい状態のままホップを投入し、揮発性の香り物質を溶出させて強いホップアロマを付与します。ドライホップは苦味を大きく増やさず香りを強めるのが利点で、近年のクラフトビールで広く用いられています。
Q7 : ビールの基本的な原料4つは次のうちどれか? 水・麦芽・ホップ・酵母 水・米・ホップ・酵母 水・麦芽・砂糖・酵母 水・大麦・ホップ・果実
ビールの伝統的な基本原料は「水」「麦芽(通常は大麦麦芽)」「ホップ」「酵母」の4つです。水は比率が大部分を占め、麦芽は発酵可能な糖分と色・風味を与えます。ホップは苦味や香り、防腐効果をもたらし、酵母は糖をアルコールと炭酸に変える発酵を行います。歴史的・法的な定義(たとえばドイツのライニヒツゲボット)でも麦芽・ホップ・水が中心に挙げられており、現代では米やトウモロコシなどの副原料を使うこともありますが、基本はこの四つです。
Q8 : ラガーとエールの主な違いはどれか? 酵母の種類と発酵温度(下面発酵/上面発酵) ホップの量 麦芽の種類 発泡性の違い
ラガーとエールの基本的な違いは酵母の種類と発酵温度にあります。エールは上面発酵酵母(Saccharomyces cerevisiae系)を比較的高温(15〜24℃程度)で発酵させ、フルーティーで芳香の強い特徴を作り出します。一方ラガーは下面発酵酵母(Saccharomyces pastorianusなど)を低温(約7〜13℃)でゆっくり発酵させ、すっきりとクリアでクリーンな味わいになります。従って「酵母と発酵温度」が最大の差異であり、ホップ量や麦芽はスタイルによって変わりますが、これが根本的な分類の基準です。
Q9 : ピルスナー(ピルゼンタイプ)のビールが最初に醸造された都市はどこか? プルゼニ(チェコのPlzeň) ミュンヘン(ドイツ) プラハ(チェコ) ベルリン(ドイツ)
近代的なピルスナーはチェコのプルゼニ(Plzeň、ドイツ語名Pilsen)で1842年に醸造されたのが始まりです。ピルスナー・ウルケル(Pilsner Urquell)の醸造所で、バイエルン出身の醸造家ヨーゼフ・グロールが当時の地元水質と淡色麦芽、ホップを使って透明で金色のラガーを造り、これが世界的に「ピルスナー」として広まりました。プラハは近隣都市ですが発祥の地はプルゼニです。
Q10 : IPA(インディア・ペール・エール)が誕生した主要な理由は何か? 長距離輸送に耐えるためのホップとアルコールの増強 より安価に大量生産するため 低温で保存するため ワインの代替として造るため
インディア・ペール・エール(IPA)は18〜19世紀にイギリスで、植民地であるインドへ海路で輸送する際に品質を保つ必要があったため開発されました。ホップには防腐作用があり、より多くのホップとしばしば高めのアルコールを持たせることで長期間の航海に耐えるビールとして重宝されました。そのため“India Pale Ale”という名称が付いた歴史的背景があり、現代のIPAは強いホップ香と苦味が特徴のスタイルとして独立しています。
まとめ
いかがでしたか? 今回はビールクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はビールクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。