革靴ハンドメイドクイズ
革靴作りには長い歴史と伝統的な製法が存在し、靴作りのプロセスには多くの専門用語が使われています。この記事では、そうした革靴製作の知識を問うクイズを10問ご紹介します。革靴好きの方はもちろん、靴作りに興味のある方も、この機会に自身の理解度を確認してみてはいかがでしょうか。クイズの答えを見つけながら、革靴ハンドメイドの奥深さと魅力を感じていただければ幸いです。
Q1 : ウェルト(welt)に縫い付ける「ウェルティング」の工程は靴作りのどの段階で行われるか?
ウェルティングは、アッパーをラストにつり込んで形を整え、中底(インソール)を取り付けた段階で行われることが一般的です。ウェルトをアッパーと中底に縫い付け、その後ウェルトに沿ってミッドソールやアウトソールを取り付けます。この順序によりソール交換がしやすくなり、靴の構造的強度や防水性を確保できます。ソールを接着した後ではウェルトを使った取り付けは困難です。
Q2 : 靴底の「エッジ仕上げ」でバー二ッシュ(burnishing)処理する目的は何か?
バー二ッシュ(磨き)処理は、ソールや革のエッジ部分を摩擦や熱で摩耗させ、色や光沢を濃く整える仕上げ技法です。エッジをローラーや布で擦ったり、専用の薬剤やロウを使ったりして圧と熱を加えることで、ツヤのある濃い色調に仕上がり、見た目の引き締めと同時に端部の耐摩耗性を高めます。ハンドメイド靴では細部の美しさを出す重要な工程です。
Q3 : インソール(中底)とミッドソール(中間底)の違いとして正しい説明はどれか?
インソール(中底、あるいはライニング的な意味でのインソール)は足が直接乗る内部の面を指し、足当たりや快適性を左右します。ミッドソールはアウトソールとインソールの間に入る層で、クッション性や安定性、衝撃吸収、靴の剛性を担います。構造や材質選び次第で履き心地や歩行時の感覚が大きく変わるため、ハンドメイド靴ではそれぞれの役割に応じた素材と厚みの選定が重要です。
Q4 : 手縫いで革に縫い穴を開ける際に用いる道具は何か?
オール(aw l、菱錐や菱目打ちを含む)は、革に縫い穴を開けたりガイドをつけたりするための基本的な工具で、手縫いや菱目打ち作業で使われます。菱錐は先端が菱形で縫い目を通すための穴を貫通させ、菱目打ちは等間隔で穴の位置を打ち付ける道具です。正しく使うことで縫い目が揃い、糸通しや手縫いの品質向上につながります。
Q5 : グッドイヤーウェルト製法とは何を指すか?
グッドイヤーウェルト製法は、アッパーとウェルト(細長い革や合成素材の帯)を縫い合わせ、さらにウェルトと中底を縫い付けることでソールを固定する伝統的な製法です。ウェルトを介することでソールの交換(リソール)が比較的容易になり、防水性や耐久性が向上します。手間と工数がかかるため高級靴に多く用いられますが、適切なメンテナンスを行えば非常に長持ちします。グッドイヤーとブレイク(Blake)やセメント製法は構造や修理性が異なります。
Q6 : 靴作りで「ラスト(last)」とは何を指すか?
ラストは靴の外形やフィット感を決める木型や樹脂製の型のことです。アッパーをラストに被せて成形し、つり込みや底付けを行う際の基準となるため、靴の幅、甲の高さ、つま先形状などの最終的なシルエットに直接影響します。ラストの設計次第で同じ木型でもフィット感や履き心地が大きく変わるため、ハンドメイド靴ではしっかりしたラストの管理が重要です。
Q7 : ブレイク(Blake)製法の特徴はどれか?
ブレイク製法は、アッパーとインソールを合わせた状態で下から貫通する縫い方を用いるため、靴の内側からソールを縫い付けます。その結果、外から見えるステッチが少なく、ソール幅を薄く抑えられ、スマートなフォルムに仕上がります。一方でウェルトを介さないためリペアでソール交換をする際には専用の技術が必要になり、防水性はグッドイヤーウェルトに比べて劣る場合があります。
Q8 : 植物タンニン鞣し(ベジタブルタンニン)された革の特徴はどれか?
植物タンニン鞣しは、木の樹皮などに含まれる植物性タンニンを用いて行う伝統的な鞣し方法で、革は使い込むほどに色やツヤが深まり、独特の経年変化が現れます。こうしたエイジング特性が好まれ、高級靴や革小物に使われることが多いです。対してクロム鞣しは柔らかく均質で色落ちしにくい反面、ベジタブルタンニンほど劇的な経年変化は起こりにくい傾向があります。
Q9 : 靴の「シャンク(shank)」の主な役割は何か?
シャンクは中底とアウトソールの間、主に土踏まず部分に挿入される支持材で、金属製やプラスチック製、コルクなど様々な材質があります。歩行時に足裏が過度にたわむのを防ぎ、足のアーチを支えることで疲労軽減や靴の形状保持に寄与します。ハンドメイド靴では用途やデザインに応じてシャンクの有無や材質を選び、履き心地と耐久性のバランスを取ります。
Q10 : スキビング(skiving)とは革靴製作のどの工程か?
スキビングは革の厚みを調整するために部分的に薄く削る工程で、縫い代を折り込む箇所やパーツの重なりを滑らかにするために行われます。手作業ではスキバと呼ばれるヘラ状の工具や専用のナイフで行い、機械を使う場合もあります。適切にスキビングすることで縫い目の段差を減らし、仕上がりの美しさと履き心地を向上させます。
まとめ
いかがでしたか? 今回は革靴ハンドメイドクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は革靴ハンドメイドクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。