19世紀後半のヨーロッパで浮世絵が爆発的に流行し、印象派などに影響を与えた現象を指す言葉は何か?
パリ万博(1867年・1878年)を契機に大量の浮世絵が西欧市場へ流入し、モネ、ドガ、ゴッホらが構図・色面・輪郭線に触発された。この日本趣味ブームはフランス語でジャポニスム(Japonisme)と呼ばれ、美術工芸から文学、音楽、ファッションにまで広がった。収集史の観点では、この時期に里帰りしなかった初摺り作品が欧米に多く残存したため、現代の市場でも由来が欧州旧家コレクションである場合が多い。日本国内にない稀少図を探す際、ジャポニズム期の輸出履歴を把握することが重要である。